【白銀の黒帝 23】俺の職業は、最弱と村人、そして村人はの俺は。

3章：魔道国家編

どこかに連れてこられた

浮遊感がおさまり、俺が目を開けると、どこかの部屋だった。
目の前には、50代ぐらいの男性がいた。
「マシュー殿、救出すまぬかったのじゃ。　流石に、我々では皇国へ行けなくてのう。」

マシューと呼ばれた町人風の男が、俺をソファーに座らせる。
そして、ニタリ笑いっている。
「いいっすよ。　若干探すの大変だったすけど、まぁなんていうんんすか、上司から言われたからっすよ。」
「そうじゃったか。　で、あの方々は今回は？」
「今の所、傍観するって言ってたっす。　大きな秩序の乱れも、今の所は、なさそうっすから。」
「承知した。　人間の範囲で対応が可能って事じゃな。　マシュー殿、協力感謝じゃ。」
「ははは、上司命令っすから。　あの方には、俺らは逆らえないっすよ。　って、逆らうきもないっすけど。　
　んじゃぁ、帰ります。」と言ってマシューはドアから立ち去ろうとしつつ、俺のほうをみた。
「ルカス君。　君の武器は、君だけが使える今は問題ないっす。　
だけど、欲まみれな人間や、集団にわたったら秩序が乱れるっすから注意してほしいっす。　
じゃないと、面倒になるのはこっちなんで。」ってマシューさん。

「え！　なんで、マシューさんは、俺の武器の事知ってんの？」と思わず聞いてしまった。
「なーに簡単っす。　俺が情報収集担当っすから。　まぁ詳しくはそこのオッサンに聞いてください。　
俺は、本来表舞台に出ない人っすから」って笑いながら行ってしまった。

それ、回答になってないって。

結局、その日は、夜も遅いという事で、隣にある休憩室で休むことになった。　
オッサンの名前が、ドミークというらしい。　
久しぶりにシャワーも浴びて、寝巻きに着替えて、ふかふかのベットに、もぐりこんだ。
そう言えば、身体中にある傷も治っている。　なにがなにやらだけど、睡魔が勝ちそのまま寝た。

◇◇◇
翌日、目が覚めた。　久しぶりに良く寝た。
なんせ、この半年間無理やり夜明けと共に働いていたから。

「ルカス、起きましたね。」ってゼバスの声が聞こえて、俺は、飛び起きた。
「ゼバス、無事だったんだなー」って寝巻きのまま抱きついた。
ゼバスが頭を撫でながら、
「はい、ルカス。　私も昨日マシュー殿に助けられたんです。　
ルカスが心配で、ドミーク様にお願いしてこうして朝食をお持ちしました。。　」って言ってくれた。

俺たちは笑いあって、俺は用意してあった服に着替えて2人で朝食を食べた。
ゼバスも今、何処にいるかはわからないらしい。
朝食も済ませて、小休憩していると、この屋敷の侍女らしい人がきて、ドミークのいる部屋に案内された。

ソファーに座る俺たちに、ドミークも対面のソファーに座る。　
紅茶と菓子も用意された。　
さっきいっぱい朝食食べたけど、久しぶりにみる甘味についつい目がいってしまう。
出された紅茶もおいしい。

「まず、ちゃんとした自己紹介じゃな。　わしは、ドミーク・フローシアと申す。　魔導国家の国王じゃ。」

それを聞いて、俺はブーって飲んでた紅茶吹き出した。　
俺の粗相を、ゼバスがふきながら、
「いやいや、昨日まで我々は皇国にいたんですよ。　どうやって、魔導国家まで一瞬で移動してるんですか！」って俺の言いたい事も言ってくれたゼバス。

どうやら俺達は、今、魔道国家にいるらしい。
そして、一瞬で、皇国から魔道国家に来た。