【白銀の黒帝:9】勇者と魔族

八木恵

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1章:冒険者育成学園

転入初日、授業 前編

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俺シリルが、空いている席に座ると、席の隣の茶髪の男子生徒が声をかけてきた。

「俺エドガー・フェリンっていうんだ。 エドってよんでくれ。 雷神の斧の候補性だ。 
このクラス、平民がすくねーからうれしよ」と言われたぞ。
「俺の事もシリルでいいぞ。 冒険者育成って平民が多いって聞いてたぞ?」と聞く。
「あ、お前田舎からきたっていってたな。 
 紺色の髪の毛のやつらって、王国が勇者召喚したやつらなんだよ。 
 それで、あいつらの周りにいるアッシュグレーの髪色が騎士候補達で、あの金髪の可愛い子が王国の第3王女なんだよ。 他にも貴族がいるんだよ。」
「お、そうなんだ。 俺、知らなかったぞ」と答えておいたぞ。 

それからは午前中の授業だ。 
俺シリルは、つまらないから読書の時間としている。 
休憩時間ごとにシリルの周りには誰かがきて話かけてくるが、スルーしているシリルに徐々に人は減っていくのである。 
エドガーは苦笑している。

昼食の時間となり、エドガーに食堂に誘われたが人が多いところは嫌だと断ったところ、売店で買って外で食べる事になる。
エドガーと同じ雷神の斧の候補生のケネス、そして勇者召喚で来ているカミルも一緒だ。
テーブルベンチに座るとエドガーが、
「ケネスは、おれと同じで雷神の斧の候補生で、カミルは、例の勇者召喚なんだけど、やつらとつるまずに俺たちといんだよ。」という。
「俺、同郷だからとかそういうの好きじゃなくってな。 集団もすきじゃなくってよ。 
 たまにはつきあうが、毎日は嫌でな。だからだ。」というカミルなのだった。

エドガーが苦笑している。 なんでだぞ。
「変わってるだろ? でも、シリルも、変わってるよな。 
 休憩時間のたびに、お前を誘いにくるやつがいるのに全部無視だ。 王女が声かけても反応なしには笑えたぞ」って言われたぞ。
「うん? 俺 興味ないと聞いてないんだぞ。 そんな事あったか?」と答えておいたぞ。

カミルも笑ってる。
「あったな。」
「ああ、なかなか面白いものみたよ」って笑いならがケネスにも言われた。 
「シリルって、本カードでランクAなんだろ。 だからよ、王国のやつらきっと勧誘にくるぞ」ってエドガー。
「うん? なんでだ?」って俺が聞く。
「おまえ、どんだけの田舎にいたんだよ!」といわれてしまったのだぞ。

「約30年前の地殻変動で、魔大陸っていっても大きな島だったらしいんだが、こっちの大陸と一部つながっちまったんだよ。
 といっても、海のみちひきで4年に1度3日間つながるらしいんだけどよ。 
 最初は奇襲だったから、奴らがのりこんできて商業都市が壊滅状態になったんだよ。 
 王国軍が、援軍をおくってなんとかくいとめて撤退したんだよ。その後、陸がつながる度に戦争だ。 
 一時休戦したんだが、また宣戦布告があってよ、来年にあんだよ。」と説明するエドガー。

「ふーん、おれ興味ないぞ。 でも、なんで魔大陸が侵略してきたんだ?」
「俺も知らねんだ。 ただ魔大陸の魔王が軍を引いてが襲撃してきたんだ。」というエドガー。
「ああ、凄い昔に数度あったけど、それ以降は襲撃してこなかったのに、急に30年前からだろ。 
 防戦一方で戦力も低下している王国が、俺もふくめて助けてくれって召喚してきたよ」というカミル。
「ただ、帰還方法は魔大陸の魔王が知っているっていってもな。 俺はそれは信じられなくてな。 
 まぁ他のやつは信じてるっぽいけど」と苦笑いしているカミル。

「だよな。カミル、おまえ、戦争にいくのか?」ってエドガー。
「はぁ~、行きたくないっていってるけどな。 どうなることやら」というのカミルの表情は暗い。
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