【白銀の黒帝：7】女神の使い魔と無職の少年

外伝：魔王誕生

魔王ルファーの決断 前編

シリルが魔界で生活しはじめて5年以上が経過。

ここは、魔王の執務室である。　
執務室には、現魔王ルファーと大魔王、そして四天王の4名がいる。
みな一同に、真面目な顔をしている。　

「シリルに決めさせる時期がきたと思うのだが」といい、溜息をつきながら「って、いうかお父さん！　シリルを放置しすぎでしょ！」と叫ぶのだった。　逆ギレの魔王だ。

「我は自由にさせていただけだ。」と笑う大魔王。
わが父ながら、相変わらずだと思う魔王である。
「そのおかげで、まさか、シリルが5年で瘴気の森をのぞく魔界の森を全て探索するとは思ってもみませんでしたよこっちは。
　おかげで、魔界の長から、メガネをかけた可愛い少年が遊びにきては、模擬戦をして、終いには、誰も勝てないっていう問い合わせが殺到してますよ！」とやや大声でいいながら、束となっている手紙を机に出すのだった。　

「しかも、一切、魔術つかわないで勝ってるらしいですよ。　
　相手は、魔術つかってもかなわないって嘆いてますよ。」と頭を抱えている魔王だ。

そんな息子をあざ笑うように大魔王が、「それは、我がちゃんとシリルの力量をみて、言っておる。　じゃぁないと、シリルが楽しめないだろう、もう」

「えーえー、我々だって、もうシリル様に本気だされたら適わないですよ。　
　今まで、空中戦にもちこんで勝ってましたけど、羽が数か月前より成長してたらもう無理ですよ。」というドルクに、大魔王が苦笑いしながら「羽だけまた成長しとる。　しかも、四天王たちとの本気の模擬戦も、シリルには魔力制御させてた。」と告白をされるのだった。

「「「「シリル様には勝てません！！」」」」と宣言する四天王4人であった。

◇◇◇
現魔王が溜息をつく。
「ドルク、シリルの勉強のほうはどうだ？」
ドルクも溜息をつきながら、
「魔族年齢でいうと11歳を遥かにしのぎすぎです。　
　時より大魔王様に提案された通りに、論文とか、あと報告書とかも混ぜておくんですが、綺麗に訂正するわ、魔術関連に関していってしまうと、確認する側がシリル様の理論を理解するまでに時間がかかって、大魔王様経由でシュン殿にみてもらっているレベルです。」という。

「っていうか、大魔王様、シリル様あんなにフラフラしているのにいつ勉強してるんですか！」ってこっちも逆切れだ。

大魔王が笑いながら、
「我も知らんぞ。　ただ、シュンに聞いたら人間の時からまぁまぁ出来だったらしいぞ。　
　魔族になってから、まぁましになったなって言ってたぞ。　
　それに、リンちゃん曰く、人間の時から今まで保護した子供の中で一番の出来だたそうだ。　
　あと、今や魔術に関してはリンちゃんをしのいでいるらしいぞ。　特に知識でいうと結界と次元系はな。　
　たぶんだが、魔族になってから多重思考の数が増えて、シュンほどじゃないが速読してるんだろうって言っていたぞ」という。

「魔王様、政務のほうもご心配ありません」というドルクである。