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4章:妖精の儀

ある少年の妖精の儀

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同じ教会では、貴族のマクレーン家の3男であるライオネルが同じ精霊の儀を受けて、レックと同じ状況になる。
司祭と共に応接室に戻るライオネルは黒い水晶を大切にポケットにしまうのであった。

「このたび、ご子息が妖精の楽園へ導かれる事になりました。 つきましては、ここでお別れとなります」って司祭が父親に説明する。
「もし例の石をお持ちでしたら」っていう司祭の言葉に、マクレーン公が首をふる。
「かまわぬ。 この子は出来損ないだ」

ライオネルはマクレーン家の3男として育ったが、上の兄や姉、そして下の1つ下の弟よりも出来がわるく父親に嫌われており、また兄妹達からも相手にされずにいた。 そして、母親もまた後妻であり、今日の式典にもでていない。 

ライオネルが唯一もっているのは、病で病床の床についた唯一優しくしてくれた祖母が亡くなる際に渡してくれたマクレーン家本家が代々受け継ぐ腕輪のみで、いつもは大切に箱にしまっていたが、今日は上着の内ポケットにこっそりもってきたのであった。 祖母が亡くなった際に腕輪が見つからず、父親が必死で探していたのを知っていた。
そして、嫡男の兄も必死に探してるのを知っている。 
そのため、常に隠していたが、今日だけお守りとして持ってきた。 返す必要もない。 祖母に「何かあった時は肌身離さずもつように」と遺言されている。

そして、滅多に会う事もない父との別れも寂しくない、ライオネル。 
「では、これで」
「ああ、今からお前はただのライオネルだ。 その意味わかるな」
「はい、存じてます」 つまり自分は勘当されたという事だ。 家督を継ぐわけではないし、別に構わない。
「司祭、あとはたのんだ」といって、父親はそのまま退室するのだった。

こうして、ライオネルは、司祭の後についてある場所へ連れられていくのであった。
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