高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

八木恵

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2章:俺の双子たちの話

俺のガキの変化

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Side:陸
烈も水無も今日で15歳、妖怪でいうと成人だ。 早いもんだなって思って、今日も見回り終わって、帰宅したらユキが騒いでる。

まさかなって思って、烈の部屋にいったら、俺が15歳に体験した事が烈にもおきた。
会話して、落ち着いたみたいだからな。
とりあえず、俺は寝るかっておもって俺の部屋にいる。
「三代目、若は落ち着いたみたいです。 では私は学校にいきますね」ってユキが襖ごしにいってきた。
「了解。 ユキも気を付けて」って言っておいた。
「はい♪ いってきまーす」ってドタドタ走る音。

寝るかっておもって寝る俺。
「俺、寝たよな」って俺は、桜のさく木の所にたたずんでる。
「陸、だいぶ妖力と技量は成長したな。 姿、形はかわらないけど」ってその声、オヤジ。
ふりむけば、やっぱり昔とかわないオヤジの姿だ。
「オヤジ、どうした? 烈の所にも現れたんだろ?」
「まぁ、飲もうぜ」って相変わらずのオヤジだ。
酒のみあって、お互い、キセルふかしてる。
「烈の所へは、時間なくてな、ちょっとしか会えなかったが、お前とそっくりだな」って笑ってるよ。
「オヤジは、婆さんに似てるから、黒髪だよな」って俺。 オヤジは容姿は、ジジイと婆さん両方に似ていて、黒髪だ。 ジジイは今剥げてるけど、元が銀髪。
「あはは、それでも顔は俺にだって似てるだろ」ってオヤジ。
「少しな。」って俺。 オヤジ、美形だし。
「それより、俺に会いにきたってどういう事だ?」
「ああ、俺の最後の厄介だ。」
「どういう事だ?」
「俺の最後の妖力を陸、お前にわたす。 役に立つといいがな。 烈には、俺の残っていた妖力の三分の一と、回復能力を渡した」ってオヤジ。
「ちょっとまてよ。 そんな事したら、オヤジは」
「本当の消滅だな」ってオヤジ淡々といってるけど、それって。
「俺は、俺で努力するからよ、オヤジははやく転生の輪にいけよ」って俺。
首ふてるし。
「香菜もクズサも納得してくれた。 俺に出来る最後だしな。 それに、努力だけじゃどうしようもない時もある。 その時のためだ」ってオヤジ。
母さんとクズサさんの名前までだしやがって。
そしたら、オヤジに抱きしめられた。
「お前の中に俺はいつまでもいて見守ってる」っていって、そのまま俺の中にはいった感じ。
消えていくオヤジだ。 本当にこれで最後か。

◇◇◇
って俺、がばって起きた。
「夢だよな」って俺。
キセルに火をつけて一服。
「夢であって夢じゃないか」
誰にも言えないが、俺は寝ながら泣いてたみたいだ。
ちゃんと、オヤジを感じる。 さて、まだ昼だけど、表の仕事して烈の相手でもするかね。
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