【白銀の黒帝：9】勇者と魔族

1章：冒険者育成学園

ギルドの日 前編

シリルが転校して今日が初めてのギルドの日である。
シリルは、グループにはいっていないため、エイダスの提案で週がわりで他のグループにはいってから決める事になった。　
今日は、初めてという事もあり、よく話すエドガー達と上級ダンジョンへ行くとの事。
すでに、上級ダンジョンの5階層までいっているらしいが、シリルにあわせて最初からとなった。
通いのシリルはダンジョンの検問でまっている。　
服装は黒のフード付きで中は冒険者風だが軽装で防具は一切なし。

エドガー達がやってきた。
「シリル、お前やけに軽装だし、荷物すくないな」ってエドガー。
「そうか？　俺、いつもこんな感じだぞ」と返事しとくぞ。　この質問、何度目だぞ。
「そうか」というエドガー。
「まぁ、いこうぜ」というケネスの言葉で、4人でダンジョンに向かう。

上級ダンジョンの入口に向かう間。

「ダンジョンって、攻略したやついるのか？」と俺シリル聞いてみる。
「誰もいないみたいだぞ。　大昔に初級のダンジョンマスターまでいったけど、敗北したっていうしな。　
　それに、俺達も、初級は40階層で、中級は50階層どまりだ。　
　雷神の斧の人にきいたら、絶対に61階層はいくなっていわれてな。」というエドガー。
「あー、あの勇者たちグループが皆で力をあわせればとかいって、王女をのぞく19人でいったんだが、
　女どもが悲鳴あげてそのまま離脱したって聞いたぞ。」っていうのはカミルは笑っている。
「俺も聞いたけど、何があったかは教えてくれないよな。」と笑うエドガーだった。　
「あいつら、いま上級ダンジョンだろ」というケネスだった。　

「うん？　19人でグループ組んでいるのか？」と俺が聞く。
「ああ、そうだ」と嫌そうな顔をするカミル。
「俺、そんな大人数いやだぞ。」と嫌な顔すると、「だろ」というカミルだった。

そんなグループに入りたくないし、そもそもだぞ、昔にダンジョン制覇したしだぞ、
今は、間引きしている俺がダンジョン行く意味あるのかだぞって独りつっこみしている。

◇◇◇
上級ダンジョンには、他の傭兵団や冒険者たちもいる。　
シリルは、一応マッピングし、索敵しながらエドガー達とすすむ。
エドガー達も最終学年で傭兵団の候補性というのもあるし、カミルもランクSである。　
エドガー達の力量に合わせて討伐をしていく。　
すでにエドガー達は5階層までいっていた事もあり、5階層まではスムーズにすすみ。　
途中休憩をはさみつつ、夕方には10階層までいきエリアマスターを4人で討伐して帰還する事にした。

ダンジョン内でもそうだったが、数グループが髪が紺で肌が陽褐色で小さなコウモリ型の羽の男性の首には首輪がついており奴隷としているようだった。　
だが、彼らは舌の一部を切られているのかしっかり喋る事ができないようだ。　
帰りがけにもいて、俺シリルが見ていると、エドガーが話かけてきた。

「あれが、魔大陸の魔族だ。　30年前からの襲撃で捕虜となった奴らを、一部傭兵団とかが奴隷として荷物運びさせてんだ。　ギルドは奴隷を認めてないから入室禁止だ。　
あと、雷神の斧も奴隷は禁止してんだ。　それで、魔力量が多いから、演唱させないようにあーやって舌の一部をきっているんだ。」と説明してくれるエドガー。
「はじめてみたぞ」って俺だぞ。
「殆どの奴隷は、王都の貴族の所だ。　俺達が見るのもダンジョンだけだ。」というケネスだった。