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2章:俺の双子たちの話

俺と水無の誕生日

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四葉学園にはいって、6月になった。
昨日は金曜だったから、朝帰りした。 昼まで寝るつもりで布団にもぐりこむ俺。

「烈、私、誕生日おめでとう!」って水無。
「水無、おめでとう」って俺、布団にもぐりこんでいっておく。

「烈、おきて。 出かけようよ」って水無。
「俺、さっき帰ってきたばっかだから、寝かせてくれ」って俺。 もう眠い。
「お父さんに聞いたら、成人したら誕生日会しないっていうんだもん。 だから、出かけて、ケーキたべようよ」って水無。
「それ、今すぐじゃなくたって、いいだろ」って俺。
「せっかくだし、東京観光もしたいんだもん」って水無。
「どこに行きたいんだよ」って俺。
「ネズミランド♪」って水無。
「それ、千葉だから。」って突っ込む俺。
「それに、俺、人間多い所、苦手だし、いきたくない」
「えー、お父さんと同じ事いう。」
って、オヤジにも頼んだのかよ。
「ほら、根岸さんでも誘えよ」って俺。
「美樹ちゃん、今日は他の子とでかけて駄目だって。 もう、海斗も剛も実家だし、烈しかいない!」って水無。
だめだ、これ言ったらきかないパターンだ。
「わかった。 でも、2時間だけ寝かせてくれ」って俺。
「よし、2時間後よ」って言って、部屋から出ていった。

◇◇◇
俺はきっかり2時間でおこされて、水無とネズミランドにきている。

「楽しかった!」ってアトラクションのってはしゃいでる水無。
俺は、ラフな格好で、オヤジと同じでキャップ被ってる。 まじ、この髪色、目立つからな。
水無は、はじめワンピースでいこうとしたけど、ここまで走ってくるから、パンツはかせた。

「次、あれ」って指してるし。 また、長蛇の列。
「烈♪」って、俺の服をにぎってきてる。
「へいへい」って、すり抜けて前列に到着。
「本当、その能力ってこういう時に便利だよね」って水無。
そういう家系だからな。

こうして、あれ食べたい、これ飲みたいという水無のリクエストにこたえる俺だよ。

夕方には、全てのアトラクション制覇。
「なぁ、満足したか?」って俺。
「うん、烈、ありがとう」って笑顔の水無。

「そう言えば、2人で出かけたの初めてだな」って俺。
「そうだね♪ あ、そうだ。 ちょっと待ってて」っていって水無が店の中にはいっていった。
しばらくして帰ってきた時にはふくろをもってる。
「烈、今日つきあってくれたお礼と誕生日プレゼント」っていって渡してきた。
「ありがとう。 金はらったのか?」って、俺。
「当たり前じゃない。 だって、父さんと烈とちがって、お金もってるもん」って言われてしまった。

あけたら、マスコットキャラに紐がついてる。
「なにこれ?」ってまじ、利用用途がわからん。
「うそ! 知らないの。 仕事用じゃないスマホかして」って言われて、だした。
ただいま、俺スマホ3台もってる。
不器用な水無がなにかしてる。
「できた。」っていって渡されたら、スマホにくっついてるよ。
「ストラップっていって、スマホにつける飾り。 普通の高校生ならつけて当たり前だから」って水無。
「へぇ~、お前、そういうのよく知ってるよな」って俺。
「翠ちゃんが教えてくれるから」って言ってるよ。

その後は帰宅。 もう夕食時だ。
「ケーキ食べてなかったな」って俺。
「あ! 忘れてた」って水無。
「今年はなしだな」って俺。

「お前達帰ってきたか」ってオヤジだ。
「父さん、烈に連れて行ってもらった」って水無。
「無理やりな」って俺だ。
「あはは、まぁ、よかったんじゃねぇー。 飯の時間だぞ」ってオヤジ。

座敷は、もう騒いでる。
俺達がいくと、
「若、水無お嬢、お誕生日おめでとうございます」って本家にいる妖怪たち。
中央にはリボンのかかった箱だ。
「「誕生日会はなかったんじゃ?」」って俺と水無ではもった。
「する予定はなかったんだがな、久美が水無が本家にいるのも今年だけだからっていって、送ってきたんだ」ってオヤジ。
「「母さんが!」」ってまたはもった。
「あはは、双子だな」ってオヤジだよ。

料理もちょっと豪勢で、かついい時間に今年は水無と一緒にリボンを外して、ろうそくの火も消すのも一緒にした。 プレートに2人の名前が書いてあったのも新鮮だった。
小間妖怪たちの催促に、水無は笑ってたけどな。

もうないと思ってた誕生日会が今年は特別にあって、なんだかんだと水無と一緒にいろいろした日になった。
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