【白銀の黒帝:7】女神の使い魔と無職の少年

八木恵

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4章:学園編

実技の授業で、使い魔魔法を見よう

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後期も半ばになり、いつも通りの日々を過ごすシリルだ。

後期も半ばになると、学園の魔法の実技のレベルがあがり後期は中級となる。 
シリルのいるクラスは中級の使い魔が多く、使い魔を召喚して魔法を使用するクラスメイトが増えるのである。
シリルとしては、毎回、演唱魔法を含め笑いを堪えるのに必死で、ある意味地獄の時間である。

そんなある日の午後の攻撃魔法の実技で、現状の魔法の威力の確認があった。
グレッグが担当だ。
「今日は、1人ずつ名前を呼ぶので、得意属性の中級レベルの攻撃魔法を放ってもらって威力を確認する。 
 名前を呼ばれたら前にでて放ってくれ」といって、生徒の名前を呼ぶ。

俺、シリルは、訓練場の隅で使い魔の召喚や魔法を観察するのにいいと思い、座って見ている。
もちろん、必死で演唱に笑わないように耐えながらだぞ。
中級クラスというのもあるのか、使い魔は聖獣が多いらしい。 
ただ、聖獣でもみな姿形がメルヘンで、肩にのったりしている。 
契約者同士は念話で会話しているようだ、ただ使い魔同士も会話できるようで、人語ではないが会話している。 
師匠に聞けば何語かわかるんかもしれないが、あのメルヘンに近づきたくないんだぞ。

なんて考えていたら「シリル・カーティス」とグレッグに呼ばれた。
的の前に立つシリル。
 
するとクラスメイトから小声が聞こえたぞ。
「使い魔がいない」
「無職」などなど口々にいっている。

使い魔からなのかだぞ? まぁ、気にせず、とりあえず演唱の振りをして中級威力の火の槍を20個だし的を破壊する。 

「いいぞ。 合格だ」ってグレッグがいって、俺は元の位置に戻る。
暫くして授業が終わり、訓練場を出ると、顕現していた使い魔が消える。 
その前にいなくなった使い魔もいたが、うーんと思う俺だぞ。

◇◇◇
放課後帰り支度をして帰ろうとする俺に、キースが質問してきた。
「シリルって、なんで使い魔の召喚しないんだ?」
「俺の使い魔、得意属性じゃないんだぞ。 だから、顕現できないんだぞ。 
 おれ、急いでるから、帰るんだぞ」とこれ以上、面倒になりたくないからさっさと帰るんだぞ。

その会話を聞いていた他クラスメイトは、
「顕現できないのになんでDクラスなんだ?」
「うん、Gじゃないの?」などなど会話がくりひろげられるのであるが、シリルは知らないのである。

◇◇◇
その日の夕食後エールをのむ、シュンさん、リンさん、コリーそして俺。
アークさんのエールは美味しんだぞ。

って、報告だぞ。
「師匠、今日の授業でクラスメイトが結構使い魔召喚したから観察したぞ。」
「んで、なんか解ったか?」とタバコに火をつけて一服しながら聞く師匠。
「違和感だけだぞ。まだ、解らないけど、演唱破棄だが変な演唱だったぞ。 
 あと増幅っていわれてるが、なんか違う気もするぞ。 でも、まだわかないぞ」って今日感じた事だけ説明した。

「そうか、他は?」とタバコをふかしながら聞きかれた。
「使い魔って顕現したあと暫く滞在するんだぞ。 
 使い魔と契約者同士は念話で会話ができて、使い魔同士も人語じゃないけど会話できるみたいだぞ。 
 でも気になったのが訓練場でると全部の使い魔がきえるんだぞ。 
 もちろんその前にいなくなる使い魔もいるぞ」といってエールをのみほし、
「俺、使い魔と契約しなくてよかったぞ。 聖獣でも姿がみんなメルヘンなんだぞ。 
 あんなのに纏わりつかれたら鳥肌もんだぞ」と嫌そうにいった。 まじ、使い魔いなくてよかったぞ。

それを聞いて、師匠がエールをのみながら、
「まじぃかー。 うわぁーっ最悪だな。それ。 俺も嫌だなそれ」という。
「われも嫌だ。」ってリン。
「うわぁ、さいあっくっす」ってコリー。

俺、魔術でよかったぞ。 あんなのに纏わりつかれて、みんなよく平気でいられるのかが不思議だぞ。 
なんて、エールのみながら考えていた。
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