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第3章 少年期 学園編

33話 冒険初日!10 依頼達成‼︎

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 皆んなの審査が終わって王都内に入り僕達はジル叔父様と一緒に冒険者ギルドに戻って来た。

 ギルド内はいると。

ベイサン「朝より少ない、他の冒険者さん達はまだ帰って来てないのかな?」

 そう、ベイサンが言った通り思った以上に人は少なかった。

(朝は朝で他の冒険者達より少し遅くてあの人混みだったんだけど、まだ依頼の達成報告の時間のピークじゃないのか…)

ジル叔父様「あぁ、冒険者達が帰ってくるのはこの時期だと大体 夕方5時から6時ぐらいだからな」

ベイサン「そうなんですね、じゃあ僕達は早く帰って来過ぎてるんですね」

ジル叔父様「そうだな、だが、駆け出しの冒険者達が帰ってくるのは大体こんなもんだろう」

(まぁ、確かに、Fランクの依頼だとそう遅くなるような物はないか)

 ふむふむ、と無言で納得している僕の隣でベイサンも納得の声をあげていた。

ジル叔父様「さて、依頼達成の報告に行くか」

「「「「「はい」」」」」

 僕達がギルド内に入った時からいつも通り周りからずっと注目されてはいたが受付に向かって動き出したらもっと注目されてしまっている、あちら こちらでされている会話に耳を傾けてみると。

「お、ジル様が久々にお帰りになっているじゃねぇか、ん?でも後ろに知らないガキンチョ達が引っ付いてんぞ?」

「おいっ、ギルド職員から聞いてねぇのかよ、注意喚起されてたろう?例の噂の公爵家の子供とその友人達が冒険者登録して冒険者になったからちょっかいかけるんじゃねぇって、手ぇ出して返り討ちに会ってもギルドは庇わなぇからなって言われたろう?」

「お、おう、言われた気がするが、じゃあなんだ、あの後ろのガキどもがその話のガキどもなのかよ?でも、なんでジル様と一緒にいんだ?」

「お前、そらジル様と、公爵家の子供は親戚だからに決まってるじゃねぇかっ」

「うん?そうなのか?」

「お前、ほんと、なんでこんな事も分かんねぇんだよっ!」ゴンッ

 凄い音と共に1人の冒険者の男性が頭を抱えているのが目に入った、その後は隣の男性と言い合いになっていたが誰も止めに入ったりはしない、こんな光景は日常茶飯事なのだろう。

(痛そう・・・)

 そう思っている間に中央の受付に到着した。

(あれ?ジル叔父様、中央受付に用なのかな?依頼報告は右側の受付だったはず…)

ジル叔父様「すまない、ギルマスに繋いでくれ、依頼報告がしたい」

(あぁ、なるほど、ジル叔父様の依頼主はギルドだったんだね、しかもギルマスに直に報告ってことは何かの調査かな?)

ジル叔父様「あぁ、それとこの子達の依頼の納品もお願いできるか?」

受付嬢「はい、畏まりました、少々お待ちください。」

 そう言って、ジル叔父様の対応をした受付嬢は隣にいた僕達専属の受付嬢のアンテレさんに声をかけた後そのまま2階に上がっていた。

アンテレさん「失礼します、お待ち頂く間に私がデューキス様方の依頼報告と依頼品の受け取りをお手続き致します」

「宜しくお願いします、アンテレさん」

アンテレさん「はい、畏まりました、ではコチラにお持ちになった品を出して頂けますか?」

「はい、あ、でもアーミーアントはここに出すのは無理ですね、「「へ?」」あ、討伐部位だけでよかったんでしたね、あぁ、でもアーミーアントの討伐部位ってどこだ?依頼書に書いてあったかな?ね、ソル?」

ジル叔父様「⁉︎ちょっ!、ちょっと待て!アトリー!君は、その、・・・・・“収納スキル“持ちだったのか?」

 最後の方は周りを気にして声を落とし僕に近づきながら聞いてきた。

「?、はい、そうですけど…それがどうしたんです?ジル叔父様」

(あれ?知らないのかな?僕は隠してたりはしていないんだけどな?)

ジル叔父様「っ!、・・・はぁ~~っ、アトリー、そのスキルが珍しいのは分かってるか?」

「はい、知ってます、隠していても後々知られて説明するのも面倒なので、それにソルも持ってますから使わないのは勿体無いですし」

ジル叔父様「えっ、ソル君もか⁉︎・・・・・そうか、それならしょうがないね、冒険者には有効なスキルだからね、まぁ、周りに気をつけて使うんだよ」

アトリー&ソル「「はい」」

アンテレさん「あ、あの、お話中失礼します、デューキス様、アーミーアントをお持ちとの事ですが、わざわざ“収納スキル“に収納してお持ちになられたんでしょうか?」

「あ、はい、そうですが?」

アンテレさん「あの、デューキス様の“収納スキル“にはそこまで余裕があるのですか?」

「あぁ、はい、かなり余裕はありますよ」

アンテレさん「そ、そうですか・・・・・」

(あはははっ、そうだよね、10歳の子供のスキルレベルの平均を考えれば僕の“収納スキル“の容量がおかしいって思うよね~、まぁ、僕のスキルは“無限収納“だから容量は全然関係ないんだけどっWW)

 “収納スキル“の容量はスキルレベルとともに拡大していくので普通の子供がスキルを授かってから3年で上げることのできるスキルレベルは精々2~3レベル、普通なら容量を気にして無駄なものは収納しないのが一般的なのに僕は倒したアーミーアントを丸ごと持って来ているので驚かれたんだろう。

 このやり取りをジル叔父様は呆れた顔で見ていた。

アンテレさん「分かりました、アーミーアントは後で解体場で引き取りますので後ほどご案内しますね、では先に薬草採取の依頼とスライムの捕獲依頼の納品を確認致しますので、こちらの籠に薬草をお出しください、スライムは籠をそのままお預かりします確認が取れましたら後ほど返却します」

 そうして差し出された6つの籠に、まず常設依頼のエイカイ草を1人100本づつ入れ、残った籠に僕とソルのパーティーで受けた依頼の薬草のエムカイ草を50本入れた。(僕は比較的綺麗な薬草を選んで入れたよ、動物達が頑張って取って来てくれたけど規定を満たない物もあったからね…)

*エムカイ草とは・・・・
 エイカイ草の亜種と言われている薬草で見た目はエイカイ草とほとんど変わらない、だが効能は全く別でエイカイ草が怪我や体力の回復に効果があるとされているのとは反対にエムカイ草は精神疲労や魔力の回復に効果があるそうだ。
 薬草としては珍しくはないが植生が独特でエイカイ草とエムカイ草どちらも大体同じ条件の場所で発見される、だがエムカイ草は決まって日陰でしか発見されていない。
 専門家の話ではエムカイ草は陽の光で栄養が取れない代わりに大気中の魔素を吸収し自分の栄養を補っているので それにより採取し日陰から出た途端 薬草としての効能が薄れているのではないか?と、なのでエムカイ草の採取には気を使うらしい。
 この依頼の薬草の鮮度が関係するのもこの事が起因だとされる。

「これで全部です」

アンテレさん「はい、分かりました、本数の確認をしますので暫くお待ち下さい、スライムもお預かり致しますね」

イネオス「宜しくお願いします」

 アンテレさんはイネオスからスライムの入った籠を預かり他の職員の手を借りて後ろの作業台で薬草のカウントを始めた。

 アンレテさん達が確認作業に入り僕達は暇になったのでジル叔父様にまた冒険の話を聞こうとしたら。

受付嬢「ジル様、ギルマスが今からお会い出来るそうです、ご案内致しますのでお越しください」

 と、さっき2階に上がって言った受付嬢が戻ってきてジル叔父様を呼んだ。

ジル叔父様「あぁ、分かった、・・・アトリーすまないが少し話してくる間待っててくれるか?」

「はい、待ってます、お仕事のお話でしょうから気にせず行かれて下さい、ジル叔父様」

ジル叔父様「ふっ、分かった、もし先に査定が終わったら、隣の食堂で皆んな好きなもの頼んで待っててくれ代金は俺が持つから遠慮するな、俺が終わったら一緒に帰ろう」

「なっ」と言い、優しく爽やかに笑って頭をポンポンッと撫でられた。

「「「「「はい♪」」」」」

ジル叔父様「じゃあ、行ってくる、君、俺が戻るまでこの子達を気にかけておいてくれ、宜しく頼むよ、後、これで好きなものを食べさせてやってくれ」

アンテレさん「はい、承りました」

「「「「「ご馳走になります、ジル叔父様」ジル様」」」」

 アンテレさんを呼び 僕達を任せ お金まで渡した、皆んなでお礼を言うと軽く手を振って呼びに来た受付嬢の後を追って 2階に消えていったジル叔父様。

(男前かよっ!イケメンかよっ!イケメンだったわっ!惚れてまうやろっ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾)

「うーん、さすがジル叔父様…」

アンテレさん「ふふふっ、照れておいでなのですよ、ふふっ、では私は先に確認の続きをいたしますね」

 ジル叔父様の後ろ姿を微笑ましそうな顔で見て笑ったアンテレさんはそのまま すぐに薬草の確認に戻った。

(照れてたんだ、・・・可愛いかよっ!ジル叔父様の照れた顔が見てみたいっ!)

「ふふっ、ジル叔父様も行っちゃったし暇になっちゃったね」

ヘティ「そうですわね、確認はまだ少しかかりそうですし…」

イネオス「あ、そうだ、この前できなかったギルド内の見学をしませんか?」

ベイサン「いいね、楽しそう♪」

ソル「でも、あまり離れた所には行けないですよ?」

「そうだね、いつ呼ばれるか分からないからね、…でも、この中央受付が見える範囲内なら良いじゃないかな?」

ソル「うーん、それなら良いかも知れませんね、じゃあ見通しが良い食堂の方に行ってみますか?」

イネオス&ベイサン「「うん、行こう♪」」

ヘティ「はい、行ってみましょう」

「ふふっ、じゃあ行こうか、アンテレさん少しコチラを見学して来ますね」

アンテレさん「はい、確認が終わりましたらお呼びいたしますね」

 アンテレさんに一声かけてギルド入り口から見て左側にあるギルドに併設された食堂に向かった。

(へぇー前も思ったけどなんかショッピングモールにあるフードコーナーみたい)

 左奥にある調理場は中が見えるようになっていて料理人が忙しなく動き回っているのが分かる、その手前にはカウンターがあり、そこで料理を注文して木の札を貰っているみたいだ。

(お客さんは少ないけど忙しそうだ、夕食どきの仕込みかな?)

 周りをよく見るとウェートレスの若いお姉さん達が食事を運んでいた、(ふーん、完全セルフじゃないんだ)注文した料理は自分で取りに行くのではなく持ってきて貰うスタイルらしい、食事スペースはとても広く注文時に渡した札を目印にお姉さん達が料理を配っていた。

ベイサン「わぁ、良い匂い、美味しそう」

ヘティ「もう、ベイサンったら、後で食べれるでしょう?我慢して」

「ふふっ、そうだね後のお楽しみだね」

イネオス「あれ?あちらは何があるんでしょう?」

 イネオスが調理場の手前にある通路の先に大きめの扉があるのを発見。

ソル「あぁ、あちらは確か訓練場って冊子に書いてありましたよ」

「訓練場…、少し覗いてみる?」

イネオス「はい、見てみたいです♪」

 他の皆んなも賛成してくれたので調理場の横を通り奥の扉を開いた、ぱっと見 かなり広い空間に出たが出てすぐの両脇には観客席のような場所があり訓練場をぐるっと囲んでいた中央は剥き出しの土床でかたく押し固めてあるグラウンドのようだった。(前世のテレビで見た闘牛の会場をみたいだ)

 僕達はマジマジと訓練場を見ていると奥に数人の冒険者が戦闘訓練を行なっているのが見える。

(おぉ、パーティーで連携の練習かな?)

 訓練の様子を眺めていると後ろからアンテレさんが呼ぶ声が聞こえたので急いで中央受付に戻った。

(残念、もっと見てみたかった)

アンテレさん「お待たせ致しました、常設のエイカイ草の採取依頼と赤色のエムカイ草の採取依頼の納品数の確認及び品質査定が終了しました、同時にスライムの捕獲依頼の確認も終わりましたので最後はアーミーアントの確認をさせて頂きたいので解体場にご案内致します」

「どうぞ此方へ」と、誘導されて向かった場所はギルド入り口から見て右側奥、依頼受理の手続き受付があるカウンターの並びの1番奥にある買取カウンターのそれまた奥にカウンターが一部途切れている場所から受付業務をしているカウンター内部に入る事ができる場所がある。そこから真っ直ぐ歩き1番右奥にある大きな扉をアンテレさんは開き僕達を招き入れた。

アンテレさん「此方が、当ギルドの解体場となります、此方には本来 冒険者でも解体できない大きな生物を持ち込むため、出入りする場所はあそこに見えます、外部扉から搬入されるのですがたまにマジックバックなどを所有なさっていらっしゃる方が今通った場所を通り此方の解体師に解体を頼めます、今後も皆様が使用なさる時があると思いますので覚えておかれて下さい」

「はい、・・・・それにしても広いですね」

 広さは訓練場の半分ほどの広さで大きな作業台が数台設置してあり現在も猪や熊などの解体をおこなっているのが見える。

ヘティ「うっ・・・」

イネオス「っ、血の匂いが凄いですね」

ベイサン「っ、こんなの初めて見た」

ソル「凄く早いですね、あんなに的確に皮を剥ぎ部位に分けて切り分けるなんて、僕にはできません」

 ヘティは解体されている熊を見て気持ちが悪くなったようだがイネオスとベイサンは初めての体験に驚いていた、ソルに至っては解体師の職人技に感心していた。

「そうだね、とても手際が良い、それにちゃんと血抜きも出来ているみたいだし良い品質で買い取られるだろうね」

?「ほう、なかなかの目利きじゃねぇか、嬢ちゃん」

アンテレさん「解体師長、この方は男の子ですよ」

解体師長「うお、マジかっ!」

アンテレさん「それにこの方がギルマスが仰ってたデューキス公爵家のお子さんです、言葉に気をつけて下さい」

解体師長「おっ、おぅ、あの噂の…」

アンテレさん「すみません、デューキス様、うちのギルド員が…」

「いいえ、気にしてませんよ、良く間違われるので慣れてます、初めまして、僕の名前はアメトリン・ノブル・デューキスと申します、解体師長これから度々お世話になると思いますので以後お見知り置き下さい」

解体師長「お、おう、じゃなく、へ、へい、俺はここの責任者を任されてる、フライシュと言います、解体の事なら任せてくだせぇい」

(あ、噛んだ)

 急に話かけて来たのはこのギルドの解体師達を纏める人だった、体格は凄く大きく筋骨隆々で初めて見た印象は“熊“だった、まぁそれもそのはず彼は熊の獣人だったからだ、“半人化“しているので顔や身体の殆どは人のまま耳や尻尾が熊の特徴を出していた。熊の獣人だからか腕も凄く太く筋肉質だったこの筋肉を活かして解体に精を出しているのだろう。

(“半人化“してるのに体格と耳を見ただけですぐに“熊“って分かるぐらい雰囲気も“熊“だったよ、髪色も焦げ茶たしね…、あの丸い耳を触りたい、でもほぼ人間の耳を触ってダメだろうっ!くぅ!我慢っ!)

ジュール『私を触れば良いよっ!』

(うん、後でモフらせてっ!)

 ケモ耳を触りたい衝動にかられていたが ジュールから『うん良いよ~』と返事が来て、後で存分にモフる事が決定し、衝動を抑え込んだ。

「その時はお願いしますね、ふふっ、フライシュ解体師長」

フライシュ解体師長「は、はい・・・」

 顔を真っ赤にして返事を返したフライシュ解体師長にソル達も挨拶を交わし、ひと段落したタイミングで…

アンテレさん「では、挨拶も済みましたし、そろそろ本題に入りましょう、デューキス様、こちらの作業台にアーミーアントの死骸を出していただけますか?」

「はい」

シュンッ ドサッ

フライシュ解体師長「おぉ…、やはり“収納スキル“もちでしたか、しかし、綺麗に頭を落としてありますね、デューキスの坊ちゃんが討伐されたので?」

「ええ、そうです、良く分かりましたね?」

フライシュ解体師長「長年、色んな獲物を持ち込む冒険者達を見てると何となく分かる様になっただけで、ぶっちゃけ勘です」

(勘か~、なんかスキルにありそう“直感“的な感じのやつ…)

「そうなんですね、僕はいつも弱く見られがちですので、正直ちょっと嬉しいです、ふふっ」

フライシュ解体師長「いやいや、十分強者の雰囲気が出てるんで、ランクが上の奴らなら一発で気づきそうです」

「そうかな?お世辞でも嬉しいよ、それで、ちょっと聞きたい事があって、このアーミーアントの討伐部位はどこなのかな?分からなかったから そのまま全部持って来ちゃったんだけど…」

フライシュ解体師長「あぁ、心配入りませんよ、元々アーミーアントは体から全体から素材が取れるので倒した冒険者の大体が体ごと持って帰ってくるので、討伐部位の指定は有っても意味は無い感じなんで、一応指定されている討伐部位はこの強靭な顎ですね」

「顎、・・・それに素材?」

フライシュ解体師長「はい、アーミーアントの体表は駆け出しの冒険者達の安くて軽い良い防具になったりこの強靭な顎はナイフなどに加工できる、意外と重宝されてるんです」

「へぇ~知らなかったよ、勉強になるね、ね、皆んな?」

ソル「はい、魔物が色々な素材になるのは知ってはいたんですが、どの部位がどのように役に立つかは知りませんでした」

 ソルがそう言うとイネオス達も頷いて感心していた。

アンテレさん「はい、これで確認は終了しました、デューキス様、こちらのアーミーアントの素材はギルドの買い取りよろしかったですか?」

「僕はそれで良いです、ソルはどう?」

ソル「はい、僕もそれで構いません」

 アンテレさんがアーミーアントの確認を終え買取の希望を聞いて来たのでソルに確認すると、ソルは売る事に賛成してくれたのでそのまま買い取ってもらう事にした。

アンテレさん「はい、ではこのままアーミーアントの解体はこちらにお任せしますね、解体師長、見積もりお願いします。」

フライシュ解体師長「おうっ、任せとけ、これは傷もなく状態が良いから“最優良買取“でいいぞっ」

アンテレさん「分かりました、では、皆様、中央受付に戻って依頼料の計算と受け渡しをいたしましょう」

「「「「「はい」」」」」

 フライシュ解体師長に挨拶をして解体場を離れ中央受付に戻るとアンテレさんはすぐに今回の依頼の総合計を計算し始めた。

アンテレさん「はい、お待たせ致しました、今回の依頼報酬はそれぞれのパーティーごとに纏めて計算してこちらの用紙に詳細を記入しています、ご確認下さい、不明な点があればお答えします」

 と、僕とイネオスに明細書みたいな物を渡してくれた。

(ふむふむ、これは、分かりやすくて良いね、まず~、常設依頼の薬草採取は1人当たり一回で1000リトス、アーミーアントの討伐依頼が2000リトス、で赤色の薬草採取が2500リトスか、で、最後にアーミーアントの素材買取がマルまま1匹で5000リトス、合計11500リトスか、ほー、アーミーアントの依頼だけで合計7000リトスか中々うまいね)

天華『多分、先ほど言っていた“最優良買取“の影響ではないですか?』

(確かに、これで最高価格の買取なら無駄な傷とか入ってたりするとどんどん値下がりするだるんだろうね、まぁ今回は運が良かったって事だろうし)

天華『そうですね、まぁたった1日の冒険者活動でこれだけ儲ければ良い方なのでは?』

(そうだね、2人で割っても5750リトス、子供の1日のお小遣いにしたら多いからね)

「ソル、報酬の事だけど、どうする?2人で割って1人5750リトスをそれぞれ貰う?それか僕らのパーティーの資金として貯める?」

ソル「そうですね、僕は個人的には報酬は入りませんのでギルドの方でのパーティーの共有口座がある事ですし、そこに入れましょう」

「そう、分かった、溜まったら何かに使おうね」

ソル「はい♪」

「じゃあ、アンテレさん、依頼報酬はパーティーの共有口座に振り込んでおいて下さい」

アンテレさん「畏まりました」

 イネオス達も同じようにパーティーの活動資金にしたようでこれからもっと貯めると気合を入れていた。

アンテレさん「はい、では皆さんこれで全ての手続きが終わりました、初の依頼達成おめでとう御座います!お疲れ様でした!」

「「「「「有り難う御座います!」」」」」

わぁーい パチンッ

(うふふっ、これで将来の冒険者ライフの第一歩を踏み出したぜっ!)















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