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第3章 少年期 学園編
71話 初めての市場
しおりを挟む生きた彫像のゾーンをゆっくり抜け出して、屋台を見学しながら市場のある方へ移動した、途中に珍しい果物を切って販売しているお店があったので、味見の為に1つ買って貰ったりもした。(マンゴーみたいな果物だったよ、とても甘くて美味しかった♪)
その他にも魚介の乾物やドライフルーツぽい物など色々あって楽しかったが、その殆どは市場でも購入出来るらしいので買うのは我慢した、少量買うのは屋台の方がいいが、大量に買うときは市場の方が卸価格でお得なんだとか、先に買った香辛料や調味料は入って来る量が限られているので、屋台でしか買えないとの事、あの時、買って置いて正解だと母様に言われた、色々見回りながら進んでいくと市場になっている建物に着いた。
「ここは何の市場ですか?」
(おー、結構大きいな、でも建物の構造的には前世で見た漁港にある市場に似ているな、ここは水産物だけの市場かな?それとも青果市場か交易品市場かな?)
ワクワクしながら入り口を見ていると、抱えるのも大変そうな大きめの木箱が沢山乗った荷車を押して出て来る人達がいた、その荷車に乗った木箱の中に注目すると、中には名前も分からない魚が入っているのが見えて、ここが水産物の市場だと分かった、他にも沢山の人が荷車や大きなカゴなどを持って出入りしている、とても活気に満ちた場所で行き交う人の表情もとてもイキイキしている。
「あ、魚介の市場ですか?」
母様「それだけじゃないわ、手前の屋根だけがある部分がその日に獲れた魚介類の卸し市場で、奥にある建物が各国から入って来た交易品の卸し市場よ」
「?野菜などの市場はここには無いんですか?」
母様「そうね、地元の野菜などは街の中に大きな広場があるから、そこで野菜を育てた人達が屋台を借りたりして直接販売しているわ」
「へぇーそうなんですね、後で行ってみたいです♪」
父様「いいよ、後で行ってみよう、まずはこの中を見物してからだね」
「はい♪」
そう言って中に入っていくと、買い物客や仲買人のような人達が先程の箱を覗きながら鮮度を確認したりして、買取の交渉をしている、箱の中には先程獲れたばかりの魚がビチビチと動いていたり、カニに似た甲殻類が箱から脱走しようともがいていたりと、イキのいい海産物が沢山あって楽しくて目移りしてしまう。
*この時ぐらいから周りの反応などに気づかないぐらい、テンションが上がっているアトリー、周りの買い物客達は何処からどう見ても貴族の一団だと分かり、アトリー達の買い物を少し遠まきに伺っていた。
(あれは、アジかな?あっちはカツオ?わぁ、カニがいる⁉︎・・・いや、カニか?)
どれも似ているが判断が付かないものばかりなので、次はちゃんと父様に鑑定スキルの使用許可を貰い、目についた物を片っ端から“情報開示“で見て回った。
(おぉ、あそこのはブリだ!あっちはメバチマグロ⁉︎え、その横にクロマグロにそれにトラウトサーモンって訳わかんないだけど・・・、どんな生態域してんだろう?この海・・・、でもクロマグロとサーモンは欲しい!(°▽°))
どの魚も特徴が似ている物は概ね、名前がそのままの日本名の名前なのだが、色鮮やかな魚で形が独特なのはこの世界特有の名前が付けられており、見ているだけで面白い。
(何あれ!ソードフィッシュって、太刀魚じゃないんだ⁉︎)
天華『あれは太刀魚に似てますが、名前の通り剣みたいに鋭利な体で敵対者を襲ってくる魔物の一種ですよ』
(マジかぁ、怖い魚の魔物なんだね)
こんな風に似ていても別物みたいな魚もちょいちょい居る、色々気になって見て回っている横でソルも一緒に興味深そうに見ていると思ったら、何故かカイルさんに話しかけていた、そのカイルさんはソルと話終わるとすぐに僕達が見ていた魚を買い取っている、買い取っている魚は僕が興味が凄く惹かれた物か前世でも食べていて、また食べたいと思った物を買い取っている。
(これは・・・ソルが僕の感情の起伏を読み取ってカイルさんに報告してるな・・・)
ジトッと、ソルを見ると、ニッコリ笑顔で返された、(欲しかったでしょ?)と言われている気がする、いや、心の中で絶対言ってる・・・
(はいはい、欲しかったですよっ!もう、最近ソルは父様達と結託して、すぐ僕を甘やかそうとしてくるっ!)
むぅ、と膨れてみるが嫌ではないので照れ隠しだとすぐにバレて、母様に頭を撫でられてしまった。
「むぅ、・・・あれ?エビ?」
前世でもよく見ていた物だが形はエビそのものだが明らかに大きすぎる・・・
(伊勢エビよりでデカいよね、あのエビ・・・そもそもエビなのか?(・・?))
“情報開示“を使って大きなエビを見てみると、詳細にはエビで間違いは無いらしいが、特殊な環境下で巨大化したエビだそうだ。
(あんなに大きくても美味しんだろうか?)と、疑問に思っていると、速攻でカイルさんが買い取っていた。
(おぉ、これで食べるの決定だね、イエーイ٩( ᐛ )و)
次々買い取られていく魚達、結構な量の魚を買っているので、他にも仕入れに来ている飲食店の店員や仲買人達も唖然としてた。
「こんなに買って他の方達に迷惑になりませんか?」
と、母様に聞いてみると。
母様「大丈夫よ、今日はいつもより大漁だったみたいだから、他の方のご迷惑にはならないわ」
と言われたので、心置きなく見学を続ける。
「そうですか・・・ん?キレーな色の貝、・・・おぉ、これが“カラーシェル“なんだ、へぇ~食べれるんだ・・・」
“情報開示“で見た情報の中に“可食用“と、書かれていたので、この貝が真珠を生産する以外に食用としても需要があるとは思ってなかった。
?「こちらは、食用としても人気の品ですが、ごくたまに真珠が入っている事があるので、運試しに買って行かれる方が多いのです」
と説明してくれたのは、市場に入った時に案内人として、ついて来てくれている市場の職員のマルクトさんだ。
「へぇー、それは楽しそうですね」
マルクトさん「お試しで皆様にお1つずつここで“カラーシェル“を開いて見ますか?」
「良いんですか?」
運試しに“カラーシェル“の真珠探しをすることになった僕達は、それぞれ好きな色の貝を選び“カラーシェル“を売っている漁師の方に開けてもらうことになった。
マルクトさん「どうぞ、お好きな物を選んで下さい」
「うーん、どれが良いかな?ソルは何色にする?僕まだ決めきれないから先に決めて!」
ソル「分かりました、そうですね、少し紫色っぽい青にします」
「珍しい色だね、そうだな~・・・、うーん、僕はこの濃ゆい緑にしてみる♪」
(一昨日もらった“カラーパール“のなかに緑色がなかったから、これで真珠が出てくれば“カラーパール“の彩りがまた一層増すね、まぁそう簡単に出てこないだろうけど・・・)
父様達やジュール達も“カラーシェル“の色を決めて、それを1つずつ開けて貰うことに、まずは先に色を決めたソルから。
カチャカチャッ パツッ パカッ・・・
(中身は普通の貝と変わらないね、貝殻と真珠だけが色鮮やかなんて不思議~(๑╹ω╹๑ ))
漁師さんが貝の隙間からナイフを刺して、貝殻を開け閉めする役割の貝柱を探し出し素早く切り離す、すると貝が開けるようになった、開いた貝の中身をナイフで慎重に切り開き真珠がないか探ると、カチッとナイフに何か固い物が当たる音がして、そこを手で探ると涙型をした少し赤みがかった青色の真珠が出てきた。
ソル&アトリー「「わぁ!本当に真珠が出てきた!!」」
(しかも、珍しい涙型だ!可愛い!)
マルクトさんや漁師さん達はたまに出ることを知ってるからなのか、ニコニコ笑って「良かったですね」と言ってくれた。
「良かったね♪ソル!形も珍しい涙型だよ!」
ソル「はい、嬉しいです♪」
2人でワイワイ喜んでいる間に漁師さんが僕の選んだ貝を開け始めていた。
漁師さん「へっ⁉︎・・・・・これは珍しい事も起こるもんだ、また真珠が出た・・・」
と、呟いた。
「「「「「え?また?」」」」」
今度は面白い形で少し細長い円柱型をした深緑色の真珠が出て来たようだ。
「ほ、本当だ、こんな形してるけどちゃんと真珠だ♪」
ソル「本当に珍しい形してますね、良かったですねアトリー様!」
「うん、嬉しい♪」
するとこの後も次から次へ真珠が出てきて、漁師さんと真珠探しをお勧めしてきたマルクトさんは驚きっぱなしだった。
(これは・・・もしかして・・・精霊達からのプレゼント第二弾?・・・)
天華『そのようですね・・・、多分、魚が大漁だったのも、そのせいかもしれません・・・』
(わぁー、魚もかぁ嬉しいな♪)
ジュール『アトリー、お魚好きだもんね』
(うん、好き♪焼いて食べたり、フライにしてみたり、醤油も手に入ったからお刺身でも食べれる、色々と調理法があって飽きないからね、これで出汁に使えそうな昆布とか有ったらもっと良いよね♪)
色んな形の色々な色の真珠が大量に出てきて、流石に異常だと思った父様が僕の様子を見て、これが精霊達の贈り物だとすぐに察した。
父様「ここにある“カラーシェル“は後どれぐらいあるかな?良ければ全て買い取ろう」
漁師さん「は、はい、こ、ここに出ているだけが全部です・・・」
そう言って今ある全ての“カラーシェル“を買い取り、真珠の値崩れを阻止して市場の見物を続けた、そこからは貝ゾーンだったのか珍しい巻貝や大きな夜光貝らしきものなど色々見ながら進み、後もう少しで水産物の市場が終わる所で、漁師さんが漁で使ったと思わしき網を片付けているのが目に入った、その横に大きな昆布やワカメらしき海藻類が山になって積まれているのが見えた。
「マルクトさん、あれは、あの後どうするんですか?」
マルクトさん「あぁ、あれはですね、後でまとめて燃やして捨てます、よく網に絡まってきて漁の邪魔になるので、なるべく海には戻さないようにしていますね」
(え!勿体無い!!昆布からは良い出汁が取れるのに!!)
「じゃあ、あれは売り物じゃないんですね?」
マルクトさん「え、えぇ、そうですが・・・」
「あれ、全部持って帰りますのでください♪」
(いらないなら全部貰っても良いよね♪)
満面の笑みでおねだりすると。
マルクトさん「っ!・・・・・お、お好きなだけ、お持ち下さい!!」
「わぁーい、有り難う御座います♪」
ウキウキ気分で、こんもりと山になって置いてある昆布やワカメなどの海藻類の真下に、“無限収納“の入り口を開き、全て“無限収納“に落とすように入れて、あっという間にその場から海藻類の山がなっなった。
近くにいた漁師さん達はその光景に唖然として、海藻類の山があった所を驚愕の表情で見つめた、そんな事はお構いなしに僕はウキウキ気分で昆布などの活用法に考えを巡らしていた。
(これで昆布を一度乾燥させて昆布出汁が取れる!乾燥昆布をそのまま入れてお鍋の出汁にしてもいいし♪昆布締めも作れる♫昆布があるだけでも料理のレパートリーが増える♪それにお味噌が手に入ったからワカメのお味噌汁が食べれるし、他の海藻類もサラダにして食べたら美味しいよね、あ!それにさっきのもう一つの屋台で胡麻も見つけたから胡麻ドレッシングも作れる!どこかにシソもなかったっけ?わぁ、やりたい事だらけ♪)
父様も母様もソルでさえ唖然としていたのに気付かずに、ウキウキが止まらない僕。
夜月『これはもう、暫く考え事から帰ってこないな・・・』
天華『そのようですね、前々から日本食に飢えていたようですから、仕方ないでしょう』
ジュール『今度はどんな美味しいご飯作ってくれるのかなぁ』
と話しているのも気にせず、今日買ったり貰った物をどのように料理しようかと考え続けていた。
父様「・・・はぁ、あれを全部“収納“に入れてしまうなんて、驚いたけど、アトリーが嬉しそうならいいか・・・」
母様「本当ね、ここに来てからアトリーったら、ずっと目をキラキラさせて楽しそうに色んなものを見ているですもの、その中でも1番の笑顔だったわ」
ソル(今日はいつもよりアトリーの感情がよく読み取れる、ずっと楽しそうにしているのは珍しいな、アトリーが楽しそうなら僕も嬉しいから良いか…)
セラスさん(アトリー様が珍しく、年相応の表情をなさって大変可愛らしいですわ、それにソルもとても嬉しそう、今日はこちらに着いてきて正解でしたね)
鼻歌まで歌い出した僕を母様が手を取って先を促した、手を繋がれている事も気にせずに、考え事をしながら水産物市場を後にして交易品の市場の建物前までやってきていた。
母様「アトリー、もう次の市場まで来てますよ、中をじっくり見学しなくていいの?」
と聞かれて、やっと食欲にまみれた思考から戻ってきた。
「え?・・・はっ、あ、じっくり見ます!掘り出し物見つけます!」
(交易品にも色々良い物が期待できそうだしね!)
父様「ふふっ、やっと思考の海から帰ってきたね、じゃあ、中に入るよ」
そう言って扉を開くと、中はとても広く天井も高かった、ある程度頑丈そうな柱が並んでいて、その柱と柱の間に同じ大きさのテーブルが並べられて、その上に検閲で許可が出て税関を通った色々な物を置いて販売している。
*税関所と検閲所は別棟の建物内に一緒にあって、そこの職員と護衛複数が入港してきた船の積荷を入念に調べ、荷物を持ち込んだ商人の身分証明と犯罪履歴を調べた後に商人が税金を払った後に積荷を下ろす事ができる、その荷下ろしもちゃんと同じ職員と護衛が監視の元、行われている、その後も荷物の再チェックが行われて許可が出るとやっと交易品市場に出店できるのだ。
そして、この国の港はとても警備が厳重だ、入港や船の乗組員の下船許可も厳しく行われているので、初めてやって来た船によっては入港も許されないものも出てくるし、乗組員も港から出る事が許されない人達や下船すらも許可されない人達もいる、なのでたまに不満を持った人達と争いになったりするので、この国の港町は強力な兵力を持つようになってる、これは海賊対策や他国からの軍事介入への牽制にもなっているので、海に面した領地の領主達は結構重要なお役目なのだ。
(なんか、同人イベントの販売ブースみたい・・・( ˙-˙ ))スンッ
前世で若い時は手作りでアニメキャラのしおりやレターセット、マスコット的なキャラのぬいぐるみなどを製作して、同人イベント会場の販売ブースで売っていた時の様子を思い出してしまった。
(あれ、商品売れないと赤字必須なんだよね、幸い僕の売ってた商品はそこそこ人気があったし、売り上げもあって利益は出たから良いけど、売れない所はとことん売れないから、シビアな世界だった・・・)
天華『アトリー、急にスンッてならないで下さいよ、ほら、ここはそんな激戦区ではないですよ、いろんな業種の方々が異国の珍しいものを求めてやってきているのですから、とても賑わっていて楽しそうですよ』
(うんうん、そうだね、楽しそう、ここは色んな物が置いてあって気になるものがあり過ぎるね、目移りしちゃう♪)
急にテンションが下がった僕を天華が現実に引き戻してくれたおかげで、並べられた商品に目が行き出した。
「ん?アレはなんだろう?」
最初に目に入ったものは大きな四角い箱のような物だ、手を繋いだままの母様に聞くと、
母様「アレは結界魔法を発動することができる魔道具よ、多分、他国のダンジョンからの産出品だと思うわ」
「へぇー、アレが以前父様達が教えて下さった、ダンジョン産の結界魔道具ですか・・・」
(うん、意外と大きいな?設置型かな?)
大きさが前世での500mlボトル24本入りのジュース箱よりやや小さめの、大きさの箱型なのでそこそこ大きいと思っていると。
父様「アトリー、アレは持ち運びできる結界魔道具だよ」
「へ⁉︎そうなんですね、あ、そう言えば以前お聞きした大きさと一致しますね・・・」
(約30センチ四方って言ってたもんね、・・・実物を見ると意外に大きいな、これを持ち歩くのはかなり大変だよね、やっぱ、僕の作った“守護の短剣“って結構凄いんじゃ・・・)
父様「アトリー、アトリーが作った、あの魔道具のどれだけ凄いか分かった?」
父様がさっきから僕の心の中を読んだように、話しかけてくる。
「え、あ、はい・・・」(怒ってるのかな・・・)
父様「ふふっ、怒っているわけじゃないんだよ、アトリーはもっと自分の作った魔道具を誇って良いんだからね?」
母様「アトリーは自分の作った魔道具が、どれほど凄いか比べる対象がなくて、いつも遠慮しがちですからね、今回良い機会ですから、普通の魔道具がどのようなものか色々見てみると良いですよ」
(おう、母様達にかなり評価されていたみたいだ、嬉しい♪)
「はい、色んな魔道具を見て勉強します!」
後はそれはもう色んな魔道具を見て回って、一般人にはどんな需要があるかリサーチしまくった、その他には珍しい異国の食べ物や工芸品なども見て、姉様達のお土産や欲しいものを買って貰ったりと色々して、満足して交易品市場を後にした。
(あ、ちゃんと屋台で食べたマンゴーみたいな物も見つけて大量購入したよ!パイナップルも見つけたよ!勿論大量購入した!!\\\\٩( 'ω' )و ////)
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