【白銀の黒帝:1】最強のギルド隊長は、人に興味なし

八木恵

文字の大きさ
71 / 201
3章:学生編

合宿2日目①

しおりを挟む
Side:イアン

合宿2日目。
朝食を終えて時間は9時半。 生徒達はすでに準備を済ませて、グランドに集合している。 疲れもなく元気である。

イアンは、既にテントにて準備中だ。

生徒達の前にグランが今日の課題を伝えるのだった。
「今日の討伐対象は、Cランクのダークウルフ 4匹か、昨日と同じワーウルフ 8匹だ。 グループの成績によって討伐対象が変わる。 Cランクに挑むグループは、森からはいって12KMまで侵入可能だ。
 知っての通り、7KM範囲を超えると、森も少しずつ暗くなる。 ウルフ以外の魔物もいる。
暗い場所は危険だ。 12KM内だろうが、近づくんじゃねーぞ。 死にたかったら別だがな。
 Cランクはどのグループもいいというわけじゃねーぞ。 今までの成績と昨日の結果をみて、各担任の承諾を得たグループだけだ。それ以外のグループはDランクだ。 移動範囲も昨日と同じだ。
成績は、CにしようがDにしようが、ケガなく時間までに戻ってきたほうが良い。 時間までに討伐できなくても心配すんなぁ。 自分の足で帰ってこれたほうが成績が良いんだぞ。
 あと、昨日体力がつきて動けなくなった奴や、魔力枯渇した奴がいる。
自分の体力、魔力は把握して無理せず、適度な休息をするんだぞ。
 最後に、いままで合宿で初日で怪我でリタイアするグループが毎年10は出る。 最悪の年は死亡者もいる。
今回は、枯渇したグループが1つだ。 過去、こんな事は無かった。
 そこで、お前ら、勘違いするなよ。 お前らが優秀なんかではない。 護衛と討伐補助にきているギルドの人達のおかげだ。 多分、幾つかのグループは助けてもらっているよな」

と、その言葉にうなずく複数の生徒達。 
グランは勘違いした生徒がいないかを見渡してから、話しを続ける。
「討伐対象以外は、襲われそうになった以外は無駄な殺生するなよ! では、担任に討伐対象を確認後、各自出発。 以上、解散」

各グループが担任に申請後、合宿所の砦から出て行くのだった。
イアン以外の隊員メンバーも自分たちの持ち場へ移動を開始するのだった。

生徒達が出払ったあと、教師陣も昨日と同じ場所へ移動。 
グランもイアンのいるテントへ紙をもってきて、イアンに紙を渡す。
紙には、Cランクに挑むグループがリストで書いてあった。 数は多くない。それでもリストをみて溜息をつくイアンだ。

「はぁあ~。 炎帝君のいるグループは、まぁいいっすが、結構貴族のグループ多いっすね。 先生が、あんなに成績に響かないって言っているのに。 何事もないといいっすけど。。。 この範囲、我々が追いつくのギリギリなんすよね」

イアンの言葉に、グランが同意しながら、言うのだった。

「貴族ってのは、力を見せつけたがるんでね。 俺のクラスは、一応5大貴族のボルト家の嫡男と、サンド家の次女がいるんですが、そのグループはいけると豪語してましたが無理やりDランクにしておきました。 ただ、出るときにイグニス家の次女がCランクらしくって、悔しそうな顔してたんすよ。 勝手しなきゃいいですが。 面倒は勘弁ですよ。 追いつくのが大変って、やっぱりギリギリっすか?」

おいおい、それ隊長がよく言うフラグって奴じゃないっすよねと心の中でつぶやくイアンだ。

「追いつくのギリギリって、説明不足っすね。 隊長の処理速度に、俺がおいつけなくなって、指示が遅くなっちまうんですよ。 つまりタイムラグがでちまうっすよ。
 まぁ、最悪隊長に出てもらえれば大丈夫なんっすけど。 あの人、索敵、指示だし、討伐と複数を同時処理できるんで。」

グランは、そんなシュンの能力に驚きつつも、少し安堵した顔になるのだった。。
実際、動くのはリンだが、グランはリンが暗殺者だと知らないので、イアンは言わなかった。
イアン経由でなく、リン、サルとカイについては、シュンが同時で念話で指示しているのも言っていない。

「あー、期待させてなんですが、隊長 極度の面倒くさがりと、かなり常識離れしてんで、生徒さんが危険でもふーんとしか思ってませんよ。 自分が全てですから。 しかも、隊長って、任務じゃなきゃ動かないし、人助けなんで言葉知らないっすよ。 しかも、今回の任務は、危険を知らせるまでですから。」と不安な言葉をいうイアンだ。 

グランは、シュンを思いだし奴はそうだったと納得しつつも、生徒達が馬鹿な事をしない事だけをただ祈るのであった。

ある程度、時間が経過したところで、昨日と同様にイアンの指示が始まる。 
今回は、リンも動いている。 範囲が広いので間に合わないのであった。

15時ぐらいになると、ちらほら戻るグループがいる。 
すると、炎帝グループも戻ってきた。 疲れはあるが誇らしげな顔をしていた。 ロイも頑張ったようだ。 グランが彼らを労わっていると、イアンがグランを大声で呼ぶのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」  ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...