高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

3章：総大将の帰還

俺が帰る場所

久美をお姫様抱っこしながら、俺の中では空白の200年という時のうつり変わりをみながら、走って移動中。
「だいぶ、人間が増えたんだな」って俺。
癒しの泉の周りも開拓されていた。　
本来は妖怪しかたどり着かない場所なのに、200年という時でさらに闇夜が薄くなったのかもしれない。
住宅もふえて、高層化がすすんでるけど、緑地開拓だけされている感じだ。

「食文化にはあまり変化はありませんわ。」って途中でよった店で食べてる。
って、蕎麦だけどな。
食べ終わって店をでる俺達。
「人間のセキュリティはあまり、俺には意味ないな」って俺。
「ですわね。　妖怪対策なんて、今や少ないのかもしれませんわ。　陰陽師も激減してますしね」って久美

そうなのか。
「うん、はいりずらい」って俺、まじ今本家の門の前にいる。
「自分の家ですよ」って久美。

「お兄ちゃんとお姉ちゃん誰？」って家からでてきたガキだ。
「誰？　このユキのちっちゃい番」って俺。
「星さんとユキさんの子供の小雪ですわ」って久美が小耳に教えてくれた。
え！　ユキと星ができたのかよ。　そっちがびっくりだよ。

「よし、こっそりはいるか」って言って、久美かかえて、屋敷にはいった。
「あれ？　いなくなった」って小雪。

屋敷を歩く俺。
河童は、池で水浴びしてるし、首なしは掃除している。
青は庭で鍛錬していて、ヤユリ、ユキは土間にいる。　ヨウは、小間妖怪たちと遊んでる。
カラスはなんか一回り小さくなったけど、忙しそうに動いてる。

大広間の上座には、妖魔刀が飾られてる。
婆さんの形見で、ジジイがずっと手放さなかった小太刀、そして、烈にもたせた妖魔刀と小太刀だ。
俺の妖魔刀は、俺が魔界にもっていってるから、今、帯刀したまま。　だけど、いつでも飾られるように空白になってる。

ジジイが持ってた妖魔刀をとって、鞘から抜く。　いい刀だ。　戻しておくけどな。
烈がつかってたのも、鞘から抜く。　辰巳の最高傑作だなって思うよ。

さて、次はって、やっぱり部屋かっておもって俺の部屋にいく。
「変わってないな」って俺。
「皆で維持してましたのよ」って久美。
「のむか」っていって、さっきくすねておいた酒をおちょこにいれて久美と飲む。

そして夕食の時間だ。
いつも通り、小間妖怪たちがわいわいがやがやしてる。
「久美殿、妖力がもどってなによりだ」ってカラスが泣いてるよ。
「久美さん、さぁさぁ、のんで、のんで」ってヤユリ。　あいかわらずだな。
酒のんで、その辺の食べ物つまみながら、光景をながめてる。

「さっきのお姉ちゃんが、久美様だったんだね。　あのお兄ちゃんは？」って小雪。
覚えてるのね。
「小雪、何をいってるの？」ってユキ。
「玄関の所で遊んでたら、久美様と一緒に、銀髪のお兄ちゃんがいたの。　でもいなくなっちゃった」って小雪。
「久美殿！」ってカラス
「「久美様」」」ってみんなはもってるよ。
「おほん。　えーとですね。　ではなくて、陸様、もういい加減に姿を現したらいかがですの！」っていわれてしまった。
でもなぁ～。　キセルに火をつけて一服。
「陸様！　どうせ近くにいるんでしょ！」って久美に怒鳴られた。
「ただいま」って妖術といたら、みんな目をおおきくして口あんぐりしてる。
「あ、お兄ちゃん」って小雪。　うん、新鮮な反応ありがとう。
「「「「総大将」」」ってみんな俺にむかって突進してきた。　っていうか、泣いてるし。
認識ずらしてよける俺。　それを追いかける本家のやつらっていう図式に久美わらってるし。