【白銀の黒帝：1】最強のギルド隊長は、人に興味なし

4章：魔王編

突然の来訪者

魔王の宣戦布告から数か月が経過した。　
とは言っても、魔王の事は特定の上層部しかしらないので、国民は平穏な日々をすごしている。

ここはギルドの受付。　3人組が受付嬢となにやら会話、やや嘆願にちかくなっている。　
といっても会話は、濃紺の髪で髪型は長めのショートで瞳はこげ茶色で、長身痩躯の身長195CMの町人姿の男が会話しており、あとの2人は小柄で黒の外装を来てフードを被っているため性別は不明。　1人は170CM超えたぐらいで、もう一人は160CMを超えた身長だ。

「どうしてもマスターにお会いたいのですが、取り次いでいただけません？」と嘆願するのは、町人風の男だ。
「だから、何度もいっているじゃないですか。　紹介状もギルドカードもない。　身分証もない人たちを会わす事はできないんですよ。　せめて、あっちのカウンターで、ギルドカード作るとか、せめて身分証を作って戻ってきてください。　それでも会えるかわかりませんけど。」
と説明している受付嬢は、なかなか身を引いてくれない来客対応に、すこしうんざりした態度で説明していた。

そろそろ、受付内部からちらちら様子をみている上司へ対応を任せるべきかなど、考察している受付嬢だ。

町人風の男は、フードを被った170CMの小柄な連れに話しかけるのだった。
「困りました。　どうします？　紹介状とか、身分のわかるものってあります？」
話しかけられた連れは、数分悩んだ末、ワインの小樽をだして何かを町人風の男に伝えている。
「なるほど、でもわかりますかね？」といいながら、再度受付嬢に申し訳そうに話しかける。

あくまでも低姿勢なため、受付嬢もなんだかんだで無下にできないでいた。

すると、町人風の男は、ワインの小樽を見せながら「これは、賄賂じゃないんですが、この小樽のこのマークをマスターさんに見せてください。　本当に申し訳ないのですが、このマークを見せて、これを作った縁者が会いにきていると伝えてください。　本当にお願いします」と何度もあまたを下げて必死にお願いするのだった。　

そして、その必死の嘆願に受付嬢は、あきらめた様子でいう。
「はぁー。　もうわかりましたよ。　1度切りですよ。　聞いていますので、そこにずれて待っていてください」といって、ワインの小樽をもってマスター室の方へ向かった。

◇◇◇

数分後、ドタドタと階段を慌てて降りてくる音と、「ちょ、ちょっとマスター、待ってください！！　何をそんなに慌てているですかぁー」と先ほどの受付嬢の叫ぶ声が聞こえる。
マスターが、1階のフロアに到着すると、受付嬢にむかって「誰じゃ？」というと、受付嬢が、町人風の男と、小柄なフードを被った2人を指さして、「あそこに立っている3人です。　ほら2人は小さくて、フード被っている。」という言葉を聞くと、ジルはすたすたと3人の所に行く。　

そのマスターの様子におどろく受付嬢。　マスターが直々に迎えに行くことは、いままで一度もない。　一方、だたでさえ混在している1階フロア内が、突然のマスターの登場と、その直々の迎えによほど身分の高い人なのだろう周りは思う。　騒めいていた。

しかし、マスターが向かうのはその先は、町人風の男とその隣でフードを被る小柄な2人の所だ。　その様子に、受付内も騒めくのだった。　そんな、周りの状況は還りみずというより、マスターにそんな余裕はなかった。

「待たせたな。　儂が、ここのギルドマスターのジル・フリークスじゃ。　すまん、儂の部屋で話がしたいのでついてきてくれるか？」というと、3人が頷き、ジルについていった。

受付嬢は、ワインの小樽のマークをみて驚き、あの慌てぶりといい、先ほどの行動といい、一体なにがなんなのかと思ったが、受付が忙しいので自分の業務に戻るのだった。

◇◇◇
マスター室の扉をジルがあける。　中には秘書のマリアが急に職務放棄したマスターであるジルに向けてやや不機嫌に言うのだった。
「ちょっと、マスター、いきなり飛び出してどうしたんですか！　書類がたまっているのに！」
「すまんが、来客じゃ。」といって、マスターの後についてきている3人をソファーに座るように促す。

ジルが案内している客が、どう見ても怪しいのだが、そこは秘書としての仕事を全うするため声色を事務仕様の変えるマリア。
「これは、大変失礼いたしました。　では、お飲み物を用意いたします。　何がよろしいですか？」と来客に声をかけると、町人風の男が「飲み物はいりません。」と断ると、マリアは「畏まりました」といて、ジルが座ろうとしたソファーの隣に座ろうとする。

町人風の男が、「申し訳ありませんが、マスターさんのみにお話しがありますので人払いをお願いします」と頭を下げてお願いする。　「ああ、そのほうがいい。　マリア退席を。　あと、当分わしが良いというまで入室禁止にしてくれ」指示すると、マリアはしぶしぶ従い、マスター室を退出するのだった。