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第3章 少年期 学園編
94話 兄弟の絆
しおりを挟むどうも!おはようございます!僕です!昨夜は両親から大目玉をくらい、こんこんとお説教された後、ぐったりした僕をソルとオーリー、カインが強制的にお風呂に入れ、お肌と髪のお手入れもしっかりしてベッドに寝かした、そして母様から優しく抱き込まれ頭をなでなでされると、あっと言う間に寝落ちしたのだった。
そして、本日、朝起きると父様から今日は訓練や勉強の禁止を伝えられ、強制的なお休みを言い渡されました!
「はぁ~、やる事無いと暇だねぇ~」
ソル「アトリー、姿勢が悪いですよ」
カチャ
「むぅ~、暇だからしょうがないんだよ?訓練も勉強もしちゃダメって言われたら、何すればいいの?」
朝食を食べた後滞在中の部屋に戻り、リビングに置かれたソファーの背に項垂れていると、ソルがお茶を淹れて持ってきて僕に注意してきた。
ソル「んー、そうですねぇ、“かくれんぼ“でもして遊びますか?」
「!、“かくれんぼ“をここでしても良いのかな?怒られない?」
ソル「旦那様に聞いてみて許可が降りればできない事はないと思いますが・・・」
夜月:『多分、却下されると思うぞ』
「えっ!なんで⁉︎」
夜月:『アトリー達の“かくれんぼ“は普通の“かくれんぼ“じゃ無いだろう?アレはほぼ訓練だ、だから許可は降りないだろうな』
ソル&アトリー「「??・・・・・あぁ・・・」」
(僕達からすれば“かくれんぼ“はただの遊びなんだけど、他の人からしたら“隠密訓練“になっちゃうんだった~_(┐「ε:)_)
「はぁ~、他にやる事ないかなぁ~体動かさなかったらいいかな?」
天華:『うーん、体を動かさない遊びだと、あなた達の場合は勉強になりそうですしねぇ』
「だよねぇ~、勉強も僕的には楽しい読書なんだけどなぁ~、どうしようかぁ~、イネオス達はご家族と一緒に用事があるとか言ってたし、姉様、兄様達もする事があるとか言ってたなぁ~、父様と母様もお仕事&ご婦人会って言ってたし・・・・暇だ!暇すぎる!!」ガシガシッ!
最初はマディラを遊ぼうとしたけど、朝ご飯を食べた後のお昼寝に入ってしまい遊べなかった・・・、あまりの暇さに“ウガァー!“っと頭を掻きむしっていると。
ソル「アトリー、髪を掻きむしるのはやめてください、せっかく綺麗にお手入れしたんですから…、そんなにお暇なら外にお出かけしてはどうです?先日行かなかった、この街の冒険者ギルドなど行かれてみては如何ですか?」
僕の乱した髪を丁寧に櫛ですいて整え直してくれながら提案してきた。
「あっ!それいいね!ついでに仁さん達も誘ってみようかな?彼らはする事ないって言ってたし!」
(それなら、訓練でもないし、勉強でもないから大丈夫だよね?ついでにこの街を散策してみよう!観光、観光♪)
ソル「それでは旦那様に許可をとりに行って参ります、いいお返事が頂けましたら、そのまま仁さん達をお誘いしてみますね、その間こちらをお召し上がっててください」
サクサクッ ショリショリッ コトンッ
「わぁ、ナシ!有り難うソル!待ってるね!」
そう言ってソルは素早く収納から梨を取り出し、綺麗に剥いて皿に盛り付けて部屋を出て行った。
(あれ?そう言えば、オーリー達は昨日の報告とかで忙しいのかな?今日は朝ご飯の後から見かけてないし・・・、父様のお仕事のお手伝いかな?お出かけについて来てくれると嬉しいんだけど・・・)シャクシャクッ シャクシャクッ
考え事をしながら梨をすごい速さで頬張っていたら、ジュールに『もうちょっと、ゆっくり食べなよ~、そして私にも一個ちょうだい♪』と言われたので、ペースを落としてジュール達達に梨を分けた、物足りなかったので自分の“無限収納“から梨を取り出して剥いて食べた。(2個目もちゃんとジュール達と分けっこして食べたよ!)
コンコンッ
ソル「失礼します、アトリー様、仁さん達をお連れしました」
「どうぞ、入って」
ちょうど2個目の梨を食べ終わった所でソルが仁達を連れて戻ってきた。
(仁達を連れて戻って来たってことは外出許可が降りたって事だね!(≧∇≦)やったー!)
「ソルお帰り、仁さん達を連れて来たって事は許可が出たんだね」
ソル「はい、旦那様が護衛を連れて行くなら外出しても良いとの事でした」
(うーん、護衛と一緒か、冒険者として行きたかったけど、まぁ、依頼も受けに行くわけじゃないしなぁ~、貴族子息の見学って事で行けって事かぁー、しょうがないかー)
「そう、じゃあ、今日は普通の格好で行かなきゃね…、そうだ、仁さん達も来てくれたって事は僕と一緒にお出かけしてくれるってことでいいんですよね?」
仁「逆に良いかな?僕達もアメトリン君の外出について行って大丈夫?」
「えぇ、僕がする事がなくて暇だったんで、思いつきで冒険者ギルドの見学をご一緒できればいいなっ、と思ってお誘いしたんです、それにその後の予定はなくて、そこら辺をブラブラするだけなんで、これと言って目的はないんですよ、むしろ、どこか行きたい所があれば言ってください」
仁「そうなんだ、僕達もこれと言ってする事がなかったから、ちょうど暇してたんだ、誘ってくれて有り難う」
彩ちゃん「本当、今日はする事がなくて暇だったのよね、プライベートビーチに行きたかったけど、今日は海底ダンジョンの調査のために閉鎖されてて行けないし、大浴場はたった3人だけの為にお湯入れてもらうのは心苦しいしで、本当ちょうどよかったわ、出かけるにしても、私達だけで出る勇気もなかったから、でも、私達も行きたい所はこれと言って浮かばないのよね、アメトリン君が言ってたようにブラブラするしかないかもだけど・・・」
「そうなんですね、皆さん今日は兄様や姉様達にお誘いされなかったんですか?」
夢ちゃん「うーん、そうだね、今日は何も誘われなかったよ、兄弟ですることがあるからって・・・」
「ふむ?僕以外の兄弟だけの用事?何だろう?・・・・まぁいいか、ソル、外出の準備しよう♪」
(訓練とかだったら僕は参加できないからね、それで誘われなかった可能性はあるけど・・・、まぁ、他の兄弟達が皆んな一緒に何かしてるって決まったわけでもないし、兄様達は兄様達だけで、姉様達は姉様達だけで、それぞれやる事があっても不思議じゃないしねぇ~、まぁ、どっちにしろ今日は訓練や勉強を禁止されてるから、一緒にできることは少ないだろう、今は冒険者ギルドにお出かけと行こう!( ^∀^))
そうして、あまり気にすることなく、外出の用意を整え玄関に向かうと、護衛の騎士数人とオーリーとカインが馬車の用意をして待っていた。
「ん?オーリー達も一緒に行くの?」
オーリー「はい、ご同行させて頂きます」
「あれ?でも、他にお仕事があったんじゃなかったの?」
カイン「そちらの仕事はすでに終わりましたので、お部屋に伺う前に旦那様からアトリー様のお出かけのお話があり、馬車などの準備をしておりました」
「そう、お仕事早く終わって良かった、じゃあ、一緒に行こう♪」
オーリー「はい、お供させて頂きます、ではアトリー様はこちらの馬車に聖獣様方とソル様とお乗りください、ジン様方は後ろの馬車にカインとお乗りください」
「「「「「はーい♪」」」」」
そう案内された各々、馬車に乗りマルキシオス侯爵邸を出発したのだった・・・
一方その頃、アトリーの兄弟達は・・・ーーーー
>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<
ーーーーそれぞれ、先日に問題となったイネオス達の兄弟達を罰と称して“しごい“ていた・・・
+兄:カイヤトの場合+
兄:カイヤト 視点
今日は朝食を取った後、先日の夕方、イネオス君達の兄弟がアトリーに対して嫉妬に塗れた感情を抱き、不快な視線を贈り、最終的にはアトリーを異常者扱いしていた事を知った、彼らの両親が本人達を連れて父上に謝罪して来ていた。
そこで父上は「気にしていない、アトリー本人も気にしていないと言っていたので、頭を上げてくれ」と、だが、「それでは自分達の気持ちが収まらない」と、イネオス君達の両親が言い、自分と自分の子供達に何か罰を与えてもらえないかと懇願してきた、その話を聞いていた僕達兄弟が彼らに罰、と言うか今後、2度と嫉妬する感情を持たないよう“しごく“事にした。
(アトリーは彼らが自分を怖がっていると思ったようだが、今回の件以外での彼らの心の中はただの嫉妬の感情からくる恐れだった、ならば単純に本人達がそこそこ自分の力に自信が持てるぐらい鍛えるだけ、そこに至るまでの過程がどれだけ過酷か、その身で体験できればいいだけの事、アトリーがアレほどの力を行使するのにどんな努力をしているか理解できるまでね…)
彼らは自分達の得意分野であった剣術や魔法、美貌などで、アトリーに劣っていることを理由に、努力もせず諦め挫折し嫉妬の念を募らせていた、自分に無いものを持って完璧な存在に近いアトリーは彼らには眩しすぎたのだろう。
確かに、魔法に関してアトリーの魔力量が膨大で強力な魔法の威力だが、膨大な魔力はその量に比例して扱いが非常に難しくなるのも事実、それは繊細で優れたアトリーの魔力操作があってこその魔法の威力だ、しかし、その繊細で優れた魔力操作が一朝一夕で身につく事などありはしないし、剣術にしてもアトリーのやる気と日々の鍛錬の賜物であって、元々剣術が上手だったわけではない、容姿に至っては専属使用人達の努力があったとしても、元々持って生まれた物であって、アトリーが望んでいた物でもない。(アトリーは自分の外見に無関心だからね)
なので、私達兄弟から言えるのは、アトリーの魔法と剣術が誰よりも優れているのはアトリー自身の努力の賜物であって、誰もがやろうと思えばできることの積み重ねなのだと、なのに彼らは自分の限界を自分で決め諦めてしまい、勝手に劣等感を感じ嫉妬心を抱くなんて、アトリーのしてきた努力に対し失礼にも程があると、だから、彼らには本当の限界というものを知ってもらうのが1番だと兄弟で話し合い、それぞれの得意分野で彼らを指導する事になった、強制参加なのは問題のヴィカウタ子爵家の次男と長女、ダンロン男爵家の長男と次男、バロネッカ准男爵家の次女と三女の6人となった、他の兄弟は自由参加としていたが全員が参加を希望した。
そして、さっきあげた、6人の内ヴィカウタ家の次男とダンロン家の長男、それとバロネッカ家の次女がアトリーの魔法を見て、今までの自分の魔法に自信が持てなくなり、卑屈になり最終的にはアトリーに強い劣等感を抱き嫉妬したそうだ、それとは別にバロネッカ家の次女は女性としての外見の劣等感もあったらしく、自分の妹がアトリーと友人関係となり、交流を持つようになった時から魔力に磨きがかかり、それに比例して美しさも増した事で、さらに嫉妬心が膨れ上がったそうだ、そんな3人のうち男子2人の訓練を多少魔法が得意な私が指導し、他の4人も姉上やライやヘリー達が得意分野に分かれて訓練を指導する事になった。
「さぁ、まだまだ、魔力の集束が甘いですよ、もっと完璧な球体にできないとすぐに形が崩れます、この魔力の塊の球体を長く維持できるようになるのが今日の目標です」
「「「「「っ!・・・」」」」」「「「「「くぅ・・・」」」」」
あちらこちらで上がる悔しそうな声は、今は問題となった6人含め、三家の兄弟達全員の基礎魔力操作の訓練をしている所だった、今回はマルキシオス家に来てからアトリー達の魔法操作の訓練で何回か使用していた、マルキシオス邸内の2番目に広い大広間を同じように訓練場として借りて、男女に分かれて訓練を開始した。
「これが出来ないと次に進めませんよ、これができるのと出来ないとでは、魔法の威力と魔力の消費量が格段に違いますからね、球体を頭の中で明確に思い描いて、自分の放出した魔力をその場に留めれるようになってください」
第一段階の魔力の放出は全員簡単にできていたが、第二段階の放出した魔力の集束で躓いている状態だ、これは無駄な魔力の放出を抑えるための訓練で、今まで魔法の発動を詠唱に頼ってきた彼らには、詠唱なしで属性付与もしないただの魔力をその場で止めるのはかなり難しいようだ。
*以前アトリーとソルが魔力操作の訓練でぶつけ合っていた“魔力弾“を作り出す訓練中。
以前アトリーが、魔法の発動の要は自分の起こしたい現象を明確に理解し思い描くこと、これが1番重要で、詠唱はそれを補うために開発されたと、聖獣様方から教えられたと言っていた、この事はこれまでの魔法の在り方を覆す事実だった、その理由も説明を聞けば実に明快で納得のいくものだった、今の詠唱ありきの魔法は万人が簡単に使えるように簡略化したものであって、本来の使い方ではないと、魔法で起こす現象を“明確に思い描く想像力“と、“現象そのものを理解しなければならない理解力“、この部分が詠唱が造られた要因で、すべての人に“起こり得る現象がどうやって起こるのか理解し想像する“ことを教えといても、どう優しく教えても理解できないし、想像できない者がいる、だから、それが無理なら“言葉で表現すればいい“、これほど便利で簡単な方法に人は慣れてしまい、楽を知った事で本来の魔法の使い方を忘れてしまっていたようだ。
(私も初めてこの事をアトリーから聞かされて凄く驚いた、そして、アトリーが自分で編み出したこの訓練方、これはとても理にかなっていて、私達兄弟全員がこの訓練法をしたことで、兄弟全員の魔力操作のスキルレベルが上がり、その上、魔力の増加にも繋がった、彼らも第二段階の訓練ができるだけでも十分成果が出るだろう、だがここはまだ魔法を極めるための入り口でしかない、彼らにはこの旅行期間中に最低でも“詠唱短縮スキル“を身につけて貰う、それが出来れば失った自信も取り戻せて、アトリーの凄さの根幹が少しでも理解出来るだろう)
ーーーそれでも、理解できないのであればもう彼らに情けはかけないし、関わることもしないと、私達兄弟は決めたーーー
(私達はアトリーがどれだけ気にしていないと言っても、あの子をよく知らない者に理不尽な視線を向けられる事を簡単に許したりしない、それほどまでに我が家でのアトリーの存在は大切だ、あの子が神のご加護を受けているからや、持っている能力が貴重だからではなく、私達の可愛い末の弟で家族だからだ、アトリーだけではない、他の兄弟や家族も全て大切で守るべきもの、これだけは誰にも譲れない、私はそう誓ったのだ、あの子が生まれた時から・・・)
アトリーが生まれた10年前のあの日、最初、弟が生まれたと知らせが来た時、また兄弟が増えたのかと思う程度だったが、初めてあの子を見た時、(僕達と全然似てない・・・)と思った、髪色は母上や自分に似ていても瞳の色や顔立ちは全く別物だった、
顔立ちは他の兄弟のように父上に似ていなくて、母上にそっくりで目が大きくぱっちりしてまつ毛が長い、鼻はほどほどに高く整った形をしていて、唇はプルンとして小さかった、そして、貴族社会で肝心な瞳の色が今までに聞いた事の無い色をしていた、右目が母上の瞳に似た濃い黄色に斜め下辺りに濃い紫色が入り、左目はお祖母様と同じで濃い紫の色に、濃い黄色の線が縦に瞳の中心を染めていた、どちらの瞳の色も透き通った綺麗な色をし、とても珍しいとされているアメトリン鉱石の色だった。(後々教えてもらった事だが、お祖母様ようなアメトリン鉱石の色合いは世界的にも非常に珍しく、その上で、左右の瞳で色が違うのはこの国で初めてのことだったらしい)
そんな、珍しい色合いをした弟を私達兄弟は一目で気に入り、とても可愛がった、家族全員が溺愛しているこの小さく可愛い弟を守ろと、子供ながらに思った。
大きくなるにつれアトリーの行動範囲が広くなると、さまざまな才能を発揮し始めた、1歳で言葉を話し読めるようになり、3歳で剣術を習い始め1人で寝室で就寝し、5歳で専門書を読み剣術の基礎を習得した、全ての分野に対しての学習能力が高く、教えた事はすぐに覚えた、この事で嫉妬心などは芽生えなかった、アトリーは常に周りに気を配り、人を不快にさせない行動をし、私達兄弟に懐き“兄様、姉様“と言い後ろをついて来て、とても慕ってくれていた、賢く優しい性格の自慢の弟に嫉妬なんて、そんな感情は不思議と芽生える事はなかったのだ。
そして、とうとう7歳の時の“洗礼と祝福の儀“の時には全属性の魔法適性を与えられ、スキルを41個も発現した、さらに“神々のご加護“を3つも貰い、聖獣様達を授かった、これには家族全員が驚き心配した。
今までも十分特別で凄い才能を持ったアトリーはさまざまな人達の注目の的だった、それ故に小さい頃からよく人攫い達に狙われていたと、学園に入る時に父上に聞かされていた、だからアトリーはこの“洗礼と祝福の儀“を受ける時まで、領地の屋敷から出ることができなかったと言うのに、ここに来て“神々のご加護“を貰った事で世界にアトリーの存在が知られ、世界の国々からも注目されるようになってしまい、さまざまな組織や宗教に国家がアトリーを引き込もうとあらゆる手段で手を出してくるようになった、この時、私はより一層アトリーを守らねばならないと強く思ったが、
幸いにもアトリー自身は“神々のご加護“の影響で“体“は傷つくことはなくなった、だが、“心“はまた別だ…、好奇心に満ちた珍しい物を見る目や、品定めするように観察する目、これぐらいの感情はまだ良い、悪意に満ちた目や嫉妬に塗れた目は体に何も影響は与えなくとも、心に、精神に、負担をかける、だから、そんな色んな視線に晒され続けるアトリーの心を守ると私達兄弟は誓い合ったのだ。
「あ、あぁ、消えた・・・」「くっ、丸くならない・・・」
「“ジョナサン“、大きさの割に球体に込める魔力が少なすぎですよ、球体の輪郭がぼやけています、この大きさを維持できないのなら、球体の大きさを小さくして魔力を圧縮した方がより効率的に球体を維持できますよ、
“シュリヒト“、君は魔力の球体が脆すぎます、大きさや形、強度、触感などなどをもっと、作りたい物を明確に想像して常に意識するとうまく形を保てます、あと、力みすぎです、さぁ、もう一度やり直してください」
ジョナサン「はい、やってみます・・・」
シュリヒト「は、はい!」
先に魔力量を指摘された“ジョナサン“はヴィカウタ家の次男16歳、今年16歳になるライとヘリーと同学年の彼は、自分の魔力量の低さに落ち込んでいたが、作り出す球体に大きさを求めているわけでは無いので、球体の大きさを調整するように注意した、すると意外と素直な返事が返ってきた、そして、“ジョナサン“より1つしたの“シュリヒト“も緊張しているが真面目に取り組んでいる。
(ふむ、ライの受け持った方も意外と素直に言うことを聞いてるな・・・、さて、これがどこまで続くかな、アトリーの心を守るためにはできれば平和的な解決がしたいな・・・、しかし、姉上やヘリーは何故、あちらの女性陣達もこれに参加させたんだろうか・・・?)チラッ
視線を後方に移すと姉上とヘリーの前にヴィカウタ家、ダンロン家、バロネッカ家のご令嬢達に、従兄弟に当たるマルキシオス家のベル姉上が横一列に並び、私達が行なっている訓練を同じように指導していた。
(バロネッカ家の次女の“エミリー嬢“がこの訓練をするのは分かるけど、アトリーの容姿に嫉妬した二人の令嬢や他の令嬢達は関係ないんじゃ・・・まぁいいか、何か意図があるんだろう、姉上達に任せておこう)
そう思いながら、目の前で魔力の塊の球体、“魔力弾“を作ることに真剣に取り組んでいる男性陣に視線を戻した。
>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<
カイヤトが視線を送っているとき・・・・・
+姉:カシミールの場合+
姉:カシミール 視点
「さぁ、皆さん、健康と美のために頑張ってください♪」
ニッコリと笑顔でそう告げていた・・・・
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