無能と呼ばれた少年は、力を得て真実を知る ~目立ちたくないので、ほっといておいてほしい~

3章：帝国編

『無能』と蔑まれるようになった

俺が帝国に住み始めて既に7年が経過してもうじき15歳になる。　
帝国は、セルジオ・ティエメンという魔術師が建国した国。　そして思いっきり力が全ての国で、力のない者は強き者の命令に従えっていう考え方が重視。　軍事国家でもあり、約7割の国民がなにかしら軍や私兵、そして冒険者として生計を立てている。

俺にとって最悪の場だ。
養子になって、俺が魔法を行使できないとわかったケフィンとヒルダの態度は一変した。　せめて剣術をって事で、毎日、稽古で生傷が絶えない。　回復に魔力を循環させるおかけで俺の成長はさらに遅くなって、細身のヒョロヒョロだ。
武器の選択肢はなく、両刃の剣で、はっきりいって重たい。　それに振り回されている。
刀は、こっそり武器屋で俺の私財で買った。　王国と通貨が同じでまじ助かった。

「今日もここまでにしましょう。　お義兄様」っておもいっきり俺を両刃の剣をもした木刀で殴りつける義理の妹のフェリシアだ。　俺より身長高いし、筋肉も引き締まってついてる。
「はぁ～、お父様にいわれなきゃ毎朝こんな『無能』なクズの相手したくないわ」って言ってる。
したくなきゃしなきゃいいだろ。

ボロボロになった俺は、黙ったまま、部屋に戻り魔力巡回させて回復する。　その後、制服に着替えて、朝食を作る。　ケフィンとヒルダは、今、遠征にでていて不在だ。　俺とフェリシアは帝都にある家で住んでいる。　全ては、14歳から通ってる、セルジオ学園に行くためだ。　このセルジオ学園は、名門の騎士・魔法師育成学園。　俺が通えるのは、はっきりいって、ケフィンが第三騎士団長だからだ。　迷惑な話である。

「フェリシア、朝食は？」って一応聞く。
「いらない。　赤の他人に作ってもらう義理はないわ。　私、先行くわ。」って言って出ていく。　会話っていったらこんな感じだ。　赤の他人ね。　血がつながってるわけじゃないしな。

朝食を食べて、片付けて、俺も家を出る。
「スヴェン君、いきましょ」って家を出るといるのは、俺が7歳の時にフェリシアの幼馴染でもある俺より1つ上のジョアンナ。
「スヴェン、いくわよ」って、こいつも同じくフェリシアの幼馴染で俺と同い年のカトリーン。
「なんで、フェリシアといかないのさ」って俺。　毎朝、聞いてる。
「スヴェン君は、ひ弱なので私たちがついてないとです」
「そうよ、感謝しなさいよ。　『無能』と一緒にいってあげるんですから」
って、ジョアンナにカトリーンだ。　誰も頼んでない。　むしろお前らのせいで、面倒ごとに巻き込まれてるだって！