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第3章 少年期 学園編

186話 選曲

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「~~~♫~~~~♪~~~♬~~~~~~・・・・・」

ソル「アトリー様、只今、学園より帰って参りました。本日はいかがお過ごしでしたか?ご体調の方もお変わりないですか?」

「あ、お帰りソル!体調は良好だよ。今日は昼前に“祭事服“の試着したよ、それ以降はここでお茶しながら精霊達相手に歌を歌ってたぐらいかな?」

 “送還儀式“で歌う歌の選抜会をするために、前世のテレビで聖歌隊が歌っていた“讃美歌“の、“ハレルヤ”を気持ち良く歌い終わった所で、ちょうどソル達が学園から帰って来た。

ソル「そうでしたか、“祭事服“はお気に召されましたか?」

(ソルは“祭事服“を作るのは知ってたみたいだな・・・)

 どうやらソルは“祭事服“の事は知っていたようで、驚いた様子はなかった。(もしかしたら、ソルも自分の“祭事服“を作ってたのかもね)

「あ、うん、“僕も“、凄く気に入ったよ。手が込んでて綺麗だった」

ソル「・・・“僕も“?」

 僕の意味しんな言い方に疑問を覚えたようだが、僕はそこでは説明する気はなく、

「うん、ちょっとね、その話は仁さん達をここに呼んでから話すよ・・・・」

 と、少し遠い目をして言った。そう言った、僕の意図を汲み取り、ソルは自分の専属に仁達を呼びに行かせた。

彩ちゃん&夢ちゃん「「アトリー君、ただいま」」

仁「アトリー君、ただいま、なんか用があるって聞いたけど、どうしたの?」

「皆さん、お帰りなさい、今日はちょっと相談がありまして、・・・・まぁ、まず座ってお茶でもどうですか?」

 数分後、学園から帰ってきて、制服から普段着に着替え終わった仁達が、僕の元にやってきて、まずはゆっくりとお茶をする事を提案。一息ついてから僕は本題を話し始めた。

「・・・・と言うことで、何か良い楽曲はないですかね?」

「「「「・・・・・・」」」」

ソル「・・・“祭事服“が“神器“に・・・・」

彩ちゃん「仕立てたばかりの服が“神器“にねぇ・・・アトリー君だったら何でもありなのかしら?」

仁「ちょ、ちょっと、待って⁉︎“祭事服“って“服“だよね!?何んで“服“が“神器“になるの⁉︎“杖“とか“剣“とか、そう言う武器が“神器“になるのは何となく分かるけど!"服“が“神器“ってそんな事ありなんだ!?」

夢ちゃん「うーん、別に変じゃないと思うよ?だって、その“祭事服“って“服“って言っても“普通の服“とは違うんでしょう?」

 僕は“歌、楽曲“に関する相談をしたつもりだが、ソルや仁達は“祭事服“が“神器“になった事の方が、気になったようだ・・・

「え、えぇ、今回作った“祭事服“は、“高位神官用の祭事服“と遜色無いものなので、一般的な“祭事服“とはかけ離れてはいますね」

(装飾の細かさで言えば“普通の祭事服“とは言えないもんね。そもそも、デザイン自体も“普通の祭事服“ではないしな・・・うん、“普通の服、祭事服“では無いかな?(*´ー`*))

天華『そうですね・・・』

 “普通の祭事服“では無い事は事実なので、素直にそう答えた・・・

夢ちゃん「なら、凄い効果がついてもおかしく無いよ。ほら、ゲームとかでよく見るじゃない、豪華な装備が凄い効果がついてたりしてるの、アレみたいな感じなんじゃない?」

(んん?夢ちゃんはRPG系の装備的な感じって言いたいのかな?まぁ、確かにこの世界では魔法やスキルなどが存在するから、あながち間違ってはいないか・・・一流の職人が作った一点物の装備なんて、エグいぐらいの効果が付与されている物も存在するしなぁ(*´Д`*)事実、僕の着ている服はそんなものが多いし・・・)

夜月『そこは、公爵家の子息と言う事もあるからな、快適性や防御力を求めるのは当たり前じゃないか?』

(それはそうだけど・・・)

 前世ではRPGをしてきた身としては、夢ちゃんの言いたい事は何となく分かる僕。

仁「いやいやいやっ!それって元々凄い効果の付いている素材から作られてたりするやつでしょ⁉︎今回みたいに普通、・・・じゃないかもしれないけどっ、服の素材は普通のはずのものが、急に“神器“になったりするのは、通常はありえないと思うよ!?」

(んー、仁が言いたい事も分かるな。まぁ、あの“祭事服“に使われている素材がどんな物かは僕は知らないけど、服としての最高級品なのは確かだとは思う。それに付与は色々されてはいたはず、でも、それで元々“神器クラス“の効果があったかって言うと、それはNOと言えるだろうね。( ̄∇ ̄)それに・・・)

「あー、確かに、急ではありましたね・・・」

ジュール『うーん、確かに元々の性能は軽量化と防汚、あとは少しの防御結界ぐらいだったもんねぇ。それがアトリーが一回試着しただけで、“神器“になっちゃったんだもん。それは驚くよね』

(まぁね、実際凄く驚いたよ・・・(。-∀-))

 あの“祭事服“の存在自体も今日知らされたし、初めて試着して“神器“なったのはいきなりだったのも事実だ。

(でもまぁ、今重要なのはそこじゃないんだよなぁ(*´Д`*))

天華『期限は今のところ定められてはいませんが、“送還儀式“で歌う“楽曲“の決定が急務ですものね・・・・』

(そうそれっ!あの無茶振りをどうにかしなきゃって話よ!)

「じ、仁さん、それはもう仕方ないんですよ。なってしまったものはもう、どうにもならないですからね。急な変化ではありましたが、何か不都合が起こった訳ではありませんし・・・今はそれより“送還儀式“で歌う“楽曲“をどうするかが問題でして。仁さん達の世界で何か有名な曲はないですか?」

 仁を宥め、どうにか本題に戻そうと試みた。

彩ちゃん「仁、その辺にしなさいよ。過ぎてしまった事にいちいちこだわっても仕方ないでしょう?それに理由がハッキリしてるからいいじゃない、“神々がアトリー君の祭事服姿が気に入ったって“事で“神器化“したってね」

夢ちゃん「そうそう、仁、ちょっと騒ぎ過ぎ!」

仁「あ、・・・ふぅ、そうだね、ごめんねアトリー君、少し熱くなっちゃって・・・」

「いえいえ、仁さんが驚くのも無理はないですから、気にしないでください。・・・・それで、もしよければ相談に乗っていただけると嬉しいです♪」

 意外と細かい所が気になる性格の仁を嗜める彩ちゃん達、仁はすぐに冷静さを取り戻した。(こう言う所はまだまだ子供だねぇ)とか思いながら再度、今のところ期限はないと伝えたのち本題の相談の話を進めた。

仁「あ、うん、“送還儀式“に合いそうな“歌“だったっけ?「はい♪」・・・うーん、僕が知ってる“歌“は儀式?を行うような場所で歌うようなやつはあまりないだけどなぁ・・・うーん、なんか厳かな感じの“歌“がいいよね?」

彩ちゃん「そうよねぇ、うーん、あ!そう言えば、さっき、アトリー君が歌ってたのは“讃美歌“だったわよね?そっち系の歌にする?」

夢ちゃん「えっ、でも私達が教えられる程そんなに“讃美歌“知らないじゃん?」

彩ちゃん「あー、そうね、さっき聞こえてた“ハレルヤ“か、“アメイジング・グレイス“、後は“きよしこの夜“ぐらいだし、それに、この世界の神様に異世界の神様を讃える歌を歌うのもダメな気がしてきたわ・・・」

仁「あー、うん、それはちょっと気が引けるね。それにあれは外国の神様の“讃美歌“だし・・・」

夢ちゃん「・・・あ!それなら、日本のアニソンとかどう!?異世界転移ものアニメとか多かったし!多分、こっちの神様関係ないし!こっちに来る時、私達の世界、日本の神様もいたし、それなら気兼ねなくお勧めできるじゃん!」

彩ちゃん&仁「「!それだっ!」」

彩ちゃん「そうね!それなら大丈夫かも!」

仁「そうだね、アニメは日本の文化だから日本の神様も喜んでくれるかもね」

(君達ね、さっきから、神様に会った宣言してるけど、いくらこっちで神様の存在が広く知られてるからって、そう簡単には会えるもんじゃないんだよ?(*´Д`*)後ろみてごらんよ、うちの使用人達が驚愕の表情で固まってるよ?)

 周囲の反応に気づく様子もなく、どんどん話を進める仁達を呆れた目で見る僕、それすらも気づいてない様子の仁達。ここまで来るとツッコミも入れるのもめんどくさくなって、指摘する気がなくなった、僕だった・・・
 
天華『(アトリーも似たような事が多々ありますけど、これは指摘してあげない方が良いですかね?)』

ジュール『(そんな所がアトリーらしさだからね!)』

夜月『(“言わぬが花“だな・・・)』

 とか、思われてたりするアトリー・・・

彩ちゃん「よし!じゃあ後は、どの“アニメ“にするかだよね?“儀式“に合う感じの曲か・・・どんな“楽曲“がいいかな?最近の“アニソン“って幅広くて少し困るわね、“ロック“な感じは避けるとして、あとはなんかいいのあるかしら?」

夢ちゃん「うーん、厳かな感じのがいいんじゃない?“バラード“っぽいのとか?」

 もう、ここまで話が来ると、ソルをはじめ、それぞれの専属使用人達も、仁達が言っている言葉の意味が何が何やら分からない状態で、質問する気すら無くなって無言で今の状況を見守っている。それは天華達も同様で、今この話の流れを正確に理解してるのは、話している本人達以外では僕だけではなかろうか・・・

(流石の天華達の知識の中に“アニソン“は範囲外だったか?・・・黙って聞いてるしな・・・(。-∀-))

仁「最新の“アニメ“はそう言う感じのないから、少し前ぐらいがいいかも、ほら“平成世代“ぐらいのが・・・」チラッ

彩ちゃん「!そ、そうね!その方が歌いやすいかもね!」

夢ちゃん「!あー!確かに!」

(僕が、“昭和世代“の生まれで、子供時代のアニメ全盛期が“平成世代“って、気づいてくれたんだね、気遣いありがとうね、皆んな・・・( ´∀`))

 仁が急に世代を指定してきた後に僕をチラッと見たことで、彩ちゃん達もその意味に気付き、すぐさま方向転換してくれた。

「えーっと、よく分かりませんが、皆さんが知っている曲の方がいいと思われます。それと“楽曲“の歌詞が全部わかるものがいいですね。あ!仁さん達が歌えるか、“スマホ“?に“楽曲“が入っているのを僕に聞かせていただけたら嬉しいです。練習にも役立ちますし・・・」

彩ちゃん「あ!そうよね、元の音が分からないと意味ないんだったわ。うーん、じゃあ、それぞれのスマホに入ってる、昭和後期から平成ぐらい“歌“を検索してみましょう」

仁&夢ちゃん「「了解!」」

ソル「・・・時間がかかりそうですね、お茶の入れ直しましょう。アトリー様はおやつをお食べになられますか?」

「うん!ナシか“アップルパイ“食べたいな♪」

ソル「畏まりました。ナシはすぐに用意できますが、“アップルパイ“は厨房に用意があるか見てまいりますね」

「うん、ありがとう!」

 スマホをいじり始めた3人を見たソルが、僕の暇潰しの為のお茶とお茶請けの手配をしに僕から少し離れた。

「あ、彩さん、令和初期ぐらいでしたら、僕もそこそこ知ってますから範囲に入れてください。映画の主題歌とかでも大丈夫です」コソコソッ

 僕はソルに聞こえないように筒状に結界を展開し、彩ちゃんの耳元に直接聞こえるようにして小声でそう言うと。彩ちゃんがソルを少し気にして無言で頷いた。彩ちゃんは自然な感じで仁達にも、もう少し範囲を広げようと言って情報を共有してくれた。仁と夢ちゃんが僕に確認するように視線を向けてきたので、ニコッと笑顔で返しておいた。少し顔を赤くして、再びスマホ画面に視線を向け検索し始めた。

 その後は、仁達のスマホから単発的に音楽が聞こえては消えてを繰り返し、“儀式“と言う事柄の雰囲気に合う“楽曲“を皆んなで相談した。思ったよりも仁達のスマホには幅広い年代のアニメソングが入っており、皆んな、あーでも無い、こーでも無い、と中々決まらず、そろそろ夕食の時間になろうかとしたタイミングで夢ちゃんがこう言い出した。

夢ちゃん「あー、だめだ!どれもしっくりこない!アニソンじゃダメなのかなぁ・・・」

彩ちゃん「そうねぇ、“アニメ“だと“ポップ“な感じのが多いもの、それ以外になると歌詞が後ろ向きなのが多くなっちゃうし、どうしても、神聖な“儀式“って感じじゃなくなるもの」

仁「うーん、そうだねぇ、他に雰囲気で行くと“ゲーム“内のサウンドとか?ストーリー性がある“ゲーム“なら、それっぽいのあるんじゃないか?ほら“F○“のシリーズとかのでそれか“ドラ○エ“とかさ、ああ言うので神殿とか出てくるよね?そう言う時のBGMとかになかったけ?」

彩ちゃん「あー、RPG系かぁ、確かにあったような・・・」

夢ちゃん「彩ちゃん結構“ゲーム“するから、なんかいいの思いつかない?」

(彩ちゃんは“ゲーマー“だったのか・・・まぁ、“ゲーム“内の方が多そうな感じはあるよね・・・( ̄∇ ̄))

彩ちゃん「“ゲーム“かぁ、お気に入りの“ゲーム“のサウンドトラックはそこそこ入ってるけど・・・あ、そうだ!その前にアトリー君の意見も聞いとかないと!アトリー君、今まで聞かせた中でいい“歌“あった?」

「えっ、あ、えーっと、そうですね。最後から3番目の“楽曲“が気に入りました♪」

(やっぱ、前世からのお気に入りの中の“アニソン“と言えばこれかな?(*゚▽゚*))

仁達「「「えっ⁉︎」」」

彩ちゃん「そ、それって、私が操作ミスって流した少し激し目の曲?」

「はい!この国には無い、激しい太鼓の音が凄く気に入りました♬」

夢ちゃん「い、意外だ・・・アトリー君が“ヴィジュアル系“のバンドの曲選ぶなんて・・・」

仁「うん、でも、楽しそうに聞いてはいたよね・・・」

 そう、僕が選んだのは、前世でハマっていた、“某有名ロボットアニメ“の第1シーズンのオープニング曲、有名ヴィジュアル系バンドが手掛けた曲で、歌詞が凄く気にっていた。それが久しぶりに聞けて凄く嬉しかったのだ。仁達が意外そうな顔で僕を見てくるが、僕は久しぶりに聞いた音楽の数々に少々浮かれ気味だった。

(このヴィジュアル系バンドさん結構アニソンになってて、新作アニメで聞く度にウキウキしてたなぁ、“某錬金術師のアニメ“や、“某侍アニメ“とか色々、カラオケでも僕の定番と言えばこれと、もう1人のヴィジュアル系歌手、こっちの人と映画で共演した時は鼻血が出そうだった。(*´Д`*))

天華『鼻血って・・・』

(どちらのボーカルさんも綺麗な顔しててね。2人が絡んでる姿は尊過ぎて手を合わせて拝んだものだよ。懐かしいなぁ、映画の時の曲も好きだった。ちょっと寂しい感じの歌なんだけどね。( ´ ▽ ` ))

夜月『ふむ、ただ男性歌手のリズムの速い歌が好きなだけじゃ無いんだな?』

(ん?それはそうだよ、僕はヴィジュアル系だけじゃなくて、ジャンルとかだったらアニソン基本に、Jーポップや演歌、ロック系や洋楽とかも好きだったからね、それもボーカルが男性、女性問わず、あ、アイドル系歌手の曲を聴くのも好きだったよ♪( ´▽`)童謡も歌うね!)

天華『幅が広いですね・・・』

(うん、歌は歌うの凄く好きだったから、街中の何処からか流れてくる歌も気に入れば歌っていたね。( ̄∇ ̄)でもやっぱり、1番よく聞いてたのは、自分が小学生ぐらいに流行ってたアニメの主題曲とかだね、“デ○モン“とか、“セーラー○ーン“とか、あ、後は特撮の“仮○ライダー“に何故か仁も好きだった、“エヴァ○ゲリオン“の最初の主題歌“残酷な天○のテーゼ“、あれは僕のカラオケでの十八番だったよ!(°▽°))

夜月『ふむ、アトリーは本当に歌うのが好きだな』

(ふふっ、歌うのは楽しいもん、今日は久しぶりに色々音楽が聞けて楽しかったな、結構、知らない曲もあったから、後でフルで聴かせてもらおう!“瞬間記憶スキル“のおかげで1度聴けば全部覚えられるから楽でいいし♫ (*゚▽゚*))

ジュール『アトリーが楽しいと私も楽しい!』

(ふふふっ、覚えた曲は、今度また歌ってあげるね♪( ´ ▽ ` ))

ジュール『わぁーい、約束だよアトリー♫』『『『『『約束ー!』』』』』

 僕は根っからの歌うのが好きで、自分の知らない歌にも興味津々だ。それはもうウキウキで、仁達が聴かせてくれる曲の全てを、自分の記憶に残そうと画策していた。新しい曲を歌う約束をすると、ジュールだけじゃなく周囲にいた精霊達も凄く喜んだ。そこには春雷と雪花も便乗していたのは気づかない振りをしておく・・・

(まぁ、ここにはカラオケがないから、曲の楽器演奏は僕の脳内だけってのは中々寂しいものがあるけどね・・・(。-∀-))

 こうして念話でジュール達と楽しく会話している間にも、僕は無意識に自分のカラオケ定番メドレーを口ずさんでいたのだった・・・・


















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