【白銀の黒帝：12】妖精と妖精の楽園

3章：傍観者たちの日々

魔界での魔王の日常 後編

妖精石集めで人界の人間社会からも戻って既に魔界軸で100年経過しているシリル。

翌朝、ゲール親子は城下町のとあるオープンカフェのテラス席で朝食を食べている。
「父さん、魔王様みつかったのか？」
「まったく見つからん。　ただ、魔界にいるみたいだがな」と苦笑いしながらいう。　
「相変わらず、自由奔放だね。　政務が滞ってないのが驚きだよ」
「それは大丈夫だ。　もし、お前が四天王になるとわかるさ」と笑いながらいう。　

そんなゲールの言葉に、意味がわからないギールだが、
メガネをかけ紺色のポンチョをきた少年のあどけなさを残した美少年が、ゲール親子の座るテーブルの席に座るのだった。

「ゲール、なんか久しぶりだぞ。」
声をかけられたゲールの顔が引きつってるぞ。
「ええ、でしょうね。25年も魔王城にこない魔王様なんて聞いた事ないですよ。」
「うん。忘れてたぞ。　お！ギールか？　なんか、でかくなってないかだぞ。」
「お久ぶりです。魔王様。　50年ぶりですかね。　そりゃ成長しますよ。」って言われたぞ。

「羨ましいのだぞ」と不貞腐れるの俺だぞ。
「魔王様、何食べるんですか？」って話を変えるゲール。　早く機嫌を直さないとだ。
「今日は、ハンバーガーにするんだぞ」とニコニコしていった俺。　シュンさんほどじゃないけど、ここのハンバーガーもおいしいんだぞ。　それを聞いて、ゲールが注文するのだった。　

ゲールとギールは、シリルのニコニコしている笑顔をみながら、うわぁまたこの笑顔にやられたわ。　
まったく魔王城にこないかから怒る気でいたが、怒る気力もなくなるのであった。

その後は、執務室にはいかず、四天王たちをしごき、ちょこと執務室によって、書庫にいき本を50冊ほどもち、食料庫から食料とエールをもらって「んじゃ、帰るのだぞ」といって四天王たちが止めるのも聞かずどこかに行くのである。

執務室にはいる四天王はお互い目をあわせながら「いつのまにだな。」というのであった。
そこには山積みになった書類が全て片付いているのであった。　
フラフラしている魔王のシリルだが、やるべき事はやっているのである。

これが、シュンの所にいない時のシリルの魔界での日々である。