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2章:ギルド編

ギルドの内情 前編

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さっきからジムはどうも溜息ついていて、既に面倒ごとになってるみたいだ。

「何かあんのか?」って聞いてみた。
「ああ、ギルドを敵視しておってな、他傭兵団の団員達をとりこんで、ギルドと同じようなことをしておるんじゃ」
「任務の奪い合いか?」
「ああ、その通りじゃ。 王都と魔道国家は、ギルドに依頼がくるからいいんじゃが、やつらは拠点を商業国家と海洋国家に置いてあってそっちはもうほとんど奴らのほうに依頼がいっており、中には隊員も引き抜かれておるんじゃ」って頭抱えてるジム。
「なんでだ?」
「さっきいった4人が、今は殆どいない単独転移ができるんじゃ。 なので、討伐依頼の達成も早くてな、単独で転移でだいたい数十単位の魔物討伐が可能じゃ。 
一方、ギルドの移動は設置型魔法陣での移動で、行けるのは各ギルドへの移動と辺境地への移動のみじゃ。 
複数で移動が可能じゃが、到達時間が間に合わなくて先に討伐されてしまうんじゃ」とガックシしてる。
「それに、一般任務も、他の団員達が請け負うもんで、特に商業都市と海洋国家、最近じゃ臨海国家まで手をひろげて、ほとんど奴らが任務をうけており、隊員達の数もへっておるのが現状じゃ。 
しかも、商業国家と海洋国家におる貴族どもは、奴が黒帝の生まれ変わりというのを信じきっているせいもある。 もちろん、そこの国民達もじゃよ。」と溜息まじりでいうジム。


「ふーん、大変だな」ってしか言えないな俺。 人間同士の争い事には興味ないしな。
「すまん、愚痴ってしまったのじゃ。 まぁ、このままだとギルドの存続が危ないっていう状況じゃ。
 なので、あまり皆さま方の要望を叶えらえるかどうか。。」
なるほど、そういう事か。
「魔道国家は、フローシア王のよ采配で、ギルドが大丈夫なのはわかんが、今回の国王がまともなのか?」って俺、タバコふかしながら聞いた。
「愚王ではないが、まぁふつうじゃ。 
 貴族達は、黒帝様の生まれ変わりだと騒いでおるし、帝を認めろとうるさいんじゃ。 とはいっても、ギルドは中立じゃがから、王国として補助もなにもないんじゃ。 実際、本部の隊員たちも引き抜きにあったみたいじゃが、みな断った」というジム。
「なんでだ?」
「幸か不幸か、今、隊員の中に問題児が3人おってな、
 そいつらが勧誘の際に、団長の支持には絶対従うっていう規定が嫌だったらしくてな、興味なしで断ったんじゃ。 そやつらは、まだ若いんじゃが、近接戦特化で他隊員も団長も一目おいておってな、そいつらが行かないならいかないって断ったみたいじゃ」と苦笑いするジム。

問題児の3人って。 そっちに興味がわく俺だな。 リンも同じ感じっぽい。
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