高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

八木恵

文字の大きさ
上 下
397 / 405
外伝:俺の高校生活の話でもしようか

俺が退学した後

しおりを挟む
Side:海
今日も1人、高校に通学。 若はまだ万全じゃない。
もうしばらく復学に時間がかかりそうだ。

そしてホームルームの時間。
「入院中の野呂瀬だがな、昨日夕方きてな、退学届けを出していった。 理由は、まだ入院しなくてはいけないらしくて、ただでさえ、欠席しがちだったが、このままでは出席日数が足りなくなるって事での退学だ。 親の手伝いをしながら大検を受けるそうだ。
変な子供じみた噂が流れているが、来年度はお前達受験生だからな、気をひきしめろよ。」って小早川先生だ。

え! 若が退学した。 昨日会った時はそんな素振りもしてなかった。
いやまて、いつもより穏やかだった。

周りは噂が本当で辞めたとか、でも若の出席日数がギリギリなのは本当だ。
結局、出席日数の関係で退学したっていうが、大半の意見に傾いている。

「鳳来君、野呂瀬君が辞めるの知ってたの?」って一ノ瀬だ。
「いや、今日、先生からの言葉で初めてしった。」
「それで、野呂瀬君って本当に妖怪と人間のハーフなの?」って一ノ瀬だ。 なんども聞かれてる。
「妖怪とかそんなわけないだろ。 俺、そういうの信じないから。 ちなみに、陸の出席日数がギリギリなのはしっていた。 本人もそれがわかっていて、留年より退学を選んだんだと思う」って俺だ。
「そ、そうだよね」って一ノ瀬。

ちょうど、チャイムがなって授業だ。
あっという間に若の退学の情報は、他クラスにも広がった。

今度は東がきた。 ちょっと、面倒だ。
「あの、鳳来君、野呂瀬君が退学したって。 やっぱり、あの噂が本当だから?」って東。 あいかわらず周りくどい。
「陸が退学したのは本当みたいだ。 俺も今日初めてしったし。 噂のことなんて、意味がわかないけど、ただ出席日数がギリギリでこのまま入院が長引けば足りないってのは本当だったから、留年より退学を選んだみたいだ」って説明する俺だ。
「そう。」とだけいって、去っていた。

授業が終わったら、若の真意をききたい。

◇◇◇
Side:東百合
あの京都で助けてくれた人と、修学旅行で助けてくれた人は同一人物。
私が探していた人だった。 でも、あの妖気。 妖怪だったなんて。 もし噂通り、野呂瀬君が人間と妖怪のハーフたどしたら、あの人が野呂瀬君って事よね。
妖怪が人間を助けるなんて辻褄があわないけど、野呂瀬君なら、人間と一緒に生活している彼なら助けてくれる理由がわかる。

本人に確認したいけど、入院しているらしくて、しかも面会謝絶。
そしたら、今日、退学したって聞いた。

鳳来君に聞いたけど、このまま入院が長引けば出席日数が足りなくて、留年するより退学したほうがいいって事で退学したっていってる。

どうしよう、このままお礼もいえないの。
「よし、少ししたら自宅にいってみよう」って心に誓う私。

◇◇◇
Side:陸
高校退学した翌日、身体の調子もだいぶ楽になって、軽い運動くらいはできるようになった。
なんかすがすがしいね。
「若! ききましたぞ」ってカラス。
「なんの話?」って俺、ストレッチしてる。
「とうとう継ぐ覚悟をしたって総大将から!」ってパタパタ喚いてるカラス。
「その事ね。 幹部会で承認されたらでしょ」って俺。
「承認されるにきまってます! さぁ若、勉強しますぞ」ってカラス。
「あのさ、俺まだ病人なんだから、まだ休ませてよ」って俺。
「何をいってるのですか! これから本格的に学んでいただきます!」って、キラリって感じになってるカラス。
「はいはい、わかりました」っていって、さっそくカラスの講義。

「なぁ、カラス。 これっていままで課題とかいってやらしてない?」って俺。
「いままでは課題ですが、これからは実践です」って言われた。 なんか、解せぬ。

夕方になったら、海がきた。 来た理由はわかってるんだけどね。
「若、なぜ教えてくれなかったんですか?」って海。
「教えたら、海も辞めるとかいいそうだったし。 海は、表の都合上、大学いかなきゃいけないしね」って俺。
「確かに。 それで、若、これからどうするんで?」って海。
「そうだね、独り旅にでもでようかな」って俺。
「若! 冗談はやめてください」って海。
「うそうそ、幹部会で承認されたら、この組つぐよ」てさらっといっておいた。
「わかぁ~。 よくご決断を」って喜んでるよ海のやつ。
「まだ内緒だよ。 海だから言っただけで、まだ知ってるやついないからね」って俺。
「陸、わかった」って海。 親友モードでの承諾だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~

真心糸
ファンタジー
【あらすじ】  ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。  キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。  しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。  つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。  お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。  この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。  これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

処理中です...