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3章:帝都編

ハロイド君との会話 後編

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そして、夕食会。 遅れてきて僕の隣に座ったハロイド君。
案の定、食堂では一切会話しない。 
目つきは悪いけど、ロイド、ヒルダに似ているようで似てないが容姿は整っているし、アッシュグレーの髪色、それに暗め金色の瞳。 初対面で睨みつけられれば顔だけで臆するよな。 敵ばかりだ。 
実際、何もしてないのにアシュリー嬢はすごく萎縮してるしね。 
アシュリー嬢、それ相手に失礼じゃないかな。

◇◇◇
なんとか嫌がるハロイド君を談話室に入れて会話する事にした。
最初が肝心だから、驚かせようとおもってエールを闇収納から出したけど失敗した。
でもエールは受け取ってくれて飲んでくれた。
自分の話ししたら、笑いだした。 へーいい笑顔だ。 自暴自棄じゃないな。

「俺はもう自分の道決めたんだ」っていう。 意味わからなかった。
「既に槍諦めて、剣に転向したんだ。」っていう。 

はぁーって驚いた。 しかも、半年以上かけて隠れて自己流で努力して、ギルドカードも作ってあってランクDだけど中級ダンジョンをソロで制覇ずみ。 おいおい、ここに剣術の天才、いやそれもあるけど努力家がいる。 
系図で縛りがなきゃ、この帝国一の剣士になるかもな。

この事は黙っていて欲しいと。 そりゃ言えないよ。 君の重荷になるだけだ。
もっと早く出逢いたかったと彼に言われた。 僕もだよ。 ヤマト国に連れて行きたかった。
 
彼に、僕の師匠が僕がランクSになった時に譲り受けた名刀ムラムサあげた。 
内乱の時に、師匠が作った愛刀のうちの1つだ。 正直、僕には使いこなせない。 
僕は自分用に作った刀がある。 ハロイド君と話して彼なら使いこなせるかもって思った。 
あとは、木刀だ。 訓練用で、必要だろう。 きっと、手作りじゃないと君の立場じゃ買えないしね。
最後に卵型の石。 ヤマトの上級ダンジョンのクリアで出てきた中の1つだけど、なんなのかなぞの石。
ギルドでも確認したけどわからない。 なんか、ハロイド君にあげたほうがいいような気がした。

その後少し会話した。 
僕も屋敷には長く滞在する予定はなかった。 朝食後にもう屋敷は出るって言ったら、「早朝には訓練でいない。 でもクロイドさんにだけ話せて良かった。 もしヤマト国いけたらいくな。」って握手して別れた。

そんな彼の手は、ちゃんと剣士の手だった。

◇◇◇

朝食時、やっぱりハロイド君はいない。
「ハロイドは、話したか?」ってロイドだ。 
「話せてたよ。 内容は、男同士の秘密だ。 ただ、僕はハロイド君にもっと早く会いたかったかな。」
「兄上が、なんだというんです?」ってフロイドだ。
「天武の才がある者にはわからないよ。 それに、ハロイド君がいないのにアシュリー嬢もいちいち萎縮するのはよくないよ」
「それは、兄上が罵倒を繰り返して。」
「半年以上前からはしてないでしょ。 それに、フロイド君の婚約者でしょ。 もう少し、その被害妄想をなんとかしたほうがいいと思うけど。」
「ク、クロイドさんは、私がどれほど虐げられたからわからないからそう言うです。」って涙目を目にためていう。 庇護よくそそるな、でも僕は死戦を潜って見る目はある。 ハロイド君がいくら目見が良くても遠ざけるよ。
「ごめん、ごめん、あくまで第三者の意見だから」って言っておく。
そしたら、フロイド君とアシュリー嬢は、席立った。 まぁ僕も若人の会話は、うんざりだ。
「フロイドは、アシュリーちゃんを守ってるのよ」って誰からだよ。
「フロイドは、アシュリーを婚約者にしてからますます努力した。」ってあんたら嫡男のハロイドを無視か。 まぁそうなるか。
「で、ハロイドは少しはやる気になったか?」 っていうロイド。 
いやいやあんたらさ、ありゃ天才の努力家だぞ。 僕はぐっと我慢した。 こいつら誰も、ハロイド君をみてない。 ため息が出る。
「なんて言うかな、ハロイド君は自分の立場も状況も理解してる。 僕が言えるのは、彼が今後、何をしようと否定しないで欲しいかな。 正直、もう家族としての修復は無理だよ。 せめて、僕が言えるのはそれだけだ。」
「クロイド、それが何なんだ!」
「はぁー、もって生まれた才の違い。 しいて言えば、もっと見てたほうがよかったんじゃないかな。 
もう時既にに遅いよ。 ハロイド君は、もう君達に心開くことはない。 出来るのは、見守るだけじゃない。」って言って、ぎゃあぎゃあ言ってたけど席立って、身支度した。

僕とロイドって本当に相性が悪い。 なんて言うのかな、ロイドって武人としては立派なんだけど、父親としてというか人として、人の表の出来しかみてないんだもん。 昔っから僕は彼とはあまり仲が良くない。
いや、違うな、彼も含めて僕は、結局のところ帝国の貴族に馴染めない変わり者だったのかもしれない。
そんな事を考えてながら、屋敷の外へ出ようとした。 もう、ここには用事がないしね。

「クロイド様」って確かフロイドの従者デニス、そして料理見習いのジョンがいた。
「もうこの屋敷からでるよ。」
「ハロイド様は?」
「昨夜話したよ。 内容は、男同士の秘密だ。 でも、第三者の立場からしてここにはハロイド君の居場所はないね。 関係の修復も遅過ぎだ。 彼が自由になるといいけどね。」
「やはり、旦那様も奥方様もハロイド様の努力は気づかずですか。」っていうデニス。
僕は驚いた。 ハロイド君、味方いるじゃん。ちゃんと君の事を見ている人がいるよ。 
「グロイド様、これ持っていってください。」ってジョンが手帳をくれた。
「これ何?」
「旦那様も奥方様も誰1人信じないんですが、米料理も柔らかいパン、ほか料理最初に作ったのハロイド坊ちゃんです。 
 グロイド様がヤマト国に戻られるって聞いて、俺ここに来る間いろいろレシピ聞いたんっす。 
 ダイズってあるの聞いて、ヤマト国でも使い道に困ってるって聞いていろいろ坊ちゃんに聞いたんす。 
 全部、使い道やら聞いたんで、是非持っていってください。 坊ちゃん、いろいろ勉強して、全部1人でできるんっすよ。 でも、俺達には話してくれないんで、少しでも話したクロイド様ならって思ってこれたくします」ってジョンだ。

「内容は、後でみるよ。 ハロイド君は、僕が見た限り人を信用しない。 常に一線おくけど、味方が増えるといいな。」

「「わかってます」」っていうデニスとジョン。
「僕は第三者、ハロイド君の幸せをねがうよ。 じゃあね」って別れた。

その後、いろいろ手続きで、ヤマト国にむかう船でジョンに貰った手帳を見た。 
肥料用途でしかないダイズ。 それの幅広い可能性が全て記されてる。 生なら茹でて、塩でまぶせば枝豆。 
発酵させれば醤油、味噌になる。 魚醤が主流のヤマト国だ。 それから、餅米、白玉、甘味利用もだ。 
僕は、船の中、彼が見たこともないはずの食材利用に感服した。 食文化革命だ。 
ハロイド君を無理にでも連れ出すべきだったと猛省した。

本当、早く出会ってればば。 彼の言葉が頭をよぎる。 もう学園だな。
叔母には、彼を見守るようにって手紙だけだした。
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