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第3章 少年期 学園編

56話 初めまして

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 どうも、僕です、最近一気に気温の上昇を感じる今日この頃、初夏と言ってもいい時期に入った6月の頭、ある話題が瞬く間に全国に駆け巡ったのだった。

 それは“ズューウス王国が5月の終わり頃に勇者召喚を無断で行い、その召喚された勇者達を国内外に向けてお披露目した“と、その話題が一般市民にまで広がり今ではどこに行っても“召喚された勇者候補達の話“で持ちきりだ。

 コポコポッコポコポッ ブクブクッブクブクッ

「うーん、勇者候補達の存在を発表したら、あっという間に話が広がったねぇ、それも非難される感じの雰囲気で・・・」

 ゴリゴリッゴリゴリッ カンカンッ サラサラ~

ソル「そうですね、でもそれはしょうがないかと、この国以外でも“勇者召喚“に関しての知識はある程度教養がある人ならば、今回の“勇者召喚の儀“に不正があったとすぐ気付きますからね、それに一般市民の方々でも子供の読む絵本などには、“勇者は世界の危機に現れる“とされているので、この平和な世でなぜ“勇者召喚“が必要だったのか、なんて言われるのは当然でしょう」

 トントンットントンッ シャッシャッ ポトポトッ

「まぁ、そうだよね、それをバレないって思っている方が異常か・・・」

 グツグツッグツグツッ ピチョンッ カチャカチャッ ブクブクッブクブクッ ふわぁーっ

ソル「ですね、あ、ねっとりして来ました、これで出来ましたね」

「うん、良い香り、これで冷まして、こしながら器に詰めれば完成かな?」

 今、会話をしながら2人で何をやっているかと言いますと、午後の選択授業ので選んだ薬学の授業で、塗るタイプの傷薬を製作している最中です。

ソル「アトリー様、提出用の器に入れてもかなりの量が余りそうですが、残った薬はどうなさいますか?」

「うーん、手頃な器って持ってきてたかな?今回のは花の香りも付けて使い易くしてみたから、最近 手荒れを気にしてたお祖母様達に持って帰りたいんだよね」

 これは手荒れやアカギレにも効くハンドクリームにもなる塗り薬を、家に持ち帰るためにソルと2人で自分の“収納“内にいい入れ物がないかと探していると。

ソル「そうですか、確か手頃な器があったはず・・・、あぁ、ありました、以前何かに使えるかと思って雑貨屋で買っておいた深めの木製の食器がちょうど良いと思います、どうぞ」

「わぁ、本当だ、丁度いい大きさだね、有り難うソル、これに持って帰ってお祖母様や母様達には別の物に小分けにして渡せば良いね♪」

ソル「それが良いかと」

「ソルのお母上にもあげよう、2人で作ったんだからね」

ソル「・・はい、お気遣い有り難う御座います、アトリー様」

 少し照れた様に笑うソル、(可愛いかよ!)と、心の中で激っていると。

ヘティ「まぁ、良い香りですね、アトリー様」

 一緒に授業を受けていたヘティが自分の製作した傷薬を持って訪れた。

「やぁ、ヘティ、ロシュ君、君達のも完成した?」

ロシュ君「は、はい、僕達のは色を重視してみました」

 ヘティの後ろにはヘティと一緒に傷薬を製作していたロシュ君が来ていて、僕達に出来上がった傷薬を見せてくれた。

「わぁ、綺麗な緑色だね、僕達のはちょっと白っぽいかな?」

ロシュ君「ぼ、僕達のは出来た後に少し布でこして不純物を取り除いてみました、アトリー様のお薬もその状態から、こしてみたら同じ様になるかもです・・・」

ヘティ「私もロシュ君の提案通りして見たらとても色鮮やかになって驚きましたの」

「そうなんだね、教えてくれて有り難う、ロシュ君」ニッコリッ

ロシュ君「っ!い、いいえ、気にしないで下さいっ、うちでもしているだけなんでっ」

「へぇ、そうなんだ、さすが薬屋さんの息子だね、あ、でも、お家の製法を教えてもらって良かったの?」

ロシュ君「あ、それは大丈夫です、他の薬屋でもしている少し見栄えを良くする為の、ちょっとした一手間見たいなものですから」

「あぁ、知ってる人は知っている、一手間 見たいなやつかな?」

ロシュ君「その様なものです」

「ふふっ、それは知れて良かった、母様達に渡す時にしてみよう、ロシュ君、本当に有り難う」

ヘティ「私からも感謝いたしますわ、ロシュ君」

ソル「有り難う御座います、ロシュ君」

ロシュ君「ど、どういたしましてっ」

 良い事を教えて貰って、ご機嫌になっている僕達からの感謝のお礼に、照れてワタワタしながら返事をするロシュ君をひとしきり愛でた僕達は、その後一緒に完成した傷薬を先生に提出して、互いに良い評価を貰いその日の薬学の授業が終わった、今日参加する選択授業は全て終了した僕とソルは、他の選択授業が入っているヘティ達と別れて、天華達を連れていつもの作業小屋に行き、他の授業を受けているイネオス達が来るのを待つ事にした。

「うーん、イネオス達の授業が終わるまで暇だなぁ、そのまま帰っても良いけど今日は父様達が家にいないものね、早く帰っても暇だし、ここでのんびりするかぁ」

 2週間ほど前から父様はお仕事で出張中で、母様は何やらお客様が来るとかで色々手配をしていてお忙しそう、なので帰っても訓練するしか やる事がない僕達は今日は、子供らしく学園内で友達と遊んで帰ることにしていた、だがイネオス達の選択授業が4時限目まで入っている事を失念していた僕は、暇を持て余していたのだった。

(あぁ~、こんな日に限ってイネオス達と選択授業が被らないなんて、暇すぎる!)

天華『まぁ、良いじゃないですか、たまには学園内でのんびりするのも』

 と、天華に言われ、(そうだねぇ~)とソルが用意してくれてお茶とお茶菓子を皆んなで、のんびりいただく事にした。

「ん、美味しい、良い香り、オレンジの香りだね」

ソル「はい、今日はアトリー様の考案された、“オレンジフレイバー“の紅茶をお持ちいたしました、お茶菓子は少々甘めのイチゴのケーキをご用意しておりますのでお好きなだけお食べ下さい、後 リンゴの包み焼きもまだ余っておりますのでご要望があれば出します」

「あ♪リンゴの包み焼き食べる♪でも、ケーキも食べる♪」

 ソルに出して貰ったお茶菓子の欲張りセットを堪能していると、精霊達がいつも以上に集まりだしてきた。

「あぁ、今日はまだ歌ってなかったね、丁度良いから今のうちに歌っとくか・・・」

夜月『その方が良いだろう、これ以上集まると変な現象が起こりそうだ』

「うん、そうだね・・・」

 精霊達との約束で1日一回歌ったら、その後は僕がここにいる間は静かにすると言う約束を今日はまだ果たしていなかったので、その約束を先に済まそうと動いた、先程この作業小屋に来た時からどんどん精霊達が集まり周りを取り囲みだしたが、僕に無理やり歌を歌わせる気はないようで、強くは強請って来ない、でも期待に満ちた表情で見てくるので凄く居心地が悪い、なのでどうせ暇なのだから早々にリクエストに答える事にした。

「さて、精霊さん達、今日は何を歌って欲しい?」

 周りに人がいないのを確認した後に精霊達に呼びかける、ソルも周りを警戒しながら僕達のやり取りを見守る、天華達はいつも通りそれぞれ好きな場所に陣取り歌を聞く体制に入った、夜月はテーブルの上に小さい姿で登ってきて僕の真正面に陣取る、ジュールは大きい姿で僕の真横に伏せをして待ち、天華は小さな姿でジュールの体の上に乗った。

『あのね、いつものあの歌が良い♪』『そうあの歌♪いつもの優しい子守唄♪』

『あれが良いの♪』『大好きなの♪』

「そう、あの歌だね、分かったよ」

 どうも精霊達は、僕の前世でのゲーム内の子守唄がお気に入りらしく、頻繁にリクエストされるのだ。

「ん゛、ん、・・・・スゥ・・あ~♪~♫~~~♪~~~♩~~~♬♪~~~・・・・・・・」

 僕が歌い出すと精霊達は静かに揺れながら嬉しそうに歌を聴いている、僕はそれを見ながら和み歌に反映させていると、不意に知らない人達の気配がすぐそばまで来ているのに気づいた。

「!、そこにいるのは誰⁉︎」

 いつもなら誰も入ってこない、と言うか入って来れないはずの作業小屋の裏手に、勝手に入って来た何者かに向かって誰何する、ソルも気配にいち早く気づいて僕を守るように侵入者の前に出た。

?「え、・・・・・」

?「「っ!・・・・・」」

 振り返って見た、侵入者は僕の顔を見て口をポカンと開けてフリーズしている。

(ん?見かけない顔だね、しかもこの学園の制服着てないし、他校の人?でも女子生徒の制服のスカートがこの国ではありえないほど短い、なんか前世での女子高校生見たいな格好だな、歳もそれぐらいの様だし・・・ん?男子1人に女子2人、もしかしてこの人達・・・“召喚された勇者候補達“?)

天華『そうです、正解ですよアトリー、彼らがズューウス王国が無断で行なった勇者召喚で“召喚された勇者候補達“です』

(やっぱり・・・、でも何でその“召喚された勇者候補達“がここにいるの?それになんか、あの男の子どっかで見たことあるよな・・・・)

夜月『それはいいがこの者達、先程から全く動かないんだが・・・』

(だね、大丈夫?息してる?)

 フリーズして動かない侵入者をまじまじと観察し、その正体に当たりを付けていると天華に正解を言い渡された、何か言葉を交わす前に相手の正体が判明してしまったのはいいが、相手は僕を見つめたまま微動だにしないので少し心配になってきた僕だった、心配そうに伺う僕とは反対にソルが・・・

ソル「あなた達、何者ですか⁉︎ここは限られた方しか入っては行けないようになっている場所です!そこに無断で入ってきて挨拶もしないとは!制服もこの学園のものでもない様ですし、もしや、あなた達はアトリー様を狙う襲撃者ですか⁉︎」

 と、相手を敵認定しそうになっていた、あ、そうそう、いつも皆んなで集まって食事をしているこの作業小屋裏は、4月の“入学して初めての実技授業“の時に良い見せ物にされた僕へのお詫びとして、サフィアス叔父様から僕が卒業するまで僕と僕の招いた人以外は使用禁止にして貰ったのだ、厳密に言うとこの作業小屋(見た目は平屋の優雅なコテージ)と、その裏庭、そしてその裏庭から続く学園が管理している森の一部に立ち入り制限を設けて貰い、ここに勝手に入って来た人は校則違反でペナルティーが課せられる、そうしてもらう様に僕がシベラス叔父様に頼んでして貰ったので勝手な私物化では無い。(あの時、僕を勝手に見せ物にしたサフィアス叔父様への僕からの罰だからね)

 それは置いといて、ソルの警戒を露わにした問いかけに、開きっぱなしだった口はやっと反応を返した。

?「はっ!、ちょ、ちょっと待って、ぼ、僕達はここが関係者以外立ち入り禁止だったなんて知らなかったんだ!それに誰も傷つけたりしない!」

 と、先頭に立っていた“勇者候補の少年が両手を前に出し敵では無いとアピールする。

?「そ、そうよ、敵ではないわ」

 少し焦った様に少年の後に続いた、少しクールな印象を受ける少し茶色い髪をポニーテールにした女子高校生。

?「う、うん、敵じゃないよ、私達、ここに来れば“アメトリンに会える“って言われて来ただけだから・・・」

?「「ユメカ‼︎」」

ソル「⁉︎、どう言うことです⁉︎あなた達のは何者ですか⁉︎何故あなた達がアトリー様を勝手に呼び捨てにしているのです⁉︎答えなさい‼︎あなた達は何者ですか⁉︎答えなければ不審者として排除します‼︎」

 もう1人のゆるふわ天然パーマっぽい髪を肩まで伸ばしてある、うっかり屋な感じの元気っこ女子高校生が最後に言った言葉に、ソルが“収納“から愛用の剣を出し迎撃体制に入った。

?「まっ、待って!待って!ここには確かにそう言われて来たけど、君達をどうこうしようなんて思ってない!ただ君に会って見たかっただけなんだ!アメトリン・ノブル・デューキス君!」

 やや垂れ目で優しそうな雰囲気の男子高校生の言葉に、後ろにいる2人も必死に頷いている。

(ん?一方的に向こうが僕を知っている事はよくある事だけど・・・、僕に会って見たい?“異世界召喚された勇者候補達“がねぇ・・・、誰に僕の存在を教えて貰ったんだろうね?・・・まぁ、彼らに直接問い正せば良い話か・・・)

「ソル」

ソル「アトリー様・・・」

 僕がソルに一声掛ければ、ソルは構えを解き僕に視線をやりながら少し後ろに下がった、だが警戒は怠らない、そんなソルに無言で頷き返した。

「で?僕に会いたかったって?でも、僕をどこで教えて貰ったの?“召喚された勇者候補のお兄さん達“?」

「「「「⁉︎」」」」

 僕の言葉に驚きを隠しきれない“召喚された勇者候補のお兄さん達“3人、ソルも最初は驚いた様だがすぐに納得がいったような顔で彼らを見つめた。

クール系女子高生「な、何故それを⁉︎」

「何故って?僕があの国、ズューウス王国がお兄さん達の存在を公表するより前に、各国にその存在を教えたのが僕だからだよ、お兄さん達の情報も神々から少し教えて貰っていたから、すぐに正体に思い至っただけ」

男子高生「神々から・・・」

「まぁ、いいや、一応初対面だし挨拶はしないとね、初めまして“召喚された勇者候補のお兄さん達“、僕はデューキス公爵家当主が三男アメトリン・ノブル・デューキスと言います、そしてコチラにいるのが聖獣のジェムフェンリルのジュール、夜天虎の夜月、陽天竜の天華です、そして最後にこちらが僕の従者 兼 執事のソルドア・ノブル・ソンブラ、以後お見知り置きを・・・」

 と、ニッコリ微笑み最上級の礼をした、ソルは紹介された際に少しお辞儀をしたくらいで済ませるつもりの様だ。

「「「ほぅ・・・」」」

 僕の挨拶に見惚れたのか、顔が真っ赤だ、「はっ!2人とも戻ってきて!」1番先に正気に戻った男子高生が後の2人の肩を揺すり正気に戻す、すると・・・

男子高生「え、えっと、初めまして、ぼ、僕は“花村 仁“ ジンが名前です、よろしくお願いします」

「⁉︎」

(っ⁉︎“花村 仁“⁉︎“花村 仁“だって⁉︎も、もしかして・・・あの“仁“⁉︎・・・いや、でも、ただの同姓同名ってことも・・・、でも、どことなく似ている・・・)

 “花村 仁“と名乗った少年をマジマジと観察しながら密かに混乱をしている僕。

(くっ!分かんないなっ、この子が本当に僕の知っている“花村 仁“なら少しまずいことになりかねない・・・・・、天華、これはどう言うこと?あの子は僕が知っている“花村 仁“で合っているの?)

 最も事情をしているであろう天華を問いただすと、

天華『アトリー、彼は貴方が知る“花村 仁“で間違いありません』

 そう静かに告げた。

(!・・・そう、この子は僕の“前世での甥の花村 仁“で間違い無いんだね、・・・・・大きくなったな、今何歳かな?15か16って聞いてたから今は16歳かな?あれ?でも僕があちらで死んだ時は7歳か8歳だったはず・・・ここの時間の流れがあちらと違うのかな?・・・・あ、後ろの2人はもしかして“仁“の保育園で仲良しだった幼馴染の夢ちゃんと彩ちゃん?・・・やっぱり、今でも仲良しなんだね・・・・元気そうで良かった・・・・・・・・、姉さんは元気にしているかな、母さんはまだ生きているんだろうか、他の兄弟に甥姪達も元気にしているかな・・・・・・会いたいな・・・)

 思わぬ 姉の息子との再会に強い衝撃を受けたが、心躍らせると同時に前世に残してきた家族を思い悲しさが押し寄せてきた、“仁“の幼馴染の夢ちゃんと彩ちゃんの自己紹介も聞いている間に、しんみりした心を感知したソルが気遣わしげにコチラを見たが、何でもないよと言うふうに笑うと、納得はいってなさそうな顔だが視線を元に戻した。

 全員の自己紹介が終わって、表面上はニコニコ笑っている僕に不意に夢ちゃんが、

夢ちゃん「やっぱり、“アメトリン“の顔は幼くても美しすぎでしょ!」

と、前世 言うアイドルの追っかけの人みたいな表情でそう言った。

(・・・うん?・・・・なんか、僕の大人の姿を知ってそうな口ぶりだね?)

「えっと、ユメカさん?僕は貴方達とは初めて会ったと思うだけど、どこで僕の事を聞いたのかな?」

 そして、僕は夢ちゃんの口から思いもよらぬ事を聞いたのだった・・・・












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