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第一章
第四十三話 魔王、後押しする
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「お二人とも、苦戦しているようですね」
腕を組んで戦況を見つめるエリスの横に、ウィスカーが並んで立った。
「なんじゃ、お主はもう終わったのか?」
「ええ。まぁ、こちらはA級ばかりでしたからね」
S級には大きく劣るとはいえ、A級は騎士の一個師団レベルなのだが、そんな悪魔を複数倒してもウィスカーは涼しい顔だ。
「コウガさんとお姉ちゃん、大丈夫でしょうか……」
不安そうなリィが、ウィスカーの後ろから覗いている。
「ふん。あの二人はこんなものでは無いぞ。ただのS級ごとき、本来なら片手で捻り潰せるレベルじゃ」
「そうなんですか!?」
「え?あ、いや、きっとそれだけの素質はある!ということじゃ」
うっかり前世の記憶で喋ってしまい、慌てて誤魔化すエリス。
「……まぁ、なんにせよ、今は少し、後押しが必要じゃのう」
「後押し?」
「そうじゃ。気は乗らんがの。リィにも協力してもらうぞ」
エリスはリィを手招きでそばに呼ぶと、ボソボソと、何か耳打ちするのだった。
「ぐはっ!」
「うああ!!」
アドラとミミドラの猛攻に、蹴散らされたコウガとオリヴィスが背中合わせに衝突する。
「う、ぐぐぐ……」
「ちっ、邪魔だよ変態騎士……」
「それは言うな」
中々立ち上がれない二人を見下ろしながら、アドラとミミドラが並んで空に浮かんでいた。
「ああ、楽しかった。けど、これ以上は弱いものイジメになっちゃうわね」
「ここまでだな。そろそろ死んでもらうぜ」
悪魔らしい笑みを浮かべて、アドラが大剣を振り上げる。
「くそっ……」
絶体絶命の状況。
だがその時、二人の耳に届いたものがあった。
「コウガー、がんばれー(棒)」
「お姉ちゃん!!頑張ってー!!」
……エリスとリィの、声援である。
大剣を振り上げた手をぴたりと止め、アドラは冷や水を浴びせられたような、苦々しい顔をした。
「……人間はバカなのか?応援ひとつで、この力の差がひっくり返るワケねーだろうが。せっかく楽しかったんだ、くだらねぇチャチャを入れるんじゃ……」
その時だった。
アドラの脳の深いところで、強い警鐘が鳴ったのを彼は感じた。
逃げろ。
すぐに、逃げろ。
……だが、アドラの理性が、それを全く理解しなかった。
圧倒的な実力差。これで逃げるなど、まったく訳がわからない。
アドラはやれやれといった風に頭を振ると、再びコウガたちの方へと向き直った。
そこで、眼にしたものは。
先ほどまでとはまるで別人の……二人の鬼神だった。
大気を震わす、息が出来ないほどのプレッシャーに、アドラとミミドラが戦慄する。
「な、なんだ!?なにが起こった!?」
はちきれんばかりの膨大な生命エネルギーが、二人の全身から湧き上がってくるのが分かる。
その勢いは、まるで眼に見えていると錯覚してしまうほどだった。
二人はゆっくりと立ち上がり……腕を突き上げ、親指を立てた。
「……おおおオッケーェェェェ!!お嬢様!!!!」
「よおおし!!お姉ちゃんに任せとけ!!リィ!!」
……猛烈な力を漲らせ、二人は悪魔たちの方へと踏み出した。
「……ふう。ほんと単純じゃのう、あやつら」
「久しぶりに拝見しましたが……お嬢様の加護魔法は、やはり我々エルフの常識を遥かに凌駕しますね」
「だから違うんじゃが……もうそれでよいわ」
「お姉ちゃんとコウガさん、すごい鼻血です」
「くっ、なんで、なんで当たらないのよ!?」
ミミドラが操る九本の鞭による波状攻撃。
一撃一撃が音速を超え、かつ先読みできない軌道により獲物を決して逃すことなくズタズタに引き裂く……はずが、そのことごとくを、オリヴィスに易々と回避されてしまう。
「一体何が起きたというの……!?」
混乱するミミドラの視界に、オリヴィスが滑り込んできた。
ゾクリと冷たい感覚に襲われる。
必死に身体を捻って正拳突きを避けようとしたところで……
「ぐはっ……!!」
ミミドラの脇腹に、オリヴィスの蹴りがクリーンヒットする。
「こちとら、拳だけじゃねーんだよ」
「く、くそっ!!」
大きくよろめきながら、だがミミドラは鞭を繰り、再び硬直状態にあるオリヴィスを狙う。
背後から襲来した九つの同時攻撃。
それを……オリヴィスは顔を向けることなく、すべて叩き落とした。
「……へ?」
「悪りぃな。妹の手前、姉はカッコつけなきゃならねぇんだ」
オリヴィスの拳に、膨大なエネルギーが集中する。
「ちょ……待っ……!!」
「『聖拳』!!」
全魔力を乗せて放たれた渾身の正拳突きが、ミミドラを捉えた。
大地を砕く踏み込みの音。
爆発的なインパクト音。
それらが皆の耳に届いた時には……白目を剥き完全に沈黙した悪魔が一体、敷地のはるか外で転がっているのだった。
「うおおおおおおおおっ!!!!」
「くっ!!ぐぐっ!!」
コウガが、鬼神がごとき猛攻で、アドラを追い詰める。
一撃一撃が悪魔の腕を軋ませ、後ずらせる。
防戦一方のアドラは、大剣を振り上げる間すらない。
「信じられねぇ!なんだよこの異様なパワーアップは!は、反則だろ!!」
「何を言うか!パワーアップは貴様もしただろうが!」
「パワーアップの程度が違いすぎだろ!!」
「ふん……これが、『愛の力』というものだ!!」
「あ、愛の力!?」
「貴様ら悪魔には分かるまい!お嬢様の応援は、まさに女神に祝福されたも同然!天に愛されたも同然なのだ!!その神聖なる美しき力、思い知るがいい!!」
「!?そ、そうか……!確かにこれは……だから、【変態騎士】……!!」
「変態騎士と言うなーーーーー!!!!」
全力の剣撃が、アドラの大剣をへし折り、その身体に深々と食い込んだ。
「ぐ、おおおおおーー!?!?」
「はあーーーっ!!!!」
気合一閃。
そのまま振り抜かれた剣が、悪魔の巨体を、斬り裂いた。
「ぐ……は……ぁ……」
紫の鮮血を撒き散らし、アドラはゆっくりと膝を突いて、そのまま前のめりに倒れ込んだ。
「つ、強い……こんな強い人間が……いたなんて」
「……ふん。貴様も、強かったぞ」
「へ、へへ。地獄に、いい土産話が出来た、ぜ」
「俺も、貴様のことは覚えておこう。アドラよ、良い戦いだった」
「へっ……ありがとよ……じゃあな……【変態騎士】コウガ……」
「それは忘れろ!!地獄に持っていくなーーー!!」
「さて……ご苦労じゃったな、皆のもの」
ぐるりと全員の顔を見回し、エリスが労いの言葉をかける。
「いやぁ、悪魔ってのも大したことないわね!見掛け倒しだわ、見掛け倒し!」
「お主は何もしてないじゃろうが」
エリスがシェリルのデコを指で弾く。
「お嬢様。まだゲートが開いたままですが、いかが致しましょう」
ウィスカーが尋ねる。
倒したアドラとミミドラを中に放り込んだ後も、ゲートはまだふわふわと宙に浮いたままだった。
このままでは、再度悪魔たちが現れかねない。かと言って、あれは現在、ゴルドーを取り込み、燃料にして稼働している状態だ。破壊すれば、確実にゴルドーは死ぬだろう。
「別にゴルドーがどうなろうと知ったことでは無いのじゃが……しかし黒幕について吐いてもらわねばならぬからな」
仕方がないのう、とエリスがゲートに近寄る。
空から声が聞こえてきたのは、その時だった。
「へえ。まさかあの二人を倒すなんて。思ったより強いんだね、キミたち」
「何者だ!?」
コウガ、オリヴィスが直ちに戦闘体勢に入る。
ウィスカーも警戒して、いつでも防護結界を張れるポジションを取った。
「ふふ。君たちが探してる、黒幕だよ」
声がする方を、エリスが見上げた。
「!?」
彼女たちの頭上に、ふわふわと浮かんでいたのは……銀髪の、若い青年だった。
切長な眼、整った優しげな顔立ち。貴族の子女のような姿格好。だが、麗しい見た目と裏腹に、身にまとう雰囲気は、実に不穏そのものだった。
「お嬢様、下がってください。何を仕掛けてくるか分かりませぬ。……お嬢様?」
コウガが、エリスの様子に違和感を感じて顔を覗き込み、そして眉をしかめた。
エリスは、驚愕の表情のまま固まっていた。
――こやつは……!!なぜここに、こやつがいるのじゃ!?
「天空騎士ライオネル……!!」
エリスが吐き捨てるように呟いた。
天空騎士ライオネル。
『勇者一行』の一人。
超強力な風魔法の使い手。
頭の回転も早く、勇者一行の中では主に勇者の補佐役として活躍した。
一方で単独行動も多く、一人で魔王軍の包囲網をかいくぐり、四天王の一人を打ち破った話は、人々の間で伝説として語られていた。
覚醒した勇者のもとに突如として現れたとされるが、それまでの経歴については……
……一切不明。
腕を組んで戦況を見つめるエリスの横に、ウィスカーが並んで立った。
「なんじゃ、お主はもう終わったのか?」
「ええ。まぁ、こちらはA級ばかりでしたからね」
S級には大きく劣るとはいえ、A級は騎士の一個師団レベルなのだが、そんな悪魔を複数倒してもウィスカーは涼しい顔だ。
「コウガさんとお姉ちゃん、大丈夫でしょうか……」
不安そうなリィが、ウィスカーの後ろから覗いている。
「ふん。あの二人はこんなものでは無いぞ。ただのS級ごとき、本来なら片手で捻り潰せるレベルじゃ」
「そうなんですか!?」
「え?あ、いや、きっとそれだけの素質はある!ということじゃ」
うっかり前世の記憶で喋ってしまい、慌てて誤魔化すエリス。
「……まぁ、なんにせよ、今は少し、後押しが必要じゃのう」
「後押し?」
「そうじゃ。気は乗らんがの。リィにも協力してもらうぞ」
エリスはリィを手招きでそばに呼ぶと、ボソボソと、何か耳打ちするのだった。
「ぐはっ!」
「うああ!!」
アドラとミミドラの猛攻に、蹴散らされたコウガとオリヴィスが背中合わせに衝突する。
「う、ぐぐぐ……」
「ちっ、邪魔だよ変態騎士……」
「それは言うな」
中々立ち上がれない二人を見下ろしながら、アドラとミミドラが並んで空に浮かんでいた。
「ああ、楽しかった。けど、これ以上は弱いものイジメになっちゃうわね」
「ここまでだな。そろそろ死んでもらうぜ」
悪魔らしい笑みを浮かべて、アドラが大剣を振り上げる。
「くそっ……」
絶体絶命の状況。
だがその時、二人の耳に届いたものがあった。
「コウガー、がんばれー(棒)」
「お姉ちゃん!!頑張ってー!!」
……エリスとリィの、声援である。
大剣を振り上げた手をぴたりと止め、アドラは冷や水を浴びせられたような、苦々しい顔をした。
「……人間はバカなのか?応援ひとつで、この力の差がひっくり返るワケねーだろうが。せっかく楽しかったんだ、くだらねぇチャチャを入れるんじゃ……」
その時だった。
アドラの脳の深いところで、強い警鐘が鳴ったのを彼は感じた。
逃げろ。
すぐに、逃げろ。
……だが、アドラの理性が、それを全く理解しなかった。
圧倒的な実力差。これで逃げるなど、まったく訳がわからない。
アドラはやれやれといった風に頭を振ると、再びコウガたちの方へと向き直った。
そこで、眼にしたものは。
先ほどまでとはまるで別人の……二人の鬼神だった。
大気を震わす、息が出来ないほどのプレッシャーに、アドラとミミドラが戦慄する。
「な、なんだ!?なにが起こった!?」
はちきれんばかりの膨大な生命エネルギーが、二人の全身から湧き上がってくるのが分かる。
その勢いは、まるで眼に見えていると錯覚してしまうほどだった。
二人はゆっくりと立ち上がり……腕を突き上げ、親指を立てた。
「……おおおオッケーェェェェ!!お嬢様!!!!」
「よおおし!!お姉ちゃんに任せとけ!!リィ!!」
……猛烈な力を漲らせ、二人は悪魔たちの方へと踏み出した。
「……ふう。ほんと単純じゃのう、あやつら」
「久しぶりに拝見しましたが……お嬢様の加護魔法は、やはり我々エルフの常識を遥かに凌駕しますね」
「だから違うんじゃが……もうそれでよいわ」
「お姉ちゃんとコウガさん、すごい鼻血です」
「くっ、なんで、なんで当たらないのよ!?」
ミミドラが操る九本の鞭による波状攻撃。
一撃一撃が音速を超え、かつ先読みできない軌道により獲物を決して逃すことなくズタズタに引き裂く……はずが、そのことごとくを、オリヴィスに易々と回避されてしまう。
「一体何が起きたというの……!?」
混乱するミミドラの視界に、オリヴィスが滑り込んできた。
ゾクリと冷たい感覚に襲われる。
必死に身体を捻って正拳突きを避けようとしたところで……
「ぐはっ……!!」
ミミドラの脇腹に、オリヴィスの蹴りがクリーンヒットする。
「こちとら、拳だけじゃねーんだよ」
「く、くそっ!!」
大きくよろめきながら、だがミミドラは鞭を繰り、再び硬直状態にあるオリヴィスを狙う。
背後から襲来した九つの同時攻撃。
それを……オリヴィスは顔を向けることなく、すべて叩き落とした。
「……へ?」
「悪りぃな。妹の手前、姉はカッコつけなきゃならねぇんだ」
オリヴィスの拳に、膨大なエネルギーが集中する。
「ちょ……待っ……!!」
「『聖拳』!!」
全魔力を乗せて放たれた渾身の正拳突きが、ミミドラを捉えた。
大地を砕く踏み込みの音。
爆発的なインパクト音。
それらが皆の耳に届いた時には……白目を剥き完全に沈黙した悪魔が一体、敷地のはるか外で転がっているのだった。
「うおおおおおおおおっ!!!!」
「くっ!!ぐぐっ!!」
コウガが、鬼神がごとき猛攻で、アドラを追い詰める。
一撃一撃が悪魔の腕を軋ませ、後ずらせる。
防戦一方のアドラは、大剣を振り上げる間すらない。
「信じられねぇ!なんだよこの異様なパワーアップは!は、反則だろ!!」
「何を言うか!パワーアップは貴様もしただろうが!」
「パワーアップの程度が違いすぎだろ!!」
「ふん……これが、『愛の力』というものだ!!」
「あ、愛の力!?」
「貴様ら悪魔には分かるまい!お嬢様の応援は、まさに女神に祝福されたも同然!天に愛されたも同然なのだ!!その神聖なる美しき力、思い知るがいい!!」
「!?そ、そうか……!確かにこれは……だから、【変態騎士】……!!」
「変態騎士と言うなーーーーー!!!!」
全力の剣撃が、アドラの大剣をへし折り、その身体に深々と食い込んだ。
「ぐ、おおおおおーー!?!?」
「はあーーーっ!!!!」
気合一閃。
そのまま振り抜かれた剣が、悪魔の巨体を、斬り裂いた。
「ぐ……は……ぁ……」
紫の鮮血を撒き散らし、アドラはゆっくりと膝を突いて、そのまま前のめりに倒れ込んだ。
「つ、強い……こんな強い人間が……いたなんて」
「……ふん。貴様も、強かったぞ」
「へ、へへ。地獄に、いい土産話が出来た、ぜ」
「俺も、貴様のことは覚えておこう。アドラよ、良い戦いだった」
「へっ……ありがとよ……じゃあな……【変態騎士】コウガ……」
「それは忘れろ!!地獄に持っていくなーーー!!」
「さて……ご苦労じゃったな、皆のもの」
ぐるりと全員の顔を見回し、エリスが労いの言葉をかける。
「いやぁ、悪魔ってのも大したことないわね!見掛け倒しだわ、見掛け倒し!」
「お主は何もしてないじゃろうが」
エリスがシェリルのデコを指で弾く。
「お嬢様。まだゲートが開いたままですが、いかが致しましょう」
ウィスカーが尋ねる。
倒したアドラとミミドラを中に放り込んだ後も、ゲートはまだふわふわと宙に浮いたままだった。
このままでは、再度悪魔たちが現れかねない。かと言って、あれは現在、ゴルドーを取り込み、燃料にして稼働している状態だ。破壊すれば、確実にゴルドーは死ぬだろう。
「別にゴルドーがどうなろうと知ったことでは無いのじゃが……しかし黒幕について吐いてもらわねばならぬからな」
仕方がないのう、とエリスがゲートに近寄る。
空から声が聞こえてきたのは、その時だった。
「へえ。まさかあの二人を倒すなんて。思ったより強いんだね、キミたち」
「何者だ!?」
コウガ、オリヴィスが直ちに戦闘体勢に入る。
ウィスカーも警戒して、いつでも防護結界を張れるポジションを取った。
「ふふ。君たちが探してる、黒幕だよ」
声がする方を、エリスが見上げた。
「!?」
彼女たちの頭上に、ふわふわと浮かんでいたのは……銀髪の、若い青年だった。
切長な眼、整った優しげな顔立ち。貴族の子女のような姿格好。だが、麗しい見た目と裏腹に、身にまとう雰囲気は、実に不穏そのものだった。
「お嬢様、下がってください。何を仕掛けてくるか分かりませぬ。……お嬢様?」
コウガが、エリスの様子に違和感を感じて顔を覗き込み、そして眉をしかめた。
エリスは、驚愕の表情のまま固まっていた。
――こやつは……!!なぜここに、こやつがいるのじゃ!?
「天空騎士ライオネル……!!」
エリスが吐き捨てるように呟いた。
天空騎士ライオネル。
『勇者一行』の一人。
超強力な風魔法の使い手。
頭の回転も早く、勇者一行の中では主に勇者の補佐役として活躍した。
一方で単独行動も多く、一人で魔王軍の包囲網をかいくぐり、四天王の一人を打ち破った話は、人々の間で伝説として語られていた。
覚醒した勇者のもとに突如として現れたとされるが、それまでの経歴については……
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