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ブラホモ(ブラザーホモ)の本領発揮!
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「兄さんお帰りなさい!!」
「おう、ただいま~」
都内の整形外科にて軽い打撲と切傷だと診断され、ようやく解放された俺は二日ぶりに帰宅した。
玄関で弟の進に出迎えられる。
俺に会えて嬉しい様を隠すこともなく、仮にしっぽがついてたら確実にブンブン振ってるだろう。
進はまだ小学五年生である。
性の分化があまり進んでおらず、見た目はかなり中性的だ。はっきりとした二重の大きな目は、長めのまつ毛も相まって一層目力を強調している。さらさらの髪は肩程まで伸びており、ブリーチしているため(母親の趣味による)かなり明るかった。身体付きは華奢で肩幅は狭く、身長は130㎝ほどしかない。
近所では「フランス人形さん」と呼ばれ、軽くアイドル扱いされていた。
肉親の俺がいうのもなんだが、ほんとに血がつながってるのか怪しいぐらいの美少年といえよう。
性格は内気で大人しく、趣味は家事で得意なことは料理と、およそ男らしさの欠片も感じられないが、その容姿もあってか周りの大人たちからよくチヤホヤされていた。
年齢不相応な聡明さを持ち、かつそれを鼻にかけることもないため、分別のある本当にいい子、というのが世間からの評判だ。
掛け値なしで自慢の弟と言えよう。
だがこんな表向きの紹介はほぼ無意味だ。
彼を構成するもの、その因子のほぼすべては「俺」への苛烈な愛で満たされている。哀しいことに、その歪み方も尋常ではない。
そう。最近は東条に接近されてることもあり、かなりきていた。包丁が飛んでくることもあり、部屋に監禁されかけたこともある。俺に対する独占欲が凄まじい。
また俺の身体に対する心配も常軌を逸している。風邪でも引こうものなら一緒に学校を休み、看病を徹底してくる。そうなったら最後、解熱するまで俺の傍を片時も離れない。それどころか風邪が移るから離れるようにいっても「俺も兄さんと同じ苦しみを味わいたい」といって積極的に移されようとする。
だから! だから、である。
今回林間学校にて谷に落下したなどと口が裂けても言えないのだ。結果として軽傷で済んだというのは通用しない。二度と家から出られないよう、鎖でつなぎとめられる可能性もある。
そういうこともあり、この日、俺は暑かったが擦り傷がみえないように長袖のシャツを着用していた。決してバレてはいけない。
「ああ兄さんだ。兄さんだ」
三日分の寂しさを発散するように進は俺に抱きついてくる。すんすんと匂いをかがれてる気配があり、少し恥ずかしい。
「ちょっと汗かいてるからやめろよ~」
やんわりと進を身体から引き離す。焦ってはいけない。冷静に、あくまで自然体で。
「あれ? なんか湿布の匂いがしたんだけど……?」
やばいやばいやばい。
まだ変なスイッチは入っていないが明らかに訝しんでいる。
「あ~、これだよ。山道で滑って転んじゃってさ」
少しだけ腕をまくり、湿布された部分を見せる。
俺は一部を晒すことで全体を隠す作戦に出た。これぐらいなら心配はされるだろうが誰かが血を流すことはあるまい。
「大変じゃないか!! もう! 兄さんはほんとドジなんだから。ちゃんと治療してきたの??」
すごい剣幕でにじり寄ってくる。
「保健室の先生も同行してたからな。ちゃんと処置してもらったし、念のためってことでさっき整形にも行ってきたから大丈夫だよ」
「ほんとに大丈夫? もう痛くない?」
進は目を潤ませながら俺を見上げてくる。本当に心配してくれているのだろう。その頭に手を乗せて撫でてやる。
「心配してくれてありがとな。ほんとに大丈夫だからさ。それより進の美味しい料理食べさせてくれよ」
「お昼まだなんだ? まっかせて!! ハンバーグ作っちゃうから!」
上機嫌になった進は鼻歌混じりにリビングへ。キッチンに向かったのだろう。危なかった。
俺は荷物を持って自分の部屋へ。荷ほどきをしているうちに重大なことに気が付いてしまった。
――お土産を忘れた!!
というか買う隙なんてこれっぽっちもなかったのだから仕方ない。
だがこういう時にお土産を欠かしたことのない俺は追求されるだろう。進とはそういう人間だ。いつもの俺の振る舞い、そこに僅かでも差があろうものなら、そこから俺に何があったのかを推測しようとする。そしてかなりの精度で当ててくる。
「兄さーん! 洗濯物出しておいてね~。あと冷蔵庫に麦茶冷やしてあるから」
進の声がリビングの方から聞こえてくる。もう料理に取り掛かっているのだろう。
「はいよー」
適当な相槌を打ちつつ洗濯物をまとめる。奇跡的に鞄の中にお土産になるようなものが入っていないか確認するがあるはずもない。普通はこのまま気付かれないことを祈るのだろうが、これこそが進にとっての違和感となるのだ。
どこかで落としたことにしようそうしよう。
ガチの狂人を前には誠意などは通じないのだ。優先すべきは教職員たちの命であり俺の日常であり、もはや手段を選ぶ余地はない。黙ってキッチンへと向かう。
「進ごめん!!」
それ以上は何も言わずにハンバーグをこねていた進を後ろから抱きしめる。
「ちょ、ちょっと兄さん急にどうしたの??」
俺の接近に気付いていなかったのか、進は嬉しそうにしつつも流石に困惑しているようだった。
「お土産どこかで落としちゃったみたいなんだ」
「……なんだそんなことか。別にいいよお土産なんて」
「今度進の欲しいもん買ってやるから、な? な?」
「なんか怪しいなぁ。ま~いいけど。そのままハンバーグできるまでギュッってしててね」
「いやいや流石に邪魔だろこれじゃ」
「ふふふ」
小悪魔のように笑った進の顔を見るに何とかごまかせたようだった。冷蔵庫から麦茶を取り出しリビングでくつろぎながら料理の完成を待つことにした。
20分後。完成されたハンバーグとご飯、トマト・レタスの付け合わせが食卓に並ぶ。
進自慢の絶妙な比率で合い挽きされた肉のハンバーグは店で食べるより遥かに旨い。その上今日はチーズが内蔵されており、溢れる肉汁とのコラボを前に俺の胃袋は完全に白旗を挙げていた。
「やっぱ進のご飯が一番だよ」
「でしょ~? 駄目だよ変な女につかまったりしたら~」
微妙に気持ち悪い会話をしつつ平和的に過ごす。はず、だった。
その瞬間までは……。
「兄さん……これ、なに?」
贅沢な食事を終え、コーヒーを飲みながらソファで一服しているとリビングの扉の前で進が佇んでいた。
すでに瞳のハイライトが消えている。
つまりはアウト。試合終了ゲームセットノーサイド。諦めるしかない。終わった。さようなら。悲~し~みの~という幻聴が聴こえてくる。
「ど、ど、どうした?」
どうしたもこうしたもない。
進が手に持っているのはボロボロになった俺のTシャツとジーンズ。ところどころ血もついているオマケつき。昨日山道から落下したときに着用していたものだ。
おかしい。あれは洗濯物に出さずに鞄に入れておいたはずなのに。
「ねぇこれどうゆうこと?」
「え~っと……なんだろなそれ。兄さんもちょっとわからない、かな。ハハッ」
空笑いとともに冷や汗が全身から噴き出す。鳥肌が肉眼で視えるぐらいにたっていた。これなら霊能力者を名乗れるかもしれない。
「なぁんかおかしいなぁとは思ってたんだよねぇ。お土産がどうの言ってた時」
やっぱりバレてたかーーー!
でもなんでそれだけで鞄が怪しいってすぐわかるわけ?
ねぇなんで? 進君はエスパーなの?
「兄さん俺に嘘……ついたんだ? 騙されるのが一番嫌いだってこと、知ってるよね?」
皆さん見てください。ここに悪霊がいますよ?
ほら見てくださいこの鳥肌を!
進がじりじりと間合いを詰めてくる。
すでに片手にはスタンガンを装備しており、黙秘は許されない。
駄目だよあれは! あれやられるとほんとに意識が飛ぶんだから!!
……本当の本当にヤバイのは東条でも、番長でもなく、一番身近にいたのだった。
「おう、ただいま~」
都内の整形外科にて軽い打撲と切傷だと診断され、ようやく解放された俺は二日ぶりに帰宅した。
玄関で弟の進に出迎えられる。
俺に会えて嬉しい様を隠すこともなく、仮にしっぽがついてたら確実にブンブン振ってるだろう。
進はまだ小学五年生である。
性の分化があまり進んでおらず、見た目はかなり中性的だ。はっきりとした二重の大きな目は、長めのまつ毛も相まって一層目力を強調している。さらさらの髪は肩程まで伸びており、ブリーチしているため(母親の趣味による)かなり明るかった。身体付きは華奢で肩幅は狭く、身長は130㎝ほどしかない。
近所では「フランス人形さん」と呼ばれ、軽くアイドル扱いされていた。
肉親の俺がいうのもなんだが、ほんとに血がつながってるのか怪しいぐらいの美少年といえよう。
性格は内気で大人しく、趣味は家事で得意なことは料理と、およそ男らしさの欠片も感じられないが、その容姿もあってか周りの大人たちからよくチヤホヤされていた。
年齢不相応な聡明さを持ち、かつそれを鼻にかけることもないため、分別のある本当にいい子、というのが世間からの評判だ。
掛け値なしで自慢の弟と言えよう。
だがこんな表向きの紹介はほぼ無意味だ。
彼を構成するもの、その因子のほぼすべては「俺」への苛烈な愛で満たされている。哀しいことに、その歪み方も尋常ではない。
そう。最近は東条に接近されてることもあり、かなりきていた。包丁が飛んでくることもあり、部屋に監禁されかけたこともある。俺に対する独占欲が凄まじい。
また俺の身体に対する心配も常軌を逸している。風邪でも引こうものなら一緒に学校を休み、看病を徹底してくる。そうなったら最後、解熱するまで俺の傍を片時も離れない。それどころか風邪が移るから離れるようにいっても「俺も兄さんと同じ苦しみを味わいたい」といって積極的に移されようとする。
だから! だから、である。
今回林間学校にて谷に落下したなどと口が裂けても言えないのだ。結果として軽傷で済んだというのは通用しない。二度と家から出られないよう、鎖でつなぎとめられる可能性もある。
そういうこともあり、この日、俺は暑かったが擦り傷がみえないように長袖のシャツを着用していた。決してバレてはいけない。
「ああ兄さんだ。兄さんだ」
三日分の寂しさを発散するように進は俺に抱きついてくる。すんすんと匂いをかがれてる気配があり、少し恥ずかしい。
「ちょっと汗かいてるからやめろよ~」
やんわりと進を身体から引き離す。焦ってはいけない。冷静に、あくまで自然体で。
「あれ? なんか湿布の匂いがしたんだけど……?」
やばいやばいやばい。
まだ変なスイッチは入っていないが明らかに訝しんでいる。
「あ~、これだよ。山道で滑って転んじゃってさ」
少しだけ腕をまくり、湿布された部分を見せる。
俺は一部を晒すことで全体を隠す作戦に出た。これぐらいなら心配はされるだろうが誰かが血を流すことはあるまい。
「大変じゃないか!! もう! 兄さんはほんとドジなんだから。ちゃんと治療してきたの??」
すごい剣幕でにじり寄ってくる。
「保健室の先生も同行してたからな。ちゃんと処置してもらったし、念のためってことでさっき整形にも行ってきたから大丈夫だよ」
「ほんとに大丈夫? もう痛くない?」
進は目を潤ませながら俺を見上げてくる。本当に心配してくれているのだろう。その頭に手を乗せて撫でてやる。
「心配してくれてありがとな。ほんとに大丈夫だからさ。それより進の美味しい料理食べさせてくれよ」
「お昼まだなんだ? まっかせて!! ハンバーグ作っちゃうから!」
上機嫌になった進は鼻歌混じりにリビングへ。キッチンに向かったのだろう。危なかった。
俺は荷物を持って自分の部屋へ。荷ほどきをしているうちに重大なことに気が付いてしまった。
――お土産を忘れた!!
というか買う隙なんてこれっぽっちもなかったのだから仕方ない。
だがこういう時にお土産を欠かしたことのない俺は追求されるだろう。進とはそういう人間だ。いつもの俺の振る舞い、そこに僅かでも差があろうものなら、そこから俺に何があったのかを推測しようとする。そしてかなりの精度で当ててくる。
「兄さーん! 洗濯物出しておいてね~。あと冷蔵庫に麦茶冷やしてあるから」
進の声がリビングの方から聞こえてくる。もう料理に取り掛かっているのだろう。
「はいよー」
適当な相槌を打ちつつ洗濯物をまとめる。奇跡的に鞄の中にお土産になるようなものが入っていないか確認するがあるはずもない。普通はこのまま気付かれないことを祈るのだろうが、これこそが進にとっての違和感となるのだ。
どこかで落としたことにしようそうしよう。
ガチの狂人を前には誠意などは通じないのだ。優先すべきは教職員たちの命であり俺の日常であり、もはや手段を選ぶ余地はない。黙ってキッチンへと向かう。
「進ごめん!!」
それ以上は何も言わずにハンバーグをこねていた進を後ろから抱きしめる。
「ちょ、ちょっと兄さん急にどうしたの??」
俺の接近に気付いていなかったのか、進は嬉しそうにしつつも流石に困惑しているようだった。
「お土産どこかで落としちゃったみたいなんだ」
「……なんだそんなことか。別にいいよお土産なんて」
「今度進の欲しいもん買ってやるから、な? な?」
「なんか怪しいなぁ。ま~いいけど。そのままハンバーグできるまでギュッってしててね」
「いやいや流石に邪魔だろこれじゃ」
「ふふふ」
小悪魔のように笑った進の顔を見るに何とかごまかせたようだった。冷蔵庫から麦茶を取り出しリビングでくつろぎながら料理の完成を待つことにした。
20分後。完成されたハンバーグとご飯、トマト・レタスの付け合わせが食卓に並ぶ。
進自慢の絶妙な比率で合い挽きされた肉のハンバーグは店で食べるより遥かに旨い。その上今日はチーズが内蔵されており、溢れる肉汁とのコラボを前に俺の胃袋は完全に白旗を挙げていた。
「やっぱ進のご飯が一番だよ」
「でしょ~? 駄目だよ変な女につかまったりしたら~」
微妙に気持ち悪い会話をしつつ平和的に過ごす。はず、だった。
その瞬間までは……。
「兄さん……これ、なに?」
贅沢な食事を終え、コーヒーを飲みながらソファで一服しているとリビングの扉の前で進が佇んでいた。
すでに瞳のハイライトが消えている。
つまりはアウト。試合終了ゲームセットノーサイド。諦めるしかない。終わった。さようなら。悲~し~みの~という幻聴が聴こえてくる。
「ど、ど、どうした?」
どうしたもこうしたもない。
進が手に持っているのはボロボロになった俺のTシャツとジーンズ。ところどころ血もついているオマケつき。昨日山道から落下したときに着用していたものだ。
おかしい。あれは洗濯物に出さずに鞄に入れておいたはずなのに。
「ねぇこれどうゆうこと?」
「え~っと……なんだろなそれ。兄さんもちょっとわからない、かな。ハハッ」
空笑いとともに冷や汗が全身から噴き出す。鳥肌が肉眼で視えるぐらいにたっていた。これなら霊能力者を名乗れるかもしれない。
「なぁんかおかしいなぁとは思ってたんだよねぇ。お土産がどうの言ってた時」
やっぱりバレてたかーーー!
でもなんでそれだけで鞄が怪しいってすぐわかるわけ?
ねぇなんで? 進君はエスパーなの?
「兄さん俺に嘘……ついたんだ? 騙されるのが一番嫌いだってこと、知ってるよね?」
皆さん見てください。ここに悪霊がいますよ?
ほら見てくださいこの鳥肌を!
進がじりじりと間合いを詰めてくる。
すでに片手にはスタンガンを装備しており、黙秘は許されない。
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