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第4章 少年期〜青年期 学園3学年〜卒業編

48話 初めてのお泊まり冒険者活動16

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 どうも、僕です。夕食を食べ終わり、陽がすっかり傾き、空がオレンジ色から薄く紫色に変わってきた頃、焚き火を皆んなで囲んでまったりお茶をしていた所だったんですが、何故かついさっき、目の前にスタフお兄様とロズ殿下、総元帥さんが僕達の野営地に来ました。

「あれ?スタフお兄様、何か御用ですか?」

「「「「っ!?」」」」 バタバタッ! ザッ!

ヨンガン君「へっ?えっ??どうしたんだ?」

イネオス「ヨンガン君!早く地面に跪いて!頭を下げるんだ!」

ヨンガン君「な、なんで??」

ベイサン「ヨンガン!早く!」

ヨンガン君「だからっ!なんでだよ!?」

 突然やって来た王族2人に、すぐさま臣下の礼をしたソルとイネオス達とは打って変わって、王族の顔など見たこともない一般市民のヨンガン君は、急に今まで普通に喋っていたイネオス達が跪いて、来訪者にひれ伏したのが意味がわからず大混乱していた。そんなヨンガン君を見てすぐに、自分達と同じようにするようにとイネオス達が必死に教えるが、ヨンガン君は咄嗟の事でさらに混乱に拍車がかかってしまった。

「ヨンガン君、落ち着いて、この人達は僕の親戚でね、僕の父様の従兄弟の子供で現国王のお子さんで長男の王太子殿下と三男の第3王子殿下だよ。だからね、落ち着いて、ゆっくりイネオス達と同じ様にすれば怒られないからね」

ヨンガン君「っ!?お、王子様!?王族?」

「そう、王族」

ヨンガン君「っ~~~!すみません!!お、俺!知らなくて!」 バタバタバタッ ダンッ! ガタガタガタガタッ

 イネオス達も焦りでヨンガン君が王族の顔を知らなかった事に気づかなかったのか、ちゃんと状況の説明ができてないと分かった僕が、混乱してパニックになっていたヨンガン君を落ち着かせるように、ゆっくりと落ち着ける声色で説明をしたのだが、説明された事で今の状況のまずさが理解できたヨンガン君は、顔を青くさせて急いで大きなクッションから立ち上がり、勢いよく土下座をしながら震えていて、周囲で僕達が動物達と戯れていたのを見ていた冒険者や軍人達も、急な王族の登場でざわめき立っていた。

「あ、そんなに怯えなくても良いよ、ヨンガン君は王族の顔を知らなかったんだから、すぐに謝ったし罰せられないよ。それにそれぐらいで一々罰してたらキリがないし。ね、スタフお兄様?」

 と、同意を求めてスタフお兄様を見ると、

?「!、王太子殿下に対して無礼な態度をとった平民を、いくら“愛し子殿“が許す様に申されても見過ごすことはできませんぞ!!」

「・・・へぇ・・・僕がお願いしてもダメなんだ?」ひゅっ

「「「「「っ!?」」」」」

 ここに来ていたのが王族2人と総元帥だけかと思ったら、王族2人の護衛である階級主義の近衛騎士1人が空気を読まず、ヨンガン君を不敬罪に問うと息巻いた。
 この時、僕が今、話しかけて同意を求めたのはスタフお兄様なのに、横槍を入れてきたこの近衛騎士に少し苛立ちを感じた、そのせいか、いつもより低く威圧するような声が出て、その言葉ひとつで、周囲の人達の体感温度が急激に低くなった錯覚を起こした。実際の外気温度は変わりないのだが、僕が無意識に声に“魔力威圧“を付与した事で、僕のさっきの言葉を聞いた人全員がその錯覚に襲われ、ガタガタと小刻みに震え始めたのだった。

近衛騎士「っ、こ、この、い、威圧は・・・」(なんと言う強さだ!これが“神々の愛し子“の魔力威圧、い、意識が飛びそうだ!)

スタフお兄様「っ、・・・」(前もって注意していたのにも関わらず、この様な失態を起こすとは・・・)

ローズ殿下「さ、寒い!」(くそ!巻き添いにしやがって!コイツを怒らすとめんどくさい事になるのに!)

総元帥「!・・・・」(自分に向けられて放たれたものではないと言うのにこの威力とは、13歳の子供が出すようなものでは到底ないわ、それに、以前よりさらに強くなっているのがわかる、これは、本格的に護衛は必要なさそうね)

 この時、アトリーの魔力威圧を受けながらも様々な考えを巡らす大人達、その様子を冷めた目で見ていたアトリーは声にも威圧って乗るんだと気づいて、冷静に観察していたが、その後ろからいつものストッパー役がやってきた。

ソル「アトリー様、あちらの無礼な方にお怒りなのはわかりますが、こちらの方にも、と言うか、周囲の方達にも影響が出てますので、その辺でおやめください」

 と、1人ほぼ僕の魔力威圧が効いてなさそうなソルに肩をゆすられて僕は我に帰った。

「あっ、ごめん、無意識に魔力が乗っちゃったみたい」ふっ

 ガクッドサドサッ

「あ!動物さん達やヨンガン君達も効果範囲に入ってたんだね、ごめんね、大丈夫?“ヒール“これで治るかな?それとも“神聖魔法“の方がいいかな?ど、どうしよう」

 自分の周囲で仲良くまったりを楽しんでいた動物達が一斉に力無く倒れた事で驚き、あわあわと焦りながら、倒れてしまった動物達やヨンガン君達を介抱し出した。その際、同じ目にあった周囲の大人達の事は完全に忘れていた。

ソル「大丈夫ですよ。ヨンガン君には少しキツかったでしょうが、僕達は慣れてますので、それと動物達はビックリして気を失ってるだけですから心配ないですよ」

「ほっ、よかった・・・あ、スタフお兄様達も大丈夫ですか?」

 ここでやっと王族2人の心配をし出す僕にスタフお兄様は苦笑い気味、ロズ殿下は苦々しい表情で近衛騎士を睨んでいた。その後すぐにスタフお兄様はヨンガン君の事を許し、罰は与えないと言ってくれたので、僕も近衛騎士の口出しの件は不問にすると伝えその場は和解した。後、他に野次馬をしていた冒険者や軍人達にも、軽く詫びて、事なきを得た。だがその時、護衛の近衛騎士は不満そうな顔で密かに僕達を見ていた。

(しかし、巻き込まれた人達はなんでこっちをずって見てたんだろう?(・・?)暇なの?それとも自分達も動物と戯れたかったのかな?それなら言ってくれたら皆んなに一緒に遊ぶか聞いてあげたのに(*´Д`*))

天華『いや、そう言うわけじゃないと思われますけどね・・・』

(そうなの?じゃあ何が目的?あ!もしかして、遊びにきた魔物達を金銭目的で捕縛したいとか!?それ目的ならこの子達を守らなきゃ!( ゚д゚))

夜月『いやいや、そうじゃない、今の状況が珍しいから見てただけだと思うぞ、普通、人間になつかない種類の魔物や動物達がいるんだから、気になってしょうがなかったと思うぞ?』

(あ、そう言う事か!僕としてはいつもの事だから忘れてたよ・・・(*´ー`*)なら放置でいいか・・・あ、でもちょっと不安だから僕の加護の結界を広げとこう・・・)

天華『そうですね。そうしていた方が寝る時の防犯になって良いですし、範囲は整地した地面と同じ大きさで良いと思いますよ」

(そうだね、ちょうど良い広さだしそれぐらいで良いね( ^∀^))

 脳内で先程の件で巻き込んでしまった野次馬達が、何故、野次馬と化していたのか理由を色々挙げていたが、実際は夜月が言った予想に加えて、子供達が動物や魔物達と戯れている姿に和んでいたと言うのが本当の理由、昼休憩中にも同じような理由でガン見されていたが、その中で特にアトリーの美貌も相まって、美しく穏やかな笑顔のアトリーと動物との戯れに心が奪われていた人が大多数を占める。
 そんな事はいざ知らず、余りにも見られている数が多いのを訝しんだ僕が、動物達の保護を兼ねて自分の加護の結界の範囲を自分達の野営地いっぱいに広げた後、ふと思い出したことをスタフお兄様に聞こうとしたら、さっき横槍を入れてきた護衛の近衛騎士を自分のテントに戻り代わりをよこす様に指示したりして、お仕事をしていたので、そのお仕事が終わった所でスタフお兄様に話しかけた。

「そう言えば、スタフお兄様、お兄様は何か御用があってこちらに来られたんですよね?」

スタフお兄様「あ、あぁ、そうだね、用はあったんだけど、今、確認が取れたから良いよ。アトリー君が野営地で大量の動物達と遊んでいるって聞いてね、確かめに来たんだ。・・・それにしても、珍しい種類が多いね?」

「あー、それで・・・珍しい種類ですか?」

スタフお兄様「うん、珍しい種類もそうだけど数もすごいね。・・・・しかし、いつもこんな感じなのかな?・・・あれ?アトリー君は初めてここに来たんだよね?」

 お仕事が終わったスタフお兄様とロズ殿下を野営地内に招き、先程までソルやイネオス達が座っていたクッションに座るよう勧めていると、昼間にも似たような内容を聞かれたので、昼食時の騒動でギルマスにも説明した話をすると、意外とギルマスほど驚かれなかった。どうやら種族限定で似た様な体質の人が歴代の王族にいたようで、僕の特異体質は王族由来かもねと言う話で盛り上がった。この時イネオス達やヨンガン君は食事を取るために出していたテーブル席に移動していて、緊張した面持ちで僕達の話を聞いていた、あと、気絶していた動物達を僕は1匹ずつ順番に撫でながら話をしていて、その後はソル達が入れてくれたお茶を飲みながら、話の流れは明日の討伐の配置などの話から軽く世間話をしたところで、スタフお兄様達が自分のテントに戻ると言い出したので見送る事になった。そこで僕はやっと友達と今日の目的であった星空を眺めながら、まったりおしゃべりしてキャンプ気分を味わえると思って、ワクワクしながら早く見送ろうと立ち上がった。

(そうだ、マシュマロ焼いて食べるの忘れてた!よし、スタフお兄様が行ったら皆んなと一緒に食べよう!( ^∀^))

スタフお兄様「お邪魔にしたね、今日は早く寝るんだよ皆んな、ではまた明日・・・」

「はい、おやすみなさい、スタフお兄様、また、あ し、た・・・」ふっ ふらっ

ソル「っ!」どさっ

「「「「!?」」」」 「「「!!」」」

 立ち上がり挨拶をした、その時、僕は急な眠気に襲われて、目が閉じていき、最終的には体に力が入らず後ろに倒れた。ちょうどその時真横にいたソルが僕の体をキャッチした感覚を最後に僕は深い眠りに入って行った・・・・


・・・・アトリーが意識を手放したその後・・・・

  第三者 視点

ソル「ふぅ・・・やはり、限界でしたか・・・」

王太子「っ、ア、アトリー君はどうしたんだ!?急に意識がなくなった様だが!?」

ソル「王太子殿下、落ち着かれてください、アトリー様は寝ていらっしゃるだけですから」

王太子「ね、寝てるだけ?」

 急に意識をなくして倒れたアトリーを心配した王太子は、慌てた様子で倒れたアトリーに近づいて顔を覗き込んだのだが、ソルの言う通り可愛い寝顔で安らかな寝息を立てて寝ていた事に安堵するとともに、何故こんなことが起こったのか困惑した。

ソル「アトリー様はだいたい決まった就寝時間になると寝てしまわれるんです。いつもならこのようになる前に自らお眠りになられるんですが、今日は初めての野営とあって、夜更かしすると意気込んでいらしたんです。でもやはり、いつも通りの時間にお眠りになられてしまいました。では、そろそろ、アトリー様を寝台に寝かせますので、失礼致します」

 と、そう言って、アトリーの眠りの加護の件は上手く誤魔化しながら説明したソル、これ以上聞かれても話す事ないといった風に会話を切り上げアトリーを抱え直すと、手慣れた感じでイネオス達が動き出し、テントの入り口を開いて通りやすくしたり、履いていた靴を脱がせたり、テント内のベッドにかけてあるブランケットをめくり寝かせやすくしたりとして、すでにお風呂にも入って野営用の寝巻きに着替えていたアトリーを、ソルはそのままベッドに寝かせた。そうするとソルの後ろをついて来ていた天華やジュール達が程よい大きさになってアトリーの周りに寄り添うように寝そべり、その上からソルはブランケットをそっと上からかけて、アトリーのテントの入り口を厳重に二重に閉めて戻ってきた。

 その一部始終を見ていた王族2人に総元帥、ヨンガンは余りの手際の良さにポカーンとしていた。

ヨンガン「な、なぁ、ソル、お前達どこで寝るんだ?」

 と、最初に我に帰って、今見ていたことで気になった事を聞いたヨンガン。何故そんな事を聞いたかと言うと、アトリーを寝かせたテント内にはアトリーを寝かせたベッド以外、他に何もなかったからだ。テントの見た目からして雑魚寝で5、6人寝るのがやっとといった大きさのテントなのに、中には何故かベットが一つ、ぽつんっとあるだけ、ただでさえ人数的にギリギリだと思ったテント内に、ベッドが置いてあることも不思議に思ったのだが、それよりも他の4人が寝れるスペースがない事に驚きを隠せなかった。その4人の内1人は女性であるへティがいた事もあって、どうやって寝るつもりなのかと気になってソルに聞いてみたようだ。

ソル「あ、あぁ、それは心配しなくてもいい、このテントは魔道具の一種でテント内は空間が拡張されているんだ、ヨンガン君が見たのはテントの入り口近くのアトリー様専用の就寝区画で、さっきはテント内の全体が見えてなかっただろうけど、ほら、僕達の就寝区画はアトリー様の区画の横にあるよ。もちろん、へティの寝る場所は別で、このさらに奥にあるよ」

 と、言いながら、ソルが一旦閉めたテントの入り口をまた開けて中を見せてあげると・・・

ヨンガン「・・・ま、魔道具!?・・・マジか・・・本当に外見と全く広さが違う・・・」

王太子「・・・本当だ、私のテントより広い・・・」

ヨンガン「わぁっ!?」ドキッ!ズザーッ!

 いつの間にか正気に戻っていた王太子が、しれっと同じようにテント内を覗き込んで自分のテントと比べていると、横にいたヨンガンは心臓が飛び出るかと思うほど驚き、一気に後退りして距離を取っていた。

王太子「そんなに驚かなくても・・・まぁ、いいか、ソルドア君だったね、アトリー君が心配ないのは分かったけど、このテントはどこの魔道具店に売ってあったのかな?王族用の野営テントの制作を頼みたいほどの出来の魔道具だからね、知っておきたいんだ」

ソル「王太子殿下、これは売り物ではありません、専用の魔道具師の作品でもなく、アトリー様の手作りのテントなので、このテントと同じものをご所望でしたら、アトリー様に直接ご依頼なさってください」

「「「「はぁ!!?」」」」

 ソルが言った言葉に王太子だけではなく第三王子や総元帥、ヨンガンまで驚き、その大きな声で驚いたせいで、ここに集まっていた動物達が一斉に森に逃げ帰ってしまった。

王太子「こ、このテント、アトリー君の手作りなのか!?本当に!?」

ソル「はい、間違いございません、私達が制作していらっしゃる所を見てますので・・・」

王太子「そ、そうなのか、・・・アトリー君は依頼したら作ってくれるだろうか?」

ソル「そればかりはその時のアトリー様のご気分次第かと・・・」

王太子「そうか・・・今日はもうアトリー君は寝てしまってるからな、また明日聞いてみよう・・・」

 よほど先程の話が信じられなかったのか、再度確認を取る王太子に冷静に答えるソル、魔道具の製作を依頼したいがアトリーの気分次第と言われてしまい、寝てしまっているアトリーを起こす訳にはいかないので、仕方なく今日の所は自分のテントに帰って行った。

 この時、周囲はすでに真っ暗になっていて、時刻は9時半回っていた、アトリーがイネオス達に最近は夜更かしできる様になったと、豪語していたのだが、残念なことに、アトリーが起きていられた時間は9時15分までであった、三年前のあの日から起きていられる時間はたった15分程しか伸びてなかったことを、ソルはイネオス達にも黙っていてほしいとお願いしたとかしなかったとか・・・

 そして、子供達が就寝準備にかかろうとしていた頃、アトリー達のテントを物陰に隠れながら様々な思惑を持って様子を伺っている人達がいた、子供達はその事に気づかず自分のテントに戻るヨンガンを見送り、各々自分達の寝床に入って行ったのだった・・・



・・・・その日の深夜・・・何者かがアトリー達の野営地の周りをうろつく気配に、いち早く気づいたソル、それと同じ区画で寝ていたイネオスとベイサンが感じとり、アトリーの側では夜月と天華が気づいていた。テントの周りをうろつく不審者は何かする訳でもなく、しばらくするとその気配は遠くなり、完全に気配が消えるまで離れて行った事で、今来たのは、ただここの設備に興味を持った人が見に来ていただけだろうと、誰もが判断し再びなる事にした。

 この時の不審者の行動が何だったのか、それが分かるのはまたもっと後の話し・・・・















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