上 下
13 / 32
2章:少年期

ゼバスとモーゼス 前編

しおりを挟む
僕は西の街の外れにある家にきて、ゼバスに会う事ができた。
凄い、歓迎された。 なぜ故に?

そんな俺の疑問について聞く暇もなく、ちょっとした中庭が見えるサロンに案内された俺。
落ち着きなく座ってると、ゼバスがジュースといっしょにサンドイッチ、スコーン、焼き菓子を持ってきてくれる。

俺が食べていると、ボサボサ頭は変わらないが身綺麗にしたモーゼスも、俺の対面にすわり、ゼバスがお茶を用意して飲みながら、食べ始める。

「ルカス君、なぜわざわざザンソ村からわざわざ1人でゼバスを訪ねてきたんだい? 僕、気になっちゃってね。」って言われた。

確かに、ザンソ村の事を知らなければ、誰でも思う質問だ。

「1週間以上前、俺の父さん、母さんも含めてザンソ村の村人全員殺された。 
俺の父さんが、もしもの時にってお金と旅準備がしてあって、ゼバスさんを訪ねろって手紙が残されたてたので、来ました。」って素直に言う俺。

すると、ゼバスがティーポットを落とし“ガシャン”と落としながら、俺のほうに立ち膝ついて俺の両手を握ってきた。

「あのセイラとパウロが、殺されたんですか?」ってセバスは既に涙を流してる。
「はい、騎士の人達に。。」って俺。 もうこれ以上は、話したくない。

「ルカス君、騎士の人達というのはどういう事だい?」って聞いてきたのはモーゼス。

やっぱり、話さないと駄目だよね。
「俺の妹のララが、来月から聖騎士学園の中等部にはいる事になって、入学前に帰省するって事になったんです。
村人全員で、ララの進級と帰省を祝うために歓迎しようとしたんです。 
だけど、モータル公爵という方が、ララを実の娘で生き別れた娘だったと。 
俺の母さんが、侍女をしていて、娘を拉致したという理由から報復のためだとと言って、村人を含めて俺の父さんと母さんも殺したんです。
しかも、母さんを殺したのは、ララなんです!!」っていうと、あの時の光景が今でも思い出す。

ララ、何をしてるんだ!

「その話は本当なのか?」ってモーゼス。

本当なわけあるわけがない。

「そんなの嘘なんです! 俺は、ララが母さんのおなかの中にいたの知ってるし。
ただ、単に、ララの職業が聖騎士だから、養女にするためで、ララの出生を秘密にするために、村人全員を殺したんです!」って俺は訴えた。

「おいおい、それ、もし君が生きているって知られたら危険じゃないか。」ってモーゼス
「いえいえそんな事よりも、よくご無事で。」ってゼバス

「うん、俺の職業が最弱の村人だから、聖騎士の兄が最弱ではって事で、俺は村から離れた場所で見てたんだ。 だから、急に騎士達が村人を襲撃した時、父さんが逃げろって合図してくれて、それで逃げられた。」って俺。

違う、違う。 俺は、たかが村人だから、何もできなかっただけだ。
悔しくて、そして悲しいのかわからない涙がでてくる。

「パウロは、最後までルカス様の御身を守ってくださったのですね。」とゼバスの頬から涙が伝わる。
俺とセバスは抱き合いながら泣いた。

「おいおいゼバス。 何がどうだか僕にはわからないよ。 なんで、そんなただの村人を様付けしてるんだよ!
それに僕は、彼を保護するには反対だよ! 何も役に立たない村人を。 どこかの教会に預けるのが1番だよ!」ってモーゼフ。

確かに、孤児になった俺が行くべき場所はゼバスの所じゃなくて、教会だったのかもしれない。
でも、父さんの手紙に書いてあったから、ここに来ただけだ。
それなのに、最弱の村人とかそこまで言わなくてもいいんじゃないかよって、俺はいろいろな感情が生まれて、何も言えないでいる。

「モーゼス坊ちゃん、ゼバスの名にかけて、ルカス様にはここに住んでいただきます。 モーゼス坊ちゃんが、嫌ならでて行きなさい!」ってセバスが剣幕した顔で、モーゼスに言い寄ってる。

「何を言ってるんだゼバス。 ここの主人は僕だよ。」

「よく、そんな事を言えますね。 この家は、モーゼス坊ちゃんの父より私の老後のために譲り受けた土地と家でしょ。 それを研究馬鹿で停職につかないあなたが勘当されていく所もなく勝手に住みついてたんでしょうに。 12年前に来たときに我者顔でここに住んでましたよね。」ってゼバス。

えー、ってことは、ここはゼバスの家で、モーゼスは単なる居候って事? それにしてもモーゼスの態度は偉そうだけど。。

「うっ、僕の弱みにつけ込むなんて酷いよ。 わかったよ、ルカス君も今日から僕と一緒にゼバスの世話になろうじゃないか。」って、なんか開き直ったモーゼス。

「いいんですか?」って俺。 勝手に話が決まっていて、どうしようかってアタフタしてる。

「もちろんです。 ルカス様」ってゼバス。

という事で、俺は、ゼバスの家に厄介になれる事になった。 でも、1つ気になる事が。。

「様づけはいいんで、ルカスでお願いします ゼバスさん。」って言った。
「では、私の事はゼバスでお願いします。」

こうして俺は、ゼバスとモーゼスと暮らす事になった。 なんでゼバスが俺の事を様付けしているのか気になったけど、教えてはくれなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

傭兵アルバの放浪記

有馬円
ファンタジー
変わり者の傭兵アルバ、誰も詳しくはこの人間のことを知りません。 アルバはずーっと傭兵で生きてきました。 あんまり考えたこともありません。 でも何をしても何をされても生き残ることが人生の目標です。 ただそれだけですがアルバはそれなりに必死に生きています。 そんな人生の一幕

処理中です...