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第4章 少年期〜青年期 学園3学年〜卒業編
14話 バレちゃった・・・
しおりを挟む馬車の用意が出来て、皆んなで乗り込み神殿に向かう道すがら、窓の外の景色を見ていると・・・
・・・・ズッズッ・・・・
「うん?」
母様「どうしたの、アトリー?」
「・・・どこか遠くから、近づいてくる?何か、景色がブレた様な・・・いいや、気のせいかな?・・・」
父様「・・・アトリー、異変を感じたらすぐに言うんだよ?」
「あ、はい、今は何も感じないので気のせいだと思います」
母様「なら良いのだけど・・・」
窓から外の景色、特に空を眺めていると、ふと、捉えられない何かの気配が近づいて来ている気がして、窓の外を見ながら首を傾げていると、母様達に心配されてしまった。だが、感知した気配はすぐに霧散してしまったので、それ以上は何も聞かれる事はなかったが、母様が僕を心配して向かい側に座っていた僕の隣の席に移動してきて、僕の肩にそっと手を回し撫でてきた。
(ありゃりゃ、ついこの間“神力暴走“の件で心配かけさせちゃったからか、母様の過保護スイッチが入ったみたいだ( ´ ▽ ` )発言には気をつけよう・・・しかし、さっきの気配は何だったんだろう?(*´ー`*))
天華『私達には何も感じませんでしたよ?』
(え、そうなの?本当にほんの一瞬だったけど凄く強い神力?の気配だったんだけど・・・(*´-`))
夜月『・・・うーん、何もなかったと思うが・・・アトリーが感じたのは本当に神力だったんだな?』
(うん、間違いないと思う・・・)
天華『・・・アトリーに感じて、私達には感じることができない神力、ですか・・・私達には感知できない神力があるとしたら、かなり高位の神格を持っている神が意図的に自身の神力を隠蔽した時ぐらいなのですが・・・先程ちょうど良いタイミングでこちらに向かっていたらしき神が、自身の神力を隠蔽したとしても、アトリーが感知した時点で私達も感知できていないのはおかしな話ですね・・・』
ジュール『不思議だねぇ???』
(・・・確かに?何でだろうね???(・・?))
とか、天華達と念話で話しながら考えても答えが出ないうちに馬車は神殿の前に到着、そこで一旦、感じた気配の事を考えるのはやめて、今からあるカイ兄様の結婚式の事に集中することに、そう決めて馬車を降り神殿内に移動すると、そこは既に結婚式に向けて華やかな飾り付けが所狭しと施してあり、神殿内に入った僕は感嘆の声を上げながら周りを見渡した。
「わぁ、花がたくさん飾られてる♪こうなるといつも荘厳な雰囲気の神殿が華やかな雰囲気になってが全く印象が変わりますね」
母様「ふふっ、えぇ、そうね、とても華やかね」
父様「ふふっ、2人とも、会場を見るのは後でにして、今は2人の様子を見に行こうじゃないか」
母様&僕「「はーい、ふふっ」」
母様と会場の煌びやかさに見惚れていると、父様が笑いながら僕らを呼んだ、どうやら結婚式が始まるのはあと1、2時間ほど時間に余裕があるそうなので、皆んなで新郎のカイ兄様の様子を見に行く事に・・・
コンコンッ、新郎控室まで来てノックをして入ると。
「カイ兄様、失礼します。・・・わぁ、カイ兄様かっこいい・・・」
(前回のカミィ姉様の結婚式で見たハウイお義兄様の新郎姿もかっこ良かったけど、カイ兄様の新郎姿っていうか、“クールビューティーな王子殿下“って感じだな、ハウイお義兄様はワイルド系だったからクールビューティー系のカイ兄様とタイプが全く違ってて興味深いなぁ・・・(*´Д`*))
キラキラと輝く銀色の髪に鮮やかな濃く青いカイヤナイトの美しい瞳、それらを際立たせるような白地に銀糸の刺繍が入ったタキシード姿のカイ兄様が照れるように笑っていた。
カイ兄様「ふふっ、ありがとう、アトリー。アトリーは今日も煌びやかだね」
「むぅ、目立たないように努力した結果なのですが、全くもって意味がありませんでした・・・」
カイ兄様「あぁ、それは・・・仕方ないね・・・」
(カイ兄様の慰め方が優しい過ぎて辛い、つらたん・・・・( ;∀;))
少し困った顔で優しく頭を撫でてくれるカイ兄様の優しさが身に染みるのを感じていると、ドアがノックされ、この神殿に所属する神官が何かを知らせに訪れた。
神官「失礼します。ただいま、王家の方々がご到着なされました事をお知らせに伺いました。花婿様にお会いしたいとの事ですが、こちらにお通ししてもよろしいでしょうか?」
「「「「「えっ!?」」」」」
突如聞いた知らせに全員がフリーズ。本来ならいくら親戚筋であろうと、この国の王家が一臣下の跡取り息子の結婚式が始まる前に、親族の控室を訪れることなどあってはならない。そんな常識はずれを堂々と実行しにくる王族達に頭を抱えたお祖父様と父様、今回の主役であるカイ兄様は表情を無にして何かを考え始め、僕や他の兄弟達はまたか、という表情、母様やお祖母様達は”あらあら、まぁまぁ、仕方ないわねぇ”、と言った感じで顔を見合わせた。
数秒してカイ兄様が王族の皆さんをここにお通ししてくださいと、神官に伝えた。
そして、数分後・・・・
コンコンッ 「失礼します。王族の皆様をお連れしました・・・」
と、声が掛かり、すぐに入室を許可すると、まぁ、見事な礼服に身を包んだ煌びやかな一行が入ってきた。室内の全員が立ち上がり臣下の礼をとる中、僕とジュール達は神殿の神官が僕達専用に用意してくれていた長椅子に座ったまま、次々入ってくる王族の人達を観察した。
(うーん、マジで王族全員が来てるじゃん・・・サフィアスおじ様夫妻やロブル大叔父様夫妻はもちろん、ジルおじ様までもわざわざ、領地から駆けつけてるし、王太子殿下夫妻や他の王子殿下達も来てる・・・一公爵家の次期当主の結婚式に、こんな風に王族総出で出席するなんて前代未聞だろう、何を考えているんだ?政権争い中の貴族派への牽制目的とかかな?(*´Д`*))
なんて、考えながら見てると・・・・
サフィアスおじ様「失礼するよ。式の始まる前の慌ただしい中すまないが、どうしても先に会っておきたくてね・・・「「「「「っ、」」」」」・・・アトリー、その服装は、・・・いや、」
ロブル大叔父様「・・・そ、それより、先程から感じる、その強い力の気配・・・それはもしかして・・・・」
「?、強い力の気配?・・・、あ、・・・・」
(やべっ!もしかして“神力“が漏れ出てる!?ど、どうしようか!?父様は王家にあの事を報告してないのかな?これって誤魔化すべき!?Σ('◉⌓◉’))
天華『落ち着いて、アトリー、王家の方々には“神力“の件は話してはいないとご家族からお聞きしてます。ですが、この状況では誤魔化しようがないですね』
(えっ!?じゃあ、どうしたらいい?正直に話した方が良いのかな?でもなんで父様達は報告しなかったんだろう?(*´Д`*))
夜月『多分、話した場合、王家がアトリーを祭り上げたりするのを懸念してたのかもしれないな、まぁ、家族はここに来てアトリーの神力が漏れ出ていたのにも気付いただろう、これではもう誤魔化しは効かないと思って話すつもりだった様だが、こんなに早く王家の者達が来るとは思わなかったんだろうさ。早く来たとしても、結婚式の開始時間の1番目に来ると予想していたようだ。さっきそう小声で話していたのを聞いた』
(あー・・・おじ様達の到着が予想より早かったんだな・・・( ̄▽ ̄)父様達、乙・・・でもさ、なんで今、神力が漏れ出てたんだろう?)
天華『あぁ、それは多分、ここ、神殿に来たからだと思います。神殿とは人々の祈りと信仰心がたまる場所ですから、その中でも神官達の純粋な祈りのエネルギーは神にとっては何より有効な力になりますから・・・』
(へぇ~、こんな僕みたいなまだ神格も得てない、神様見習い?見たいな存在にも影響が出るんだねぇ~( ´ ▽ ` ))
天華『そうですね・・・』(本当はこの神殿の神官達の中で、アトリーを神の御使として崇めている人達いるんですよね。それはもうすでに信者を持っていると同義、その信者として認定された人達が今日のアトリーの装いを見てさらに陶酔し崇めることになって、純粋な祈りが強くなったせいで神力が強まったとは言わないほうが良いでしょうね・・・)
サフィアスおじ様達が僕を見て驚いた表情をした。最初は服装に関して驚いた様だったが、次に躊躇いがちに聞いてきた言葉に僕が逆に驚いた。どうやら無意識に普段は制御して表には出さない“神力“が漏れ出ていたようで、その事に気づいたおじ様達は少々困惑気味だ。
(いや、かなり困惑しているか?・・・それにしても、これ、どうするか・・・僕の口から説明した方が良いのかな?(*´-`))チラッ
まぁ、若干の思い違いをしたまま脳内で会話を終了させた僕は、この状況をどうするべきかと考え父様達大人の顔色を伺った、すると、父様がお祖父様と一緒に王族の大人達を連れて新郎の控え室から出て行き、部屋の外に控えていた神官に声をかけて、この神殿の大司教を呼んでもらい、ついでに部屋を貸して貰っていた。
(あー、大司教様も呼んで別室での事情説明かな?お手数おかけします!m(_ _)m)
と、脳内でお辞儀してると、室内に残された未成年達の王族の王子殿下達が恐る恐る近づいてきて、まずはカイ兄様にお祝いの言葉をかけていた。
クオツお兄様「えっと、カイヤト兄さん、この度はご結婚おめでとうございます・・・」
第三王子殿下「おめでとうございます・・・」
カイ兄様「もったいないお言葉感謝申し上げます、殿下方。・・・そうだ、よければ式の後の披露宴にもご参加していってください、招待客の皆様が殿下方の参加を心待ちになさっておいででしたよ」ニッコリッ
王子殿下達「「え、っ・・・・あ、あぁ・・・」」
最初は僕に遠慮がちな態度の殿下達から祝福の言葉をもらったカイ兄様は、凄く含みのある笑顔で式の後に公爵家の屋敷で行われる披露宴の出席を促した。その言葉を受けて王子殿下達は一瞬、嫌そうな表情をして何かを諦めたかのような返事をした。
(急に元気なくなったね?披露宴で何かあるのかな?・・・あ、“招待客“か、これは端的にそろそろお相手を探したらどうですか?ってやつか、周りも早く相手を見つけて欲しいって言われてんのか、王族は色々と大変だな、乙です・・・(^人^))
と、心の中で合掌しておいた・・・・
*いつもご愛読頂きありがとうございます。先日、お伝えした通り、諸事情により、投稿頻度がまばらになるとお伝えしました。詳細を話しますと先月の末にに身内が不慮の事故で意識不明での入院、その後1週間で亡くなってしまったことで、通夜やお葬式など、その後の手配や準備でバタバタしていた事もあり、前回の投稿からかなりの期間の投稿をお休みしてしまいました。このような事情のため、この先1ヶ月はこのように不定期での投稿となりますが、なるべく早めに三日に一回の投稿に戻るよう努力いたしますので、大変ご迷惑をおかけするとは思いますが今後も応援していただければ幸いです。m(_ _)m
by舞桜
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