【白銀の黒帝：7】女神の使い魔と無職の少年

4章：学園編

合同合宿 外海へ 中編

外海も半分がすぎ後半になったある日。　

シリルの索敵に300匹は超える海洋の魔物が索敵にひっかかっている。　しかも大物に追われている。　
シリルとしては、クラーケンかなどとちょっと興奮気味だ。　暫くして、ビリーが叫ぶ。
「ブレッド、まずいぞ。　使い魔がすぐ退避しないとまずいって。　数百のBクラスの魔物に、S以上の大物が近づいている！　退避もぎりぎりでまにあうかわからない」と騒ぎだす。　
それを聞いてみな青ざめ、震える生徒もいる。
そんな中、ブレッドが大声をだす。
「急いで、回避して、もし遭遇したら、最大級の攻撃魔法を一斉にあびさせて、全力即で退避だ!」と大声で指示し、みな大慌てで準備している。

徐々に帆船のほうに近づく魔物、大物の姿が少しみえる。
「クラーケンだ！！」とブレッドが騒ぎ、「緊急信号もあげろ！」と騒いでいる。

そんな騒ぎも興味なく、帆船に近づく3KM地点あたりで、シリルがグレッグにニタリ笑い「殺してくるぞ」といって、船を飛び出す
「カーティス何を考えてる!」というグレッグの言葉はむなしく響き、ギルド隊員も「彼は何を考えてる!」と絶叫している。

「無職が飛び出したぞ。　今がチャンスだ、やつを囮で、船を全速力で進めろ」というブレッドの指示で、グレッグが止めるのも無視して船は退避方向へ加速してしまう。

緊急信号があがった事で、海軍がブラッド達を保護し、かれらの合宿は終了しそのまま学園へ帰港する。　
海軍が捜索したが魔物の群れもクラーケンも発見されず、もちろんシリルもみつからないという報告がある。　グレッグは、シリルが行方不明になってしまった事を魔道国家の学園に連絡し、そのあとは他学生達が帰港するのをまち、魔道国家へ戻るのである。

◇◇◇
一方、シュンが作ってくれた双剣を握るシリルは「いっぱいいるぞ、楽しいぞ」とまずは、300匹いる魔物を殲滅していく。　
そして、「おおー　クラーケンか。　でかいぞ」と興奮しながら、双剣に魔力をながし、身体強化と空歩で足場を作り加速させて双剣で切り刻んでいく。

終わると、死骸の上に立ち、「対したことなかったぞ」といいながら、周りに船がない事に気付き「こまったぞ。　移動している物体の転移はできないぞ」といい、ポンと叩き「食堂に帰るぞ」といって、とりあえず浄化魔術で魔物とクラーケンの死骸を浄化し、食堂へ転移してしまうのであった。

食堂の中庭についたシリルは、返り血で血塗れである。　
丁度カフェの営業が終了して片付けているコリー。
「シリル、血まみれでどうしたんすか？」ってコリー。
「お！　忘れてたぞ」といってシリルが洗浄魔術で綺麗にする。　

「綺麗になったよ。　ってより、合宿だったのに、どうしたんすか？」
「海の魔物300とクラーケン討伐してたら、船においてかれたぞ。　移動してる物体にはおれ転移できないぞ。　だから帰ってきたぞ」
「なるほど、シリル、おいてかれちゃったんすね」と笑うコリーだ。　

すると、部屋から出てきたシュンも笑っている。
「シリル、なんで海洋学園じゃなくて、食堂にもどったんだ？」
「説明とか聞かれると面倒だぞ。　それに、師匠の料理たべたくて食堂に帰ってきたぞ」
「だな。　モーリスに連絡しといてやんよ　で、クラーケンはどうだった？」
「たいした事なかったぞ」
「だろ。　あんま強くないんだよ。」
「うん、もの足りなかったぞ」
「それで、何を食いたいんだ？」
「ハンバーグだぞ」

という会話をしているのであった。　今の人間にとっては脅威の魔物でも、シュン達にとってはたいした事のない魔物なのである。