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6章:帝都大会編

同盟国の会議

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Side:ユージ
僕が会議に王女ティアとアンディと行くと各国の王に要人たちが集まっている。
亜人国の国王は獅子族のアルノシュト国王で巨漢で白い獅子王とも呼ばれているらしい。
僕が前に亜人国の国王と思っていたけど、彼は皇太子で息子だったらしい。 ティアも彼が国王だと思っていたみたいだ。 あの時も威厳があったけど、実際に今回本当の国王をみてしまうと、威厳の差がある。

そして、王国ゼゲルト3世国王に要人たちだ。 要人の中には、オールポート子爵当主、つまりアンディの父親も参加している。

帝国は、僕も初めてみる皇帝セルジオ13世。 そして騎士団長ウィンテル、ケフィン、そしてカトリーンの父であるラート卿にジョアンナの父であるブレーケレ卿だ。 帝国貴族は名字のあとの敬称を卿とよぶらしい。

そして帝国の宰相からの魔国の通達文書の発表があった。
内容は元魔国の領土返還を求める内容とデアス墓地の領土は魔国のものであるという主張だ。
意味が分からない僕。 返答次第では、実力行使も問わないという内容だった。
「以前から魔族の襲撃箇所はすべて彼らの主張する領土にて行われていたという事になります。」って宰相が締めくくった。
「なにを今更だ! 数万年以上前の話しではないか!」っていうのは、アルノシュト国王。
どういう意味なんだ。
「アルノシュトよ、我々人間が知らない情報をお主はもっているのか?」と冷ややかにいうセルジオ13世皇帝だ。
「ふん、この事態にならなければ、言う必要がなかったがな。 エルフの長よ」っていうと、老齢のエルフがでてきた。
そしてモニターに映し出されたのは、古い地図だ。 そこには、山脈の手前に魔国とかいた領域が存在している。
「これは、数万年以上も前の地図です。 魔国は、もともとこちらの内陸部に存在していた。 我らエルフが所有する古い文献によると、亜人国、今はないが人間の住む国アルストル王国と魔国が存在しておった。 当代魔王 デミウルゴスが大陸支配に領地を拡大していたのじゃが、文献によると当時王国が召喚した勇者ユウトにより魔王を討伐。 そして魔王を失った魔族は山脈を超えて魔国を建国したのだ。」っていうエルフの長。
「逃げた魔族が、今またここに戻ってきたがってる理由はなんだ?」というセゲルト3世。
「山脈は北の地、極寒で、こちら内陸部のように肥沃な土地も海もないそれ故に常に狙ってきてるんだ」っていうアルノシュト国王。
「さて、皆の意見を聞こうじゃないか、我々はこの勝手な文書に対してどうするのか」って冷静なセルジオ13世だ。

「はぁん、そんなの対抗するしかないだろ」というアルノシュト国王だ。 その言葉にみな喝采している。
でも数万年前以上にこの内陸大陸部に魔国があったなんて。 ホワイス王国は初代勇者が建国。 なのに、その前に僕と同じように召喚された勇者がいたってどういう事なんだ。

「勇者殿は、なにか疑問でも?」ってエルフの長だ。
「ええ、その数万年前以上に勇者がいたのに、ホワイス王国は初代勇者であるゼゲルト・ホワイス様が建国したと。 初代は、そのユウト様だったんではないかとってちょっと疑問に」
「なるほど、ホワイス王国の建国には様々な理由があったようです。 ですね、ゼゲルト3世国王」
「ふむ、勇者ユウト様を召喚したのは、王国と同じ場所でもある元アルストル王国だ。 魔王を討伐したアルストル王国だったが、今度は『厄災の魔術師』だ。 その際すでにユウト様は引退しており、リューアズが勇者として立ち上がった。 そしてあの大虐殺じゃ。 それから復興に立ち上がったのがユウト様だ。 名をセゲルト・ホワイスと変えてな。」って説明してくれた。 そういう事だったのか。
「その後、宮廷につかえていたセルジオが、反旗を翻して、帝国を建国したがな」っているセゲルト3世。
「ふん、生ぬるい王国についていけなくなった初代だ」って皇帝だ。
同盟国っていっても、たしか僕が召喚されるまでは、一部地域のみの交流で争いが絶えなかったみたいだし。
「説明ありがとうございました。 これで理解しました。 デアス墓地は不可侵の場所、そしていくら昔に遠い昔に魔国があったとしても、今は各国の領土である事は間違いないです。 ここは皆さんの力で侵略を防ぐべきです。」って僕、ちょっと勇者らしく宣言した。

「さすが勇者殿だな」ってアルノシュト国王。
「勇者ユージ殿、そなたの力に期待するぞ」ってセルジオ13世
「頼もしくなったものよ」っていうのはセゲルト3世国王だ。

そして既に対策は検討されていた。
帝国と王国の国境付近とミゼラの町に防衛線をはり、また王国と亜人国の国境とベチェラの町にそれぞれ防衛線を引く事になった。 そして僕たち勇者一行と王国と帝都の騎士団一部は、ミゼラ町になった。 王国と亜人国の国境には、王国騎士団と帝国からは第一、第二騎士団。 ベチェラの町には、亜人国の騎士団や冒険者たち、そして、帝国からはケフィンさんの隊が行く事になった。
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