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5章:魔王領編

魔王討伐後の人間領

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あれからどのくらいの月日が経ったんだろ。
あの後、ユウト達が戻って、大体的祝賀パレードがあった。 
俺たち部隊は、任務でただ警備してた。 
結局、ユウトは自分が魔王を討伐したって平気でいってたな。

で、その後だ、魔族狩りするってユウトが言い出した。
お前、あの時、安住約束したよな。 俺は、たまたまその情報得て、会議室に乗り込んで反対した。 
約束したのお前だろって。

そしたら、魔族と通じてるから、魔王の邪念によって悪魔に取り憑かれたとかわけわからん事いって、悪魔呼ばわりだ。
それから、止めることなく、魔族狩り、そして黒髪は悪魔だって世論の風潮が始まった。 
ユウトの奴は、自分が侍女にしていた魔族は改心してるからって魔族狩りの対象外にしてた。 
いろいろと言いたい事があったが、俺たちは、俺たち自身の命の危険を感じて、トリマ町へ避難することにした。 そんな矢先だ、ユウトがクーシャの孤児院の子供達を王都へ連れ出したって情報が長からはいった。

俺が出頭すれば、孤児院の子供達の生活は保証するって。
その時の事は鮮明に覚えてる。
テッドに手紙とアーサーがくれたチェーンクロスのネックレスを渡し、トリマへ行かせた。 
もちろん、その時に俺の次元ボックスにはいっていた現金、魔石、魔物の素材など資源になるものは全て珍獣組の次元ボックスに渡した。

ヴォルはずっと泣いて離れなかったけど、気絶させてた。
「お前ら珍獣組は、自由に生きろ。 俺のことは助けに来なくていい。 あとヴォルを人間には近づかせるな。」って言って別れた。 ずっと名前呼ばれたけど振りむかなかった。

出頭したのにも関わらず、牢屋に入れられただけでなくいろいろ拷問された。 エイナの魔法の実験台。
変態な男に何度もケツ掘られた。 ムチで殴られたりは可愛いほうだ。 鈍器でも殴られて、手足潰れた。 
魔力制御つけられてるから治せない。 食事なんて、日に1回あればいいほうだ。 それもみんな腐りかけだ。

そうそう、レイナと寝たとか言って、ユウトが「どうだ、寝とってやったぞ。」ってゲスな笑みで言ってた。 
別にあの女なんてどうでもいいしなんも感じない。

「お前みたいに、最初から容姿もよくてなんでも持っている奴がむかつくんだよ。お前から全て奪ってやる!」って叫んでた。 なに言ってんだ。 こいつ。 俺は、最初なにも持ってない。 

奴がやったのが、王都に連れてきた孤児院の子供達も悪魔に支配されてるとか言って殺した。 
やったのは、騎士団だけど、俺は殺されていく子供達をただ見るだけで何もできない状態だ、なんせ鎖で縛られて貼り付けにされてたから。

そして今、俺は、処刑台だ。 どうも3年間も拷問されてたらしい。
我ながら精神だけ崩壊しなかったのが不思議だ。 今、石とか投げつけられてる。

「悪魔の根源を処刑する」ってユウトだ。 アーサーはいない。
俺の人生ってなんだったんだろうな。
落ちてきた刃で、俺の意識は暗闇の中にはいった。  俺、ギース、25歳での処刑だ。

◇◇◇
ここは神々のいる世界。
「ようやくあるべき世界へ転生させたのに、人間によって弄られてしまったのう。」
「父上、私が勇者など送ったせいで」
「トート、いたしかたない。 アマト、この魂を守り平和になったとき前世の記憶を持たせて、わしの加護とともに今度こそ良き人生を送らせよう。」
「はい、父上」
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