高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

外伝：俺の高校生活の話でもしようか

襲名式

とうとうこの日がやってきたよ。　昼から本家はさわがしく準備している。
俺、俺は、母さんに紋付はかまを着せられてる。　自分で着れるけど、風習みたいなもの。

「とうとうこの日がくるとはね」って母さん。　今日は天然じゃないのか。
「そうかね」って俺。
「そうよ」って母さん。

「若、そろそろ」ってヤユリ。
「はいはい」って俺。

「陸、がんばってね」って母さんに送りだされた。　同じ屋敷内でおこなうんだけどね。
「はいよ」っていって部屋をでる俺。

通路をあるくといつのまにじゃないけど、俺の側近として、青、首なし、河童、ヤユリ、ユイがついてくる。
「若の到着です」ってヤユリが襖をあけると、上座だよね。
すでに大幹部と幹部たち、一部古参など降格や新たに昇格させたり人事はあるけど、主な面子はジジイの時から変わってない。　ユキは幹部にした。
ジジイ以外はみんな頭さげてる。　厳粛だよ。

俺が中央にすわると居直る。
「陸が、これから、怪良組の三代目総大将としてまとめていく。　あと表じゃ長年不在じゃった、三枝グループの会長だ。」ってジジイ。

「これから俺が三代目としてまとめていく。　ただ、まだ妖怪としても若輩者だ。　ご指導ご鞭撻のほどよろしく。　俺としては、闇夜が薄くなるこのご時世だが、人間にとけこみつつよき闇夜にしていきたい。　以上」って俺口上苦手なんだよね。

「「「はっ、三代目」」」ってみなさん一斉に頭さげたよ。

「はい、堅苦しのはここまで。　んじゃ宴会ね」って俺。　ジジイ、苦笑しないでほしい。
そしてこの日、俺は怪良組三代目総大将になった。　若干16歳のまじ若造がだよ。
皆さんいいのかねっておもいつつ、宴会じゃわいわいがやがやといつもより以上のどんちゃん騒ぎだ。
俺はそれながめつつ、酒のんでキセルふかしてる。

「陸、お前はどんな組にするんだろうな」ってジジイ
「さあな。　小間妖怪たちが楽しくすごせる組かな」って俺。

そういったらジジイが笑って、酒そそいでくれた。