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5章:学園都市編

弟子たち 最終学年の日々①

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リオンとレイモンドにとっては最終学年の始業日だ。
といってもクラスは同じでスケジュールも後期と同じ時間割りで内容の難易度が上がっていくだけだった。 
その日は午前中で終わり、時間割りをシュン達に見せながら当面の訓練内容を考えていく。 
基本、日曜は隔週で島とダンジョン攻略となり、変更点は水曜の放課後だ。 
シュンと模擬戦としていたが、シュンと一緒に討伐依頼をこなすことになったのである。 
シュンが武器を持って戦うのを見た事もない2人、それによって実践の中でシュンの戦略を学ばせる意図もあった。


カールの調査により、魔物達がやや活発化してきているというのもあったためでもある。 
依頼は、学園長がドニ用意させ、リオンとレイモンドが放課後ギルドに受注しに行く手はずにしてある。

そしてこの日、リオンとレイモンドは、初めてシュンとの討伐だ。 
依頼内容はワイバーン700である。 準備をして中庭にいくとシュンは黒の戦闘服に黒ローブでフードを被っている。 タバコを吹かしながら、シュンが「準備はいいな、んじゃぁいくぞ」といった瞬間に転移する。 

目の前には、ワイバーンの群だ。 
「おめら、ボサッとしねー。 左300はおめらがやれ、右は俺がやる。 血ぃあびんぞ。 行け!」という掛け声とおもに、右へいくシュンは既に双剣が握られている。 
我に返ったガキ共も各々の武器や魔術でワイバーンを殺していく。

1時間後、討伐が終わったガキ共が俺のほうを見ると、とっくに終わっている。 
タバコを吹かし、エールを飲んでいるのだ。 そんなガキ共が俺の方に向かってくる。
「戦いながら武器の選定はまぁ悪くねぇーな。 が、まだちっと視野が狭いな。 
リオン、雷のコントロールがまだ甘いぞ。 常に周りを見ろ。 索敵をはり続けろ。 
レイ、お前は身長はあるが力がねぇ。正面から戦うのを避けろ。
それに、レイお前もだ、周り、敵、仲間の位置を常に把握しろ。」

 「「はい」」といい、レイモンドが「師匠は、いつの間に終わったんすか」と言われ、俺がレイモンドの頭をはたきながら「周りが把握できるようになりゃわかる」といっておく。 

「リオン、お前らが殺った分は浄化しろ。 」
俺は、山となった400死骸を白炎で浄化した。

リオンはシュンと自分達の違いをみて気付く、自分たちはのほうは、広範囲にわたって死骸があり、纏まっていないのである。 リオンは風で死骸を集めてから浄化した。 
浄化が終わったあと、
「師匠、さっきのが白炎っすか?」ってリオン。
「ああ、そうだが。」って俺。
「初めてみたっす! かっこいいっすね」とちょっと目を輝かしているリオン。 レイモンドも同じだ。

「そういやそうだな。 白炎は、特殊魔法で俺しか使えねぇ。 燃やすこともできるし、浄化もできんだ。 だから、浄化の時に、俺は白炎をつかってんだ」
「師匠、なんで浄化魔術は使わないっすか?」と聞かれてしまった。

そこ、聞いちゃうよな。 俺はすんごく嫌な顔をしていう。
「俺の浄化っていうか光系な、なんかしんねぇーが、すんげーキラキラすんだ。 それがイヤで使わねんだよ。」

「キラキラって、師匠に似合わないっすね。 っぷ」といって笑っている。
まぁスルーだ。 スルー。
「血塗れだ。きれいにすんぞ」と俺が洗浄魔術を使おうとすると、「僕も洗浄魔術覚えたいんすけど」というレイモンドだ。 
「魔方陣だしてやんから覚えろ」といって俺は魔方陣をゆっくり展開してだし、ついてに自分達に魔術をかけた。 

「お湯にして、やや温めの風で乾燥させて、 うん師匠ほどじゃないけど似たのはできる」とぶつぶついっているレイモンド。 
「レイ、帰りはお前の転移な」と、我に返りさせて、食堂に戻った。 

その後、ガキ共は着替えてギルドに報告へいき、俺は自分の部屋に戻るのだった。
こうして、リオンとレイモンドは、シュンと依頼をこなすことで戦闘に幅ができ更に飛躍的に成長していくことになる。

◇◇
それから数ヶ月が経過して食堂の閉店時間となり、みんなで食事をしている時のことだ。 

「僕、師匠が前にいってたマナが薄くなる原因って、精霊なんじゃないかと思う。 
2年の後期から精霊魔法や、クラスメイトとギルドの依頼で奴らの精霊魔法を見る度に違和感あるんだ。 
奴ら魔力量はそんなにないし、魔力コントロールもできてないのに、魔法の威力はまぁまぁなんだ。 
やつらが精霊魔法使うとき、周りのマナが少なくなったままなんだよな。 
僕もじっくり観察したわけじゃなくて、上級精霊付きが周りに多いから、なんとなくそう思った。」ってレイモンド。

「竜達もいっていたな。 クラスメイトの奴らが精霊魔法使うと、竜魔術が使いづらいって」ってリオン。
「師匠、精霊ってなんだ? 女神の使徒っていわれてるけど。。」というレイモンドの言葉に、リオンが何かに気付いたのか勢いよく立ち上がる。
「なぁ、創成記には、女神の話はない! 500年前に皇国が教会作ったとき辺りから女神っていう話が。。。 えーと、女神ってなんすっすか?」といって俺達をみるのだった。

カールもリンも微笑みながらリオンとレイモンドを見て、そして俺のほうをみた。
やっと気づいたのかと思い、俺はエールをリオンとレイモンドに渡して、タバコに火を付けて一服する。
「話しが長くなるから、飲みながら聞け」といって俺は語り始める事にした。

それは、女神の存在のこと、この世界に対して時々厄介事を作り出していた事。 
勇者召喚をしようとした事、500年前にステータスを作り、加護と称して精霊を生み出した事。 
女神は常に人間贔屓でとうとう神獣を悪としてしまい、創造神により神獣達を非難させた事。 

「俺も精霊魔法みるまでは、マナを精霊が溜め込んでいるのは気づかなかったよ。 
今、この世界の図式は、今も1部残る神獣と魔物、人間、精霊となっている。 
共に共存していくのであれば、マナは少なくとも時間とともに循環していく。 
だが、どれか一つが覇権を争えば、あっという間にこの世界は乱れる可能性が高い。 
精霊が人間を支配しねぇ事を祈るんだな」

「俺たちは、何もできないな。 精霊に嫌われてるしな。」
「うん、そうだね」という。
 「ああ、そうなるな。 俺たちは動向をみているしかねぇ。 が、お前達はこの世界の人間だ。 
巻き込まれるかもしんねぇー。 そん時、俺らは動かないだろう。 
なんせ、俺らはこの世界がどうなろうが知ったこっちゃねぇーしな。 自分で見極め、自分の身は自分で守れ。」と俺は口元を吊り上げいう。

そして、ガキ共はお互いを見てから俺たち見て力強い目で無言のまま頷くのだった。
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