【白銀の黒帝：11】魔大陸と人間社会

2章：交流戦前の合宿

謁見と出立式

この日、シリルはもの凄く機嫌が悪い。　
合宿所から、魔皇帝宮殿近くへ魔道列車で移動し宿で一泊して、朝から魔皇帝との謁見やら夕方から出立式やら貴族とのパーティーなどに参加しないといけない事を、その日に知ったというか忘れており、ガリスに言われた思い出したのである。

ここは、宿屋の2人部屋である。　
「おれは絶対嫌だぞ。」
「魔王様が嫌がるのはわかりますが、任務なんですよね」と説得するガリス。
俺、シリルは不貞腐れながら「嫌だぞ、ガリスだけ行け。」というのである。　
「でも、まずいんでは？」ってガリス。

さっきから、同じような会話しているぞ。　うん？まてよ。

「お！俺、転移できるし、逃げれるし、気配消せたぞ」と頬をかきながらいう。
「俺、行くふりして逃げるんだぞ」というのであった。
「まぁ、そのほうが魔皇帝もいいでしょう」というガリスである。　
ガリスはガリスで、相変わらず抜けてる時は抜ける魔王様だんだよなぁーって心の中で思ってるのである。

◇◇◇

一方、ここは魔皇帝の執務室。頭を抱える魔皇帝である。
そして独り言で「謁見と出立式やらがあったのを忘れてたのじゃ。　魔王様を膝まつかせるわけにはいかないのじゃ。　どうするわし。　しかも黒帝様の縁者ともきく。絶対パーティーとかも嫌じゃろ。　
　事前に、任意にしとけばよかったのじゃ。　あー、しかも、交流戦前後に生徒達の交流会もあったはずじゃ」といっていると、ノックがされ「魔皇帝様、サミットへ出席する方々と交流戦へ参加する生徒様がみな謁見の間に到着しますので、ご準備を」呼ばれるのであった。

魔皇帝は覚悟を決め「もう、どうにでもなれ」と独り言をいって、出ようとすると、シリルが現れる。
「逃げてきたぞ。　ここで、終わるまで読書してるぞ」というのだった。　しかも服装は私服だ。　
堅苦しい正装から途中で着替えたのである。

シリルをみて安堵した魔皇帝。
「ご迷惑おかけします。　ごゆっくり寛いでください」と頭を下げ、扉をあけ、謁見の間へ急ぐのだった。

◇◇◇
謁見の間にいる、ガリスも安堵していた。　
そして心の中で”にしても、見事な逃げ方だったな。　この部屋はいった瞬間に、いつ気配を消したのか俺もきづかないうちに念話で’魔皇帝の執務室にいるぞ’。だもんな。　
魔法発動禁止の結界意味ねー。　ありゃ、俺達四天王もいつも逃げられるわけだわ。”とつぶやいていた。

出立式も同様に、シリルは正装を着て、一緒にいるが会場にはいった瞬間にいなくなる。　
さすがに立食パーティーの時は、ガリスに、マレク達がシリルがどこにいったかなど聞かれたが、人が多い所が苦手だからきっとどっかにいるとはぐらかすのだった。

◇◇◇
一方シリルは、謁見から戻ってきた魔皇帝から、任務の情報交換をして、その後、魔皇帝宮殿の書庫の場所を教えてもらい、出立式やらパーティの間はそこで読書していたのである。。　
ついでとばかりに、50冊ほどの魔術書、魔方陣、歴史書など次元ボックスにいれていた。　
中には禁書庫のもあるが、魔皇帝から許可を得ていたのである。
　
ちなみに、夕方までの間は自由だったので、ガリスと本屋にいって100冊ほどの本を大量購入していた。
どんだけ本を買うんだよって心の中でつっこむガリスがいた。