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第3章 少年期 学園編
18話 あわや大惨事2 メイド:オルガノ視点
しおりを挟むメイド:オルガノ視点
アトリー様「オーリー頼むね、・・・有り難う」
「はい、お任せ下さい」
少しほっとした表情で私の提案を受け入れて下さったアトリー様、やはりここ2日の出来事でかなりの精神的疲労が溜まっておいでの様です、
そんなアトリー様に少しでもお心健やかに過ごして頂くため私達専属使用人は日々努力を惜しみません、そう決心してカインさんと視線を交わし頷き合いました。
カインさんとの視線で意思疎通を交わし旦那様への報告とアトリー様の提案の報告を分担をすることにしました、私達が意思疎通を交わしている間にアトリー様は視線をテンカ様方に移し黙って撫でいらっしゃいました、今は聖獣様方と会話をなされているのでしょう、それを確かめるのにアトリー様を隣で見ているソル様に視線を移すとソル様が私の視線に気づきこちらを見ると軽く頷かれたので間違いない様です、
この状態のアトリー様を見極める事ができるのは小さい時から一緒におられたソル様とご家族ぐらいなのでこの様に度々ソル様に確認を取ることにしています、私も最近は少し判断がつく様になって来ましたがアトリー様の行動や表情から聖獣様方と会話なさっているのか、考え込まれているのか判断するにはアトリー様の常に穏やかに微笑まれている表情の細かな違いを読み取るのは非常に難しいのです、今回のように視線が聖獣様方に向かっているのであれば大体分かるのですがこの場合でもただ聖獣様方を撫でていらっしゃるだけの場合もあるので・・・
そう考えている間に馬車は冒険者ギルドの前に到着した様です。
(あ、笑っていらっしゃる、何か聖獣様方と楽しい会話があったのでしょうか)
お疲れ気味だったアトリー様を心配していた馬車内の使用人一同とソル様はアトリー様の笑顔にほっとしつつ嬉しさにこちらまで笑顔になりました、
公爵家の馬車が停まった事で周りが騒がしくなっていましたが馬車の外から護衛騎士の1人が扉を叩いて来たので扉側に座っていらしたカインさんが窓から外の様子を確認し扉を開け先に降りて私達メイドに手を貸し下ろした後 馭者をしていたダンと合流し馬車の両入り口に別れて並びました。
*(馭者は他にもう1人交代要員でいますがアトリー様方を送り迎えする時の大半はダンが馭者を務めています)
そしていつものようにダンが扉に近寄り手を差し出すとその手を借り降りてこられたソル様はアトリー様がご機嫌になった事でご自身もよぼど嬉しかったのかニコニコ笑顔で両側に並んだ私達の真ん中で止まり馬車の入り口を振り返られて聖獣様方とアトリー様が降りて来られるのを見ていらっしゃいました、
次にジュール様とヤヅキ様が降りられた瞬間に周りのざわめきが増しました、そのざわめきが馬車にも届いたのかアトリー様が馬車を降りるのを躊躇しておられましたがそれも一瞬の事のようで入り口で待機しているカインさんが差し出した手にそっと手を置きゆっくり優雅に降りて来られると いつも通り周りが凍りついたのでその隙を逃さずに既に下車されていたイネオス様方と合流して護衛騎士が周りを囲うようにしてギルドの入り口に急ぎました。
アトリー様「わぁ、凄い!想像ではもっと無骨な感じだと思った、でも全然そんな感じしないね!」
冒険者ギルドの入り口手前で外見を見ながら楽しそうに会話をなさり、外観を十分堪能したアトリー様が中に入ると中でも周りを興味深そうに楽しく観察なさっている姿はいつもの大人びた表情のアトリー様ではなく年相応の少年の様で私達デューキス家の使用人達と護衛騎士は微笑ましく見守っていました、
ですが…
?「おい、君達、それだけお供を連れてるって事は貴族の子供だろ?なんでこんな所にいるんだ?しかも使役獣まで連れて」
先程までギルド内で飲食をしていたと見られる軽装備にロングソードを装備した冒険者の男性が不意に話しかけて来たのです。
(この方、中々の強さですね…ランクは上位の方でしょうか…、しかし聖獣様方をただの使役獣と見間違うなんて、それに貴族の子息と分かっていながら言葉使いがなってませんね)
「こちらの方々に何か御用でしょうか?」
私はすぐに皆様の前に出て無礼な男性に対応すると同時に一緒に入って来た護衛騎士4人もすぐに警戒態勢に入った、それぞれの専属使用人も自分の主人の側へ移動し周辺警戒をしている。
軽装の冒険者「え、あ、いや、そう警戒するな、貴族の子供が使役獣を連れてまでここに依頼を出しに来た訳でも無いだろうから気になって話しかけただけだよ、もし見学に来たのなら早めに出た方がいい、ここ最近は治安がいいとは言えないからな」
と、なんとも拍子抜けな返事が返ってきたのです。
(あら、なんとコレは本当に親切心で声をかけて来たのでしょうか?)
周りにいた他の使用人達も今の返答に困惑の表情を見せていますと軽装の冒険者の後ろから図体の大きい酒に酔った男が声をかけて来ました。
??「おいおい、いいじゃねえかっ、少しぐらい見学してもよっ、ひっくっ、うぃー、それよりよっ、メイドの姉ちゃん、っく、綺麗な顔してんなぁっく、良かったらっ、お酌してくんねぇか、ひっくっと、ガキどもは好きなだけ見学させておけば良いじゃねぇかっ、うくっ、なぁ?」
(これは私の事でしょうか?それにしてもお酒臭い、相当 酔っているみたいですね…、はぁ、面倒臭いですね)
「お断りします、私の役目は主人のお世話と護衛ですので、アトリー様どうぞお気になさらずに御用を済ませましょう」
キッパリ断り相手の返答を待たずにアトリー様に先を促しました。
酔っ払い冒険者「あぁん?護衛だと?ひっくっ、どのガキだぁ?・・・、おぉぉ?なんだ、可愛いガキじゃねぇか、お前さんもこっちで一緒にお酌してくれてもいいんだぜぇ?いっく、こっち来いよっ!」
へティ「え?、きゃっ!」
酔っ払いの冒険者は私の斜め後ろにいらしたへティ様に目をつけ手を伸ばそうとして来たのです。
軽装の冒険者「お、おい、やめろ!」
「っ‼︎、へティ!」
すると先に話しかけていきた冒険者が酔っ払いを止めようと肩に手を置いて静止しますがそれと同時にアトリー様がへティ様を庇うように前に出てこられ私も咄嗟に男を止めるために男の腕を掴みました。
「「「「「‼︎」」」」」
「アトリー様!」
私が手を掴んで止めたことで軽装の冒険者が隙を突き酔っ払いの冒険者を後ろから腕を回し羽交締めにしてやっと完全に動きを止める事ができました。
(なんて、馬鹿力なんでしょう、それにしてもこちらの冒険者はいい動きをしてますね、やはりランクはBぐらいでしょうか)
酔っ払い冒険者「おぉう?手を離せよっ!いてぇーな!心配しなくてもちゃんと相手してやるって、うっく、それにしてもお前は男か?でも美人だなっく、うぃ~、よし!お前も来い!ちょうど暇してたんだ!一緒に飲め!ひっく」
酔っ払いの冒険者はへティ様だけではなくアトリー様をも見てさらに前に進もうとして来たので護衛騎士達が剣に手をかけいつでも男を斬れる位置まで近づいて来ました。
(この男、アトリー様にまで絡んでくるとは・・・、死にたいのでしょうか?)
軽装の冒険者「おい!そろそろ やめとけ!お前、分かってんのか?相手は貴族だぞ⁉︎切り捨てられても知らねえぞ!」
軽装の冒険者が止めているにも関わらず酔っ払いの男はいまだにアトリー様達から目を離さないので私は“身体強化スキル“を使い 掴んでいる男の手首に力を込め始めました。
グッーグッ、ここで軽く捻り ギリッ、さらに力を込めると ポキッ、っと軽めの音がして男の手首の小さい骨が折れた音と感触がしました。
酔っ払い冒険者「ぐっ!いでぇーっ!!」
男は骨が折れたことでやっとアトリー様方から目を逸らし自分の折れた手首にの痛みに意識がいき 痛みに喚き散らし出しました。
(骨が一本折れたぐらいで騒がしいですね)
騒ぎ出した男から軽くアトリー様方を後ろに遠ざけていると。
酔っ払い冒険者「いでぇーよぉー!腕が!腕が!折れた!俺の腕がぁー!」
軽装の冒険者「お、おい、暴れるな!」
???「おい!何やってんだ!お前!他国に来てまで見っともない事するな!」
ガシッ バキッ! ヒューン ドサッ
突然、周りの見物人をかき分けながら酔っ払い冒険者に近寄り怒鳴ると、胸ぐらを掴んで殴り飛ばしました。
???「申し訳ない!うちのパーティーの馬鹿がご迷惑をお掛けしました!」
ガバッ!
物凄い勢いで頭を下げたのは真っ赤な髪の魔族と思われる冒険者の女性でした。
「貴方があの冒険者のパーティーリーダーですか?」
女性冒険者「いえっ、私では無いですが、パーティーの一員として謝ります!あいつは普段は気のいい奴で酒を飲むと美人に絡む癖があるだけなんです!いつもは私か仲間が一緒にいて止めるんです、今日は私と2人で飲んでたら私がお手洗いに行っている間にあなた方に絡んでしまったみたいなんです!なので目を離した自分が悪いので!あのっ、すみませんでしたっ!」
もう一度 謝罪する女性。
(・・・、このお2人はやはり、と、言うことは・・・)
「あなた方は他国からいらした冒険者ですね?」
女性冒険者「は、はい!“ノルテ魔王国“から護衛依頼できました!」
「そうですか、では、お聞きしますが、あなた方の国では貴族の子息に手を出して謝るだけで許して貰えると思いますか?」
ニッコリッ
女性冒険者「い、いえ、こ、公開鞭打ち100回の刑です・・・」
私の質問に怯えながら答える女性に、
カイン「おや?ノルテ魔王国の処罰は随分と優しいですね?こちらでは“最悪“の場合“斬首刑“です」
カインさんがそう告げると。
女性冒険者「ざ、斬首刑・・・」
女性は血の気が引いた表情で殴り飛ばした酔っ払い冒険者を見た、殴り飛ばされた影響で床に転がったまま気絶している男の運命は今まさに風前の灯、とは、なりませんでした。
アトリー様「もうっ、2人共、意地悪はそのへんまでにしたら?斬首刑なんてよっぽど悪いことしなきゃならないでしょう?この程度でいちいち斬首刑にしていたらお酒好きが皆んないなくなってしまうよ・・・、そ・れ・よ・り、ねぇ お姉さんは魔族の人でしょう?」
(まぁ確かに普通この程度でしたら斬首になる事はないですけど、貴族によってはその場で切り捨てられることもりますから忠告までに大袈裟にしてみましたがアトリー様にはすぐにバレてしまいましたね)
女性冒険者「え、あ、はい、そうですが・・・」
魔族と聞いて周りの冒険者数人が顔を顰めたのは気にせず女性に。
アトリー様「やっぱり!凄いね!大きな男の人を腕だけであんなに飛ばすなんて!力が凄く強いんだね!やっぱりその筋肉のおかげなの⁉︎僕はいくら訓練してもそんなに筋肉つかないんだよね…、腹筋うらやましい・・・」
と、次から次へとお話しなり最後にはご自分のお腹をさすりながら少し悔しそうにしてらっしゃいました。
(いつも、頑張って鍛錬をなさってますが体質なのか中々筋肉がつかないと嘆いてらっしゃるから筋肉のつくコツをお聞きしたいんでしょうね)
アトリー様の質問に女性は戸惑いながらも優しく答えており、害意が無いと判断した私達大人はアトリー様の気のすむまで会話を見守っていますと・・・
ソル様「アトリー様、アトリー様っ」
アトリー様「うん?何?ソル」
ソル様「どうなさるんです?」
アトリー様「何を?」
ソル様「あの冒険者の処分です」
アトリー様「あ、・・・そうだね、うーん、うん!お姉さんが殴ったからもういいんじゃない?あ、でもヘティに怖い思いさせたからなぁ」
ソル様に酔っ払いの冒険者の処分を求められて悩み始めたアトリー様、それを不安そうに見つめる女性、たまにチラチラ私とカインさんを見てきますが私達はアトリー様の決定に従うだけなのでアトリー様から目を逸らしません。
アトリー様「うーん、あ、そうだそしたら、この国にいる間は禁酒して貰うとかはどうかな?」
どうやら、今回は禁酒を罰になさるそうです。
女性冒険者「き、禁酒?ですか?」
アトリー様「うん、そう、他の人がお酒飲んでる時に自分だけ飲めないの、お酒好きならかなり堪えるんじゃないかな?」
軽装の冒険者「そりゃ辛いかもしれないが隠れて飲んでたら分からないんじゃないか?」
アトリー様「うん、そこはね、ジュール、お願い」
意味が分からないと言った表情の冒険者2人を置いてきぼりにし、横にいらっしゃったジュール様にお願いをなさり。
ジュール様「わふっ・・・・ワァオーーン!」
ジュール様が遠吠えなされると殴り飛ばされて床に倒れている酔っ払い冒険者が淡く光り、光りが収まると何事も無かった様に酔っ払い冒険者から安らかな寝息が聞こて来ました。
アトリー様「ふふっ分かった、有り難うジュール」
と、お礼を言いながらワシワシとジュール様を嬉しそうに撫で回しておいででした。
女性冒険者「あ、あのっ、な、何が・・・」
アトリー様「ふふっ、今ので彼は二、三週間お酒が飲めなくなってしまいました、飲もうとしてもお酒がお水になってしまうんだって」
「「「「「えぇぇー!!」」」」」
アトリー様のお言葉で周りで野次馬と化していた冒険者達から驚愕の声が上がりました。
カインさん「これはまた、変則的な神罰が降りましたね」ボソッ
「えぇ、そうですね、でも領地での揉め事でも似たようなことをなさっていましたね」ボソッ
そう、アトリー様はこの3年間で神々からの神罰をこの様にその場で考えた罰に変更して頂くすべを身につけられて、以前アトリー様が領都内を散策中に市場で詐欺を働いていた魔道具を扱う商人に2度と嘘が付けないと言う神罰を神々に願われて、それを神が受諾されて実行されたのです、それ以来アトリー様ご自身が罰を受ける人によって最も堪えるだろうと思われる罰を神々に進言する事が度々見受けられる様になったのです。
アトリー様「ふふっこれで自分だけお酒が飲めない状況になったから処罰は無し!これが僕からの罰でいいでしょ?オーリー、カイン?」
私&カイン「「はい、アトリー様」」
私達はアトリー様が下した罰には嫌はありません、それにアトリー様は基本的にお優しいですがこの様な時の罰はその人にとって1番辛い罰を生かしたまま実行させるのですから…、それに重罪人には特に容赦が無いですからね。
アトリー様「よし!、へティもこれでいい?それか君から別に罰を与える?」
へティ様「いいえ、私もそれでいいです、お気遣い有り難う御座いますアトリー様、あの冒険者の方を避けようとしたら避けれたのにちゃんと出来なくて悔しいですわっ」
へティ様は悔しいと仰っておいでですが咄嗟に今 習っていらっしゃるの体術の構えをちゃんとなさっておいででした、今回の状況では後もう一押しで技をかける事がお出来になられるでしょう、このようにヘティ様やイネオス様方も着実に力を付けていらっしゃるので今後の成長が楽しみでございますね、私達も抜かされない様に精進せねばと思っていると。
「「「「ザワッ、」」」」
「え!今、“冒険者“になるって言わなかったか⁉︎」
「お、おい、マジか⁉︎」
「い、いや、なるって言ったって、登録するだけじゃねぇか?」
「えー、あんな可愛い坊やもなるの⁉︎それはそれでいいかも!可愛いし♪」
「でも、あれだろ、“例の加護持ち“で聖獣連れてる公爵家の三男ってのは、あの真ん中の坊主?の事だろ?それがなんで冒険者なんかになるんだ?意味分かんねぇよ」
「えぇ!、あの噂の貴族の子供があの子なの⁉︎」
どうやら、アトリー様方の会話の中で「冒険者になる」と言っていた事で、周りで野次馬をしていた冒険者達がアトリー様方が冒険者登録に来た事に驚き騒ぎ出した様です。
軽装の冒険者「な、なぁ、君達、本当に冒険者になりに来たのか?それになんか有名そうだし、その、使役獣が聖獣だって聞こえたんだが・・・・・」
アトリー様「?、そうだけど?確かにこの子達は神様から授かった聖獣達だよでも僕達は家族だから使役はしてないよ?それに僕が冒険者になっちゃダメなのかな?」
「「「「「「「えぇーーー!本当だった!!」」」」」」」
今日1番のギルド内に驚愕の声が響き渡った瞬間でしたがこの騒ぎにこの冒険者ギルドのギルドマスターが出て来た様です。
(前情報通り、ダークエルフのギルドマスターですね、確かこの国での爵位もお持ちだったはずです)
ギルドマスター自ら事業聴取を行いこの場を収める様です、さすがこの国の爵位を持つだけあってアトリー様への対応も素晴らしく、この場の采配も素早く行う姿もギルドマスターとして優秀だとの情報通りで安心しました、これなら旦那様から預かっている伝言も正しく伝わるでしょう。
応接室に案内されて今回の騒ぎの謝罪とギルドとしての処罰が順調に決まりアトリー様も納得しておられたので良かったです。
(まぁ、少しアトリー様方の会話が10歳の子供らしくは無かったので初対面の方々の顔が困惑気味ではありましたが概ね問題ないでしょう、それに神罰の基準の事はアトリー様だけではなく神々の采配によるところが多いのは周知の事実ですのでこの事が広まれば安易にアトリー様にちょっかいかけてくるものが減って良いでしょうし)
話が終わり本来の目的である冒険者登録に向かう際、私はカインさんに目配せをし旦那様からの伝言をギルドマスターに伝えるようにお願いしました。
アトリー様はカインさんが遅れている事に気づき伝言の内容を気にかけておいででいたがカインさんが誤魔化したのに気づきましたがあえて それ以上お聞きにならなかったので私達はほっと胸を撫で下ろしました。
(ふぅ、相変わらず鋭くてらっしゃいます、そしてあえて深くお聞きにならないお気遣いも感服いたします)
伝言の内容が・・・
「我が息子が冒険者登録するにあたって そちらにお邪魔していると思いますが規格外な子で とても賢く優しい性格の子ですのでよろしくお願いします、王都の学園に通っている間はそちらのギルドにお世話になると思うので、できれば専属の受付の方をつけて頂けませんでしょうかご検討お願いします、
あぁ、後 うちの子は魔法や武術・その他 様々な方面の才が秀でているので怪我などの心配はあまりしていません、ですがあの子の周りに対しての悪質な嫌がらせ等の対応はできるだけ早急に対処した方がギルドに被害が出ませんのでご忠告しておきます。」
と、言った前半は凄く過保護な内容なのでアトリー様が聞けば恥ずかしがる事間違い無いでしょう、そして後半に至ってはほぼ脅しでしたね、
ですが、この後半の伝言に関しては純粋な相手をおもんばかった旦那様のご忠告なのです、アトリー様はご自分が嫌がらせを受けてもその場で冷静に対応なさるのですがソル様やイネオス様方に対して行われた嫌がらせ等の場合は “とっても”お怒りになられるので軽く魔力威圧をしただけでも相手が大変なことになる事が予想されますのでイネオス様方への嫌がらせなどの目撃した場合 相手を見つけ出して早急に対応した方がいいでしょう。
そう考えていましたら 冒険者登録の流れなどの説明が終わった様です、早速皆様が登録用紙に記入し始めるとアトリー様方はご自分の得意なものから3つ記入するだけにとどまった様です。
「けっ、あのガキども一丁前のこと言ってるぜ」
「貴族の子供だかなんだか知らねえけどよ そんなにいいスキル持ってんのかねぇ?」
「あんな細い子のどこに力があるか分かんないけどぉ、可愛いからいいじゃなぁい?」
(アトリー様方の会話を聞いていた冒険者はアトリー様方の実力を疑っておられるみたいですが相手の実力を正しく測れない方はまだまだ三流ですね)
アトリー様方は周りの反応に気づかずにカードの作成に進んでいました、1番最初にアトリー様が魔道具に手を置きカードの作成が終了した様です。
ギルド職員「はい、記入内容に不備はありませんでした、ではこちらがデューキス様のギルドカードになります、どうぞ」
アトリー様「はいっ、有り難う御座いますっ♪」
できたカードをギルド職員がカードに記入された内容に不備がないか確認し終わるとそのままアトリー様に手渡されました、カードを受け取り職員に礼を述べたアトリー様は受け取ったカードを嬉しそうに角度を変えながら観察されています。
(声が弾んでとてもお喜びの様ですね、!、これは大変です!)
私達専属使用人は喜んでいるアトリー様から軽く漏れ出る魔力を感じアトリー様に声を掛けようとした所、
ソル様「アトリー様、落ち着いて下さい、ほら、貴方が退かないと皆んなのカードが作れませんよ、少し横にずれて下さい」
と、ソル様が声をかけたことでアトリー様は喜びの感情からくる魔力の放出をすぐに止められました。
アトリー様「あ、ごめんごめん、すぐに退くよ」
アトリー様はその場をソル様に譲り私の横に来て先程のようにカードを嬉しそうに眺めはじました。
(先程はよっぽどギルドカードを手にできた事が嬉しかったのでしょう、無意識に魔力が少しづつ表に出て来ていましたからね、
あの時ソル様がアトリー様の気をそらさないと嬉しい感情で溢れ出した魔力に触れた方々がアトリー様の嬉しさの感情に同調してお祭り騒ぎになる所でした、それにしてもソル様はアトリー様の気を逸らす手際はいつもながら鮮やかですね、
やはりアトリー様がこの様に意識を逸らされるのをお許しになっているのはご家族とソル様だけですね、早朝の御支度のお手伝いもソル様だけにお許しになられるのは私達がまだアトリー様からまだ気を許して頂けてない証拠なのかもしれません)
*アトリーの魔力放出はジュール達でも制御できるが負の感情以外での制御はアトリーとソル2人の訓練を兼ねているので説極的に行っていない、そして早朝の支度の2人の逃亡は気を許してない訳ではなく2人が専属4人を相手にどれだけ見つからない様にできるかと勝手に訓練にしているだけだった、それと朝方の訓練中ぐらいソルに様付けで呼ばれたくないから誰にも会いたくないと言うのが早朝の逃亡の大体の理由だったりする
(私達はまだまだ、未熟者ですからアトリー様に認めて頂ける様により精進しませんと!)
と、オーリーは勘違いしたまま新たな決意をした・・・
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