高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

八木恵

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外伝:俺の高校生活の話でもしようか

俺が退学した後

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Side:海
今日も1人、高校に通学。 若はまだ万全じゃない。
もうしばらく復学に時間がかかりそうだ。

そしてホームルームの時間。
「入院中の野呂瀬だがな、昨日夕方きてな、退学届けを出していった。 理由は、まだ入院しなくてはいけないらしくて、ただでさえ、欠席しがちだったが、このままでは出席日数が足りなくなるって事での退学だ。 親の手伝いをしながら大検を受けるそうだ。
変な子供じみた噂が流れているが、来年度はお前達受験生だからな、気をひきしめろよ。」って小早川先生だ。

え! 若が退学した。 昨日会った時はそんな素振りもしてなかった。
いやまて、いつもより穏やかだった。

周りは噂が本当で辞めたとか、でも若の出席日数がギリギリなのは本当だ。
結局、出席日数の関係で退学したっていうが、大半の意見に傾いている。

「鳳来君、野呂瀬君が辞めるの知ってたの?」って一ノ瀬だ。
「いや、今日、先生からの言葉で初めてしった。」
「それで、野呂瀬君って本当に妖怪と人間のハーフなの?」って一ノ瀬だ。 なんども聞かれてる。
「妖怪とかそんなわけないだろ。 俺、そういうの信じないから。 ちなみに、陸の出席日数がギリギリなのはしっていた。 本人もそれがわかっていて、留年より退学を選んだんだと思う」って俺だ。
「そ、そうだよね」って一ノ瀬。

ちょうど、チャイムがなって授業だ。
あっという間に若の退学の情報は、他クラスにも広がった。

今度は東がきた。 ちょっと、面倒だ。
「あの、鳳来君、野呂瀬君が退学したって。 やっぱり、あの噂が本当だから?」って東。 あいかわらず周りくどい。
「陸が退学したのは本当みたいだ。 俺も今日初めてしったし。 噂のことなんて、意味がわかないけど、ただ出席日数がギリギリでこのまま入院が長引けば足りないってのは本当だったから、留年より退学を選んだみたいだ」って説明する俺だ。
「そう。」とだけいって、去っていた。

授業が終わったら、若の真意をききたい。

◇◇◇
Side:東百合
あの京都で助けてくれた人と、修学旅行で助けてくれた人は同一人物。
私が探していた人だった。 でも、あの妖気。 妖怪だったなんて。 もし噂通り、野呂瀬君が人間と妖怪のハーフたどしたら、あの人が野呂瀬君って事よね。
妖怪が人間を助けるなんて辻褄があわないけど、野呂瀬君なら、人間と一緒に生活している彼なら助けてくれる理由がわかる。

本人に確認したいけど、入院しているらしくて、しかも面会謝絶。
そしたら、今日、退学したって聞いた。

鳳来君に聞いたけど、このまま入院が長引けば出席日数が足りなくて、留年するより退学したほうがいいって事で退学したっていってる。

どうしよう、このままお礼もいえないの。
「よし、少ししたら自宅にいってみよう」って心に誓う私。

◇◇◇
Side:陸
高校退学した翌日、身体の調子もだいぶ楽になって、軽い運動くらいはできるようになった。
なんかすがすがしいね。
「若! ききましたぞ」ってカラス。
「なんの話?」って俺、ストレッチしてる。
「とうとう継ぐ覚悟をしたって総大将から!」ってパタパタ喚いてるカラス。
「その事ね。 幹部会で承認されたらでしょ」って俺。
「承認されるにきまってます! さぁ若、勉強しますぞ」ってカラス。
「あのさ、俺まだ病人なんだから、まだ休ませてよ」って俺。
「何をいってるのですか! これから本格的に学んでいただきます!」って、キラリって感じになってるカラス。
「はいはい、わかりました」っていって、さっそくカラスの講義。

「なぁ、カラス。 これっていままで課題とかいってやらしてない?」って俺。
「いままでは課題ですが、これからは実践です」って言われた。 なんか、解せぬ。

夕方になったら、海がきた。 来た理由はわかってるんだけどね。
「若、なぜ教えてくれなかったんですか?」って海。
「教えたら、海も辞めるとかいいそうだったし。 海は、表の都合上、大学いかなきゃいけないしね」って俺。
「確かに。 それで、若、これからどうするんで?」って海。
「そうだね、独り旅にでもでようかな」って俺。
「若! 冗談はやめてください」って海。
「うそうそ、幹部会で承認されたら、この組つぐよ」てさらっといっておいた。
「わかぁ~。 よくご決断を」って喜んでるよ海のやつ。
「まだ内緒だよ。 海だから言っただけで、まだ知ってるやついないからね」って俺。
「陸、わかった」って海。 親友モードでの承諾だ。
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