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第2章 少年期

11話 リトス教の神殿で“洗礼と祝福“

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 *リトス教の言う“洗礼と祝福“とは

 いわく、この世界に生まれてきた子供は全て神の子である7歳になる年の7月の28日まで大切に育てねばならない、
そしてその日の“洗礼と祝福“で貴族は“洗礼“で貴族である証の“洗礼名“を授かる。
 男児ならば<ノブル>、女児ならば<ノービレ>の名を名前と家名の間に入れる 、*王族の場合は別になる
次に“祝福の儀“で神に祝福してもらいスキルを授かる、
それでやっと子供は育てた両親の子として認められ この世界で生きるためのスキルを活用するように、と言う事らしい。

 そう言えば前世での日本でも似た様な風習?伝統?習わし?があったな、
確か生まれた子供は7歳まで神様の子で神様の子供を預かっている?的な由来は様々あったけど、
7歳までに亡くなる子供が多くて それは7歳までは汚れが無い時期でその間は『あの世(黄泉)』の所属し神に近い存在として扱い 神に近いとゆうのは死に近いとゆう事を意味しているからだとか 、
後は七五三は 3歳、5歳、7歳の節目の年に晴れ着を着せて 神様に成長を感謝して 健やかに育つ様にと祈願したと言われていたね。

「で、そこの所はどうなの、神様達?」

ティーナちゃん『うーんとね、うちの所では 生まれて自我が芽生えて自分で興味を持ってやった事や 努力してしてきた事がスキルとして 定着するかを見極める期間が7年で、あとは属性魔法の魔法適性を見るためって言うのが理由かな あ、それと洗礼は人が勝手にやっている事だから私は関係ないのよ』

「おぅ、神様のご都合だった、かなりメタな理由だったな」

ティーナちゃん『もう!自分で聞いてきたくせに~酷いよ咲子ちゃん!』

「あははっもう咲子じゃないよ~」

ティーナちゃん『あ、そうだった!今はアメトリンちゃん・・・、じゃなくてアメトリン君だった!』

「そうだよ~アメトリン君ですよ~・・・・・って!、なんで“君“になったのさ~、ティーナちゃ~ん!」

 今は見覚えのある空間で久しぶりに神様達にあってお話をしている 。

 何故こんな事になっているかと言うと遡る事 数時間前・・・・・・・・・・・


+ーーーーー+ーーーーー+ーーーーー+

 “洗礼と祝福“当日の朝・・・

 どうも~私です、最近お友達が3人も増えて浮かれ気味な私です。

 今、何をしているかと言いますと髪型で悩んでます!

 私以外の皆んなが!WW(ソルも含む)そう、専属4人とソルが私の髪型をどうするのかで頭を悩ませています。

オーリー「では!、これで行きましょう!」

(お、決まったかな?)

ソル「それしか無いですね」

カイン「その方が今回のお召し物に合うでしょう」

アミ「はい!大変お似合いです!なんか昨日より恐れ多い感じがします・・・」

ダン「あぁ、神々しい感じがするな・・・」

(何のこっちゃ?)

オーリー「アトリー様、目をお開けになられて大丈夫ですよ」

 出来上がるまで閉じるように言われていた目を開ける。

スゥ

「!、⁉︎、?・・・・・僕?」

(い、いや~相変わらず性別不明なうえに人間かも怪しくなるってヤバくない?)

 それもそうだ今日の服は白を基調とした装いで昨日着た 貴族!って感じじゃ無いくて どちらかと言うと聖職者の神官服に近い。

 袖が根本から広がりその広がりを袖口でまとめた白のドレスシャツに丈の長いベストには昨日の服より控えめな金糸と銀糸で縫い込まれた刺繍、
襟元はシンプルに幅の広いサテンのような生地の白いリボンを蝶々結びをして垂らすようにつけている。
 ズボンは白のちょっと余裕のあるスラックスに靴は白の革靴、上着はコートでは無くて スネの中間ぐらいまである長い白いケープにベストに似た刺繍を金糸と銀糸で やや金糸多めに縫い込んであって、前は開いているのでベストの刺繍もさりげなく見えてチラリズムがいい仕事をしている。
 肩の少し下あたりからスリットが入っており腕周りは邪魔にならないようになっている、ケープの襟元は立襟でこれにはシンプルに金糸で刺繍が入っている
ケープの上から白色のストラ?って言う 金糸で刺繍の入った帯みたいな物を首から肩にかけているのでより聖職者っぽさを醸し出している。

この服装に、
髪型はただのハーフアップかと思いきや片編み込みしつつ徐々に下にさがっていってる形で最後は白い細いリボンで止めている。

(こんな感じにまた軽いお化粧までされてたら それはそれは神々しい性別不明の人ができる訳だよね!)

 自分の事なんだが現実逃避しつつ皆んなにお礼を言う。

「わ~、すごい一瞬 自分って分からなかったよ、皆んな有り難う すごくいい出来だよ!」

オーリー達「「「「「やり切りました!」」」」」

 満面の笑みで言い切った…

(おぉ、皆んなのやり切った いい笑顔プライスレス‼︎)

「じゃあ、父様達の所に行きますか!」

 ソルもこんな感じの服装で刺繍が少なめの銀糸で縫い込まれているよ 、
私が金糸多めなのは爵位の関係と 髪色が白銀だから銀糸だけだと刺繍が映えないからだってさ、
大変だよね服装って・・・・

(そして今 屋敷内をサロンに向けて移動中だけど 屋敷の使用人の皆んなが私を見るなり手を組んで拝み始めるんだけど そこまで神々しいか?)

「ね、ねぇ、皆んなが拝み始めるんだけど何でかな?」

カイン「仕方ないと思われます、それほどアトリー様が神々しい雰囲気を今お持ちなのですよ」

「う、う~ん?そうかな僕 自身は何も変わってないと思うんだけどなぁ」

ダン「人の印象は見た目で判断されるものですからね 今日のアトリー様を見たら誰もが拝みたくなる様な感じの装いですから」

(あのダンが珍しく長く話してる!それほどか?)

「そう言うものかな?」

アミ「そう言うものですよ!アトリー様」

 ソルがアミの言葉に深く頷いている。

「う、うんじゃあそう言う事にしとく」

オーリー「アトリー様、サロンに着きましたよ」

 いつの間にかサロンに着いていたようで、

「あ、本当だ、ありがとうオーリー」

オーリーが扉を開けて待ってくれていた。

「お待たせしました、父様、母様」

 昨日と同じく無言 今回は口を半開きにしている人、多数。

「父様?母様?大丈夫ですか?」

 目を大きく開けて固まっている父様と開きそうなのか口に手をやり固まっている母様を見ながら声を掛けた。

父様「あ、アトリー、今日は一段と綺麗にしてもらって 何とゆうか 凄いな驚きすぎて言葉が出ないよ」

母様「そうね、アトリー凄く綺麗よ こちらに来て 貴方の存在を確かめさせて頂戴」

 母様に言われて近づいていくと母様も今日は綺麗な青いマーメイド風ドレスを着て美しく着飾っていた。

「はい 母様、母様も今日は一段とお綺麗ですよ、そのドレスとてもお似合いです」

母様「ふふっ褒めてくれて有り難うアトリー、でも今の貴方の方がとても可愛くて綺麗よ」

 母様を褒める言葉が自然と出てしまった 母様が少し笑いながら私の頭を撫でながら褒め返してくれた、自分でも無意識に褒めていたのでちょっとだけ恥ずかしい、でも綺麗なのは本当だから仕方ない。

(母様が美しいのは私の自慢だし!)ドヤァ

 ソルは何やらセラスさんに褒められているようだ。

「有り難うございます?」

(てか私 男の子なんですけど 男の子に可愛くて綺麗って 褒め言葉なのかな?)

 今も私の横で私の頭を優しく撫でている母様を見ながら言った。

母様「どうしましょう、この子が可愛すぎて神様に取られたりしませんわよね?」

(どんな心配だ!母様!むしろ快く送り出してくれたけどね!)

お祖母様「そうね、大丈夫かしら?」

(かなり本気で言ってる?)

 母様が私を抱き込んでしまった。

父様「その時はどうしたらいいですか、父上」

(こっちも本気か?)

お祖父様「その時は神に頼むしかあるまいアトリーを連れて行かないでくれとな」

(あ、これは からかわれているな私)

「むー、酷いですよお祖父様達 僕をからかって楽しんでいませんか?」

 少しむくれながら言ったら…

父様「え?・・・・、うん、ごめんよアトリーからかって」

(今の間は何~!、本気だったってこと?)

お祖母様「ごめんなさいね アトリーそれほど今日の貴方は綺麗で神々しいのよ」

お祖父様「すまん すまんアトリーそうむくれるな、もしもの時の話しだ、もしもの時の 」

(もしもって何さもしもって!言い訳になってないよ!お祖父様!)

「む~、もう、お祖父様っ!」

お祖母様「貴方ったら、言い訳になってませんよ」

お祖父様「ん?、むぅそうだな・・・・・あぁそうだアトリー、ソル、2歳の時に約束していたお守りだ」

 そう言うとジョルジュさんが小さな箱を二つ持ってきて私とソルに渡してくれた。
 慎重に箱を開けて見ると金細工で繊細に加工されたブローチの台座に綺麗に楕円形にカットされたアメトリンの石が嵌まっており、そのブローチは二つのあり二つは2本のチェーンで繋がった一つの作品の様だ、その芸術作品の様なブローチは箱の中でキラキラ輝きを放ちながら入っていた。

 ソルには銀で出来た台座に濃ゆい緑色の石が嵌め込まれていた装飾も同じようなブローチだ。

「わ~!綺麗!お祖父様お守り作って頂き有り難うございます」

 ソルの家族もお祖父様にお礼を言い恐縮していた。

(わー綺麗なブローチどこにつけるんだろう?後 母様 いい加減 離してくれないかな?)

父様「シリー、アトリーをそろそろ離してあげなさい」

母様「でも貴方、アトリーが可愛くて離したくありませんわ」

 そう言ってまた頭を撫で始めた 髪型を崩さないように優しく撫でられると眠くなりそうだ。

「母様、今日は母様の隣にずっと一緒にいますから 今はソファーに座りませんか?」

母様「・・・分かったわ約束よ?じゃあ座りましょうそれとブローチを付けてあげるわね」

 私の提案に納得したのか嬉しそうに一緒に座ったら私の首元にチェーンは少したるませて掛け渡す様にケープの両側をブローチでとめて付けてくれた。

 その後も色々褒められていると時間になったので皆んなで正面玄関に移動して 行ってきますの挨拶をして2台の馬車別れてに乗り込む 、前の馬車に私と両親とリアさん馭者にカイルさん、
後ろの馬車にソルとセルドスさんとセラスさん親子にセラスさんの専属メイドさん馭者にセルドスさんの執事さん、本来なら本職の馭者さんがいるんだけど神殿には中に入る親子以外に連れて来て良い使用人は2人までと決まってるらしい、
そして護衛は1家族4人までなので今日の護衛の騎士は8人いる。

 昨日同様、馬車の窓から顔を出し皆んなに行ってきますと言ったら。

お祖父様「堂々と“祝福“を受けてくるんだよ」

お祖母様「気をつけて行ってらっしゃい」

カミィ姉様「変な人に話しかけられても着いて行ってはダメですからね」

カイ兄様「変な事されそうになった時は思いっきり声を出すんだよ」

ライ兄様「そして思いっきり蹴飛ばしてやれ」

ヘリー姉様「その後はすぐに護衛に言って捕まえて逃さないようにして貰いなさいね」

「は、はい、そうならない様に父様達から離れないようにします」

 昨日と同じく物騒な挨拶をしたら馬車が出発した。

 馬車の中で父様と母様に挟まれて座り 母様と先程の兄弟達の発言について話したりしていると、王都の貴族街にあるリトス教の神殿に着いたようだ。

 神殿の前は沢山の馬車で溢れていたが我が家の馬車が来ると他の馬車が避けて行き神殿の正面玄関に停まった、ソル達の乗った馬車は途中で停まったようだ それぞれ爵位ごとに降りる場所が決まってるらしい、私達は すぐには降りずここで待機するようだ。

 私は丁度 馬車が停まっている所が神殿の真正面なのを良い事にまたカーテンの隙間から神殿の外観を観察する事にした。

(うーん何処をどう見てもローマとかイタリアとかにある有名な教会に似ているな ただ教会のシンボルが違うだけって感じ 世界は違ってもこうゆう施設って似るものなのかな? あ、ソルだ 先に入って行っちゃった)

 外を見ていると神殿には爵位順に案内されているようで下の爵位の子供とその両親が次々入って行っている、なので到着 早々にソルは先に中に入ってしまったみたいだ 今は辺境伯爵家の子供が入って行った。

「後もう少しですね母様」

母様「そうね次は侯爵家が呼ばれて最後に私達ね」

「最後なんですか?」

父様「あぁそうだよ今年はアトリーしか公爵家の子供がいないからね」

「そうなんですね、あ、あのご令嬢は昨日の侯爵家のご令嬢ですね」

母様「あら、そうなの?少し 派手ね?」

(そうだねー私は白に刺繍で飾ってあるけど あのご令嬢は薄いピンクに派手な刺繍しているからね、ストラは白だけど)

父様「本当だね、まぁ彼女の父親の領地は我が家の領地と反対の方向にあるから これから会うことなんてなくなるさ」

 父様と母様もカーテンを少し開けて、少しチラチラと後ろも振り返りながら入っていく侯爵家親子を見送った。

「へーそうなんですね」

母様「あら、今入った方達で侯爵家は最後みたいね」

父様「では、降りるかリア頼む」

リアさん「畏まりました」

 一緒に乗っていたリアさんがいつものやり取りをして 今日は馭者をしていたカイルさんに外から開けてもらい外に出る。

リアさん「どうぞ お降りください旦那様」

 次に父様が降りて母様をエスコートして下ろしていると 後ろから馬車が来る音が聞こえてきた。

 後ろを少し見てみると沢山の護衛に囲まれた白い2台の馬車が近づいてきた どうやら王家の馬車のようだ 、私はそのまま馬車に中から微かに見える外の様子を観察していると、
 我が家の馬車の真後ろに王家の馬車が2台停まり 扉が開き数人の侍従やメイドが降りてきた、後ろの馬車から知らない少年が降りてきて、次は前の馬車から大叔父様が降りてきた最後に大叔父様にエスコートされてご年配のご婦人が降りてきた。

(ご婦人は大叔父様の奥様かな?て事は前王妃様か 最初に降りてきたのは孫かな王太子殿下じゃなかったから何番目の王子様かな?)

 などと考えていると大叔父様がこちらに来ていた 両親は臣下の礼をして挨拶をしていた。

大叔父様「そう畏まるな アイオラト、今日はクオツの公務について来ただけだからな」

前王妃殿下「お久しぶりね、2人とも 今日はこの人に誘われて着いて来てしまったわ うふふっ」

 と、楽しそうに笑った。

孫?「お久しぶりです、デューキス卿 本日の王家からの見届け人のとして参りました」真面目な様子で挨拶した

父様「お久しぶりです 先王妃様、第二王子殿下大きくなられましたね」

母様「本当にお久しぶりです 先王妃様、第二王子殿下もお久しぶりです」

 父様と母様は深くお辞儀して挨拶をした。

第二王子殿下「お久しぶりです公爵夫人、・・・・あれ?今日の主役は何処に?」

 第二王子殿下は周りを見回して何かを探している。

大叔父様「そう言えば姿が見当たらんな、アメトリンはどこかに行ってるのか?」

前王妃殿下「お手洗いかしら?」

 と、どうやら私を探しているようだ。

父様「今、馬車から降りようとしていた所ですよ、アトリー降りておいで御三方にご挨拶しなさい」

「はい、父様」

 父様にエスコートして貰いながらゆっくり降りていった。

御三方「「「っ⁉︎・・・・・・・・」」」

 御三方は目を見開き固まっている よく見たらそれぞれの馬車の馬達を世話をしている 各貴族の使用人や護衛達も目を見開き口を半分開けて固まっている。

「?えっと・・・」チラッ

 目を見開いたまま 私を見ている3人に困ってしまって父様を見たら。

ん゛んっ

父様「御三方、戻って来てください」

大叔父様「っ!、あぁ、す、すまん アメトリン今日はかなり雰囲気が違うな 昨日のパーティーは楽しかったか?」

「はい、大叔父様 楽しかったです♪今日は専属の使用人が頑張って支度を手伝ってくれて こんな風になりました」

大叔父様「そうか、すごいな!その使用人達も満足しておるだろうな」

「えぇ、やり切ったって言ってました!」

大叔父様「おぉ、そうか そうだろうな、わしはその使用人達を褒めてやりたい!」

「ふふっ有り難う御座います 大叔父様、皆んな喜びます」

前王妃殿下「貴方 そろそろ私達にも可愛い子紹介してくださいな」

大叔父様「あぁ、すまん フィアこの子がアイオラトの5番目の子のアメトリンだ」

前王妃殿下「初めまして、可愛い子 私はオレサフィア•ロア•ウェルセメンテと言いますわ、貴方の大叔父様の妻になります なのでサフィア大叔母様と呼んで頂戴♪」

 大叔母様は綺麗なプラチナブロンドに透き通ったオレンジ色の瞳を楽しそうに細めて笑った 。

(名前からして多分“オレンジサファイア“だろうな)

第二王子殿下「初めまして、アメトリン君 私は現国王の第二王子のブルクオツ•レイ•ウェルセメンテだ、君のお父上の従兄弟の子供に当たるから はとこだね 今日は公務として“洗礼と祝福“の見届け人として来ているけど 公務以外であった時はクオツ兄様でもクオツお兄様とでも呼んでくれ」

 クオツお兄様は少し色合いが暗い金髪で透き通った水色の瞳でまだ幼そうだけどしっかり王族顔だった。

(“ブルークォーツ“かな?)

「お声掛け頂き有り難うございます 先王妃様ならび第二王子殿下 初めてお目に掛かり大変 光栄で御座います、僕は先王陛下の甥デューキス公爵家当主アイオラトが 三男 アメトリン•デューキスと申します 以後お見知り置きを」

 右手を胸に軽く添え左手は軽く握り腰の後ろに回して 右足をいっぽ下げて膝を軽く折りながら頭を35度ほど下げた。

 ちゃんとした王族に対しての臣下の礼のお辞儀をした後 顔をあげて。

「改めてよろしくお願いします、サフィア大叔母様、クオツお兄様♪」

 と、ニッコリ笑って挨拶した 挨拶をされた2人はポカンとした顔で見ている そんな2人を無視して。

(ちゃんとご挨拶したよ父様!)

 これで合っているか?と父様の顔を見たら父様が優しい笑顔で軽く頭を撫でてくれた。

父様「ちゃんとご挨拶ができて偉いねアトリー」

母様「綺麗にお辞儀できたわね 上手でしたよ」

 母様も頭を撫でてくれるのが嬉しくてニコニコだ。

まだポカンとしている2人を見ながら大叔父様が大笑いしていた

大叔父様「あっはっはっ、やはりこうなったか!」

(あ、これはこうなる事を分かっていて驚かすために 自分が同じようになったのを2人に言わずに連れて来たな 確信犯だね)

「ロブル大叔父様も最初は同じようになったのに・・・・」

大叔父様「あ!、これ、アメトリン それは言ってはならん・・・」

 この言葉を聞いた2人からジト目で見られる大叔父様。

大叔母様「貴方・・・、わざと言いませんでしたね」

大叔父様「おおぉ、そう怒るなフィア、言わなかっただけではないか だが賢くて可愛いのは分かったであろう?」

大叔母様「確かにそうですけれども、こんなにしっかりとした挨拶が返ってくるなんて 思いもしませんでしたわ」

クオツお兄様「確かに賢くて可愛いのは分かりましたけど・・・・」

 2人はまだ何か言いたそうにしていたけどその前に神官服を着た人が私達公爵家を呼びに来た。

神官?「ご歓談中失礼致します、公爵家の方々のお入りになる順番になりましたので 神殿の方にお入りになられてください」

大叔母様「あら、もう入る時間なのね アメトリン君また後でお話しできたらしましょうね」

 と、優しく頭を撫でられた。

クオツお兄様「仕方ないね遅らせる事はできないからね、また後で時間ができたらね」

 と、手を振って見送ってくれた。

「はい、またお時間がある時に」

 ペコリと頭を下げ、父様と母様の手を繋ぎ神殿の正面入り口に行った。

 リアさんとカイルさんはここで護衛達と待機だ、入り口前に先ほど呼びに来た神官さんがいた神官さんは少し顔を赤くして頭を下げながら扉を開いた。

 開いた扉の先にもう1人神官さんがいて私達を見た途端固まった 、
私は固まった神官さんはいつもの事だと思い、神官さんを放置して 神殿内を見回し観察していた、入ってすぐには両側に大きな柱があり中央には幅約180センチの赤いカーペットが奥の祭壇まで続いていた 祭壇がある場所は数段階段があり少し高くなっていて、祭壇の上にはサッカーボールぐらいの大きな水晶が一つ置かれている。
 その後ろには“主神リトスティーナ“の彫像が鎮座していた、
彫像の背後には後光がさすかのように色とりどりのステンドガラスで彫像を中心として放射状に模様が描かれていた、カーペットの両脇には約5メートルのベンチタイプの横に長い装飾のこった椅子が片側15~20個置いてあり そこに沢山の貴族の親子達が間隔を空け座っていた。

 周りを見渡していると思いし出したのは神殿内が前世のテレビで見たヨーロッパにある有名な大きな教会の内装に似ている事だ、少し違うのは天井には美しい壁画があり 中心には様々な色の髪をした美しい女性が描かれていた事だ。

(あれ?あの絵はティーナちゃんかな?あまり似てないな)

父様「早く案内をしてくれませんか」

 と、固まった神官さんに言った。

神官「え、あ!、は、はい、デューキス公爵家様ですね!、こちらになります」

 神官さんの声が少し大きかったのか神殿内にいた全員が後ろを振り返った。

「「「「「ザワッ」」」」」

バッ‼︎

(おぉ、一斉にこっちを振り返るなよ!、怖いよ!)

 神官さんも驚いたのか辺りを見渡す、神官さんの視線に気づいた人達は自分達がはしたない真似をしている事に気づいたのか次々に前を向いて姿勢を正した。

 その中でもそんな事も気にして無い人達の視線がザクザク私に刺さっている 皆んな私を見ながら“噂と違うじゃないか“とか“誰だ醜いと言ったのは“
とかあの噂の事を話しているようだ、ほとんどの人達が前を向いたのを確認して神官さんがやっと席に案内してくれるようだ。

神官「お待たせして申し訳ありません、では改めてこちらになります」

 と、いい前を歩き始めた 中央にあるカーペットを進み1番前の列の左側の席に案内され 静かに座った、だが、この席にたどり着くまでに両脇から視線がグサグサと刺さり居心地がもの凄く悪かった。

(すごい見られた あの噂のせいだな、あと獲物を見るような視線も有って 気持ち悪かったな)

 座ってからもずっと黙ってる私を心配したのか父様と母様が心配そうに話しかけてくる。

父様「どうしたんだい?アトリー」

母様「アトリー気分でも悪いの?大丈夫?」

「あ、なんでもありません父様 気分も悪くはないです 母様 ただ凄い視線が刺さるなぁって思ってただけです」

父様「うーん それはしょうがないかな あの噂のせいだろうし」

母様「視線が気になるなら母様が隠してあげますからね」

 と、言ってくれた。

「ふふっ大丈夫ですよ ただ予想以上だったなぁと」

父様「ふふっ私もこの反応は予想外だったよ」

母様「そうですね 噂を信じた人がこれだけ いた とゆう事ですからね」

 と、会話をしていたら。

神官「本日の見届け人のお越しです 王家から 前国王陛下 並びに前王妃殿下、第二王子殿下のご入場です!」

 神官さんの言葉が響き渡った、すると神殿内の人達が一斉に立ち上がり中央の通路に向かい臣下の礼をして頭を下げた。

「「「「「ザッ!」」」」」

 静寂が包む中 足音だけが聞こえた その足音が祭壇の前まで来て止まり。

大叔父様「皆、頭をあげてくれ 」

大叔父様の言葉で全員が顔を上げ 祭壇前にいる大叔父様の方を向く

大叔父様「今日は天気に恵まれ いい“洗礼と祝福“となるだろう、其方らの子に“神の祝福“があらんことを 」

 大叔父様の祝福の言葉の後にみんなが一斉に頭を下げ礼をした それを見て大叔父様は私達の反対側 通路の右側の席に座った それを確認した父様が座ったので私も母様も座った、それを皮切りに次々と後ろの人達が着席したら 先程まで祭壇の脇にいた位の高そうな神官服を来た 神官様が祭壇前に来て話し出した。

神官様「では、これから“洗礼と祝福の儀式“を行いますがまず“洗礼“とは・・・・・・・・・・
        *冒頭をお読み下さい
・・・・・とゆうことで男児ならば<ノブル>、女児ならば<ノービレ>の名を名前と家名の間に入れる事を神がお許しになるのです

それでは、お子様達はご起立ください 祭壇に向けて祈りをお捧げください 」

 言われた通り 立ち上がり祭壇に向かって両手を組み片膝をついて祈りの姿勢をとる。   *女の子は両膝をつく

 祭壇の前の神官さんが何かボソボソと呟いた そうしたら一瞬 体が光りすぐに消えた。

神官様「はい 有難う御座います、これでお子様達は貴族の一員として認められました・・・

では、これから“神々の祝福“を授けていただきます、お名前が呼ばれましたら階段前にご両親とお越しになられて下さい」

 そう言うと神官様は祭壇の左脇に行き 名前が書いてあるだろうリストを他の神官さんから受け取り 名前を呼んだ。

 どうやらそのリストは入場の時に使われた物と同じようで爵位の低い順に書いてあるようだ。

(う~わ、私 最後じゃん嫌だなーまぁ公爵家は私1人だけだからね 仕方ないか・・・はぁ)

 色々考えている間に祝福はサクサク進んでいる、手順としては事前に聞いていた通り 名前を呼ばれたら祭壇の前にある階段まで両親と行き 、子供だけが階段を上がり祭壇の前に行き祭壇の上にある水晶玉に手で触れると優しく光りティーナちゃんの彫像の前にゲームによく出てくる半透明の3D画面が浮かび上がってくる、その3D画面には魔法適性とスキルの数、加護や称号が記載されている。

*貴族令息の平均例です。

====================

+魔法適性+ 生活・火・水・土・風 合計5個

+スキル数+ 合計10

+加護+

+称号+   ヤンチャ坊主

====================

 って感じに表記されている。


貴族令息の平均は

+魔法適性+ 生活魔法を含め4~5個あれば平均 6~8個あればやや優秀 9~以上個あれば天才
       *生活魔法は誰でも貰える魔法です

+スキル数+ 平均8~13個

+加護+   基本的にこの時点では加護は無いが 稀に後々 神の目に留まって加護を得ることがある

+称号+   10人に1人ぐらいの割合で付いている事がある



 これが平均だ だからソルの時は…

====================

+魔法適性+ 生活・火・水・土・風・氷・雷・木・光・聖・回復 合計11個

+スキル数+ 合計29個

+加護+

+称号+   最高の従者・親友

====================

 って、なっていたから、会場騒然だった 今まで魔法適性が6~8個出たらざわめいていたのに、ソルが11個も魔法適性があったから もう 神殿内は大騒ぎ 水晶玉が壊れているんじゃ無いかとか 何処の派閥の貴族だとか、色々飛び出して来て そこに大叔父様の一喝で静かになって今は滞りなく進んでる。

 あ、それに 昨日お友達になった3人は魔法適性が6個あって中々いい結果になったみたい、3人は祭壇から目があったら笑って小さく合図してくれたから私も頷いて小さく合図を送り返した、その時皆んなのご両親が軽く会釈をしてくれたけど、ちゃんとした挨拶はできなかった。

 その後のソルは結果を見て嬉しそうしていた 祭壇から降りる時に私を見て満面の笑みで小さくガッツポーズしたから、私も他の人には見えないように 小さくガッツポーズした。

(ソルがあんなに はしゃいでいるのは久しぶりに見たね、可愛かった♪)

神官様「ミッシェル・ノービレ・アロガイン嬢 前へお越しください」

(ん?聞いた事がある名前だな?)

 何処で聞いたのか思い出そうとしていると 後ろから少々派手な服装のご令嬢が来たので、

(あぁ、あの時のご令嬢か!そんな名前だったね しかし派手だなー、ん?親子でこっちを見ている)

侯爵親子がこちらをチラチラ見ながら祭壇前の階段まで来た。

(私を見ているのはご令嬢だけだけど そのご両親は父様を気にしている感じだね そう言えば、さっきも伯爵家の時に似たような行動をしてた親子が二組いたような・・・)

 だが その後も何もして来ないままご令嬢の祝福の結果が出た。

====================

+魔法適性+ 生活・火・水・土 合計4個

+スキル数+ 合計7個

+加護+

+称号+   傲岸不遜

====================

 と、表示された。

(あらら、称号にまで“傲岸不遜“って出てるよ どんだけだよ!)

 ご令嬢は不満そうに階段を降りてきてご両親に称号にあった“傲岸不遜“とは何かと聞いていた、その間ご両親はまだ父様を気にしていたが 結局何かするわけでもなく後ろの席に戻って行った。

神官様「アメトリン・ノブル・デューキス令息 前にお越しください」

(次は私の番だった見たい、おしっ!気合い入れてくぞー!)

 背筋を伸ばし衣服を確認して立ち上がり先に立っていた父様と母様の手と取り 両親にエスコートされながら祭壇前の階段下についた。

神官様「では お子様だけ前にお進みください」

 神官様に言われた通りに両親の手を離し先に進もうとしたら、背中を軽くポンッと両側から押された 両親が励ましてくれるのを感じて 胸を張り堂々と階段を上がって行き 祭壇の上にある水晶玉の前で止まった。

神官様「こちらの水晶玉に両手でお触りくださいそうしますと 水晶玉が光りその後に 主神リトスティーナ様の彫像の前に貴方の 祝福の内容が表示されます、では 水晶玉にお手を静かに触れて下さい」

 神官様に促され静かに両手を水晶玉に置く 。

(ティーナちゃん、天照ちゃん、月詠様 だいぶ遅くなりましたが7歳になって教会に来ましたよ!)

 すると 今まで見たことのない眩しい光を放ち 周りが白く見えるほどだ 眩しさに思わず目を閉じた・・・・・・

・~~~~~・~~~~~・~~~~~・

・・・一時すると光が収まった気がして 眩しくて閉じていた目を恐る恐る開けると見覚えのある全てが白い空間が見える。

『『『いらっしゃい、咲子(ちゃん)久しぶり』』』

 そして聞き覚えのある懐かしい声が聞こえた。

「!」声がする方に視線をやると、

「皆んな‼︎お久しぶりです!」

久しぶりに見た神様達は前と変わらず 美しいまま私を出迎えてくれた。

月詠様『元気にしていたか?』

 久しぶりにみる月詠様は変わらない柔らかな笑顔でフランクに話しかけてくれた。

「はい、元気にしてましたよ 月詠様」

天照ちゃん『全然 会いに来てくれないので心配しましたよ』

 少し拗ねた様子で心配してくれた。

「ふふっ心配してくれて有り難う 天照ちゃん」

ティーナちゃん『まぁ、しょうがないわよね 大体の貴族は7歳のこの日まで子供をあまり外に出さないのが一般的だからね』

 と、以前と同じようにフレンドリーに接してくれるティーナちゃん。

「そうみたいだね そう言えばティーナちゃんこの7歳の“洗礼と祝福“の理由って・・・・・・・・・・・」

*そして冒頭に戻る










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