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1章:プロローグ
最弱で最底辺の村人の僕
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翌朝、熱も下がった僕は、ザンソ村から少し離れた所にある泉から水を運んでいる。
これは、3歳から初等教育を受けるまでの、この村の子供の仕事なんだ。
と言っても、この村にいる子供は僕を入れても5人だけ。
そして、僕は、みんなの中で一番小柄で、かつ体力もない。
だから、周りのみんなと比べても、桶の半分しか水が運べない。
そんな僕を見つけると、子供達に石を投げつけられたり、また転ばされたりして、満足に水運びもできないだ。
今日もボロボロになりながら運ぶ。
「やーい、村人!」
「しかも、村人の最弱なんだってな!」
といわれ悪ガキどもに囲まれ殴られる。
「痛いから、やめてよ! あ! 水」っというと、頭からせっかく汲んだ水を被らせる。
「早く戻れよ!」とまた蹴り飛ばされる。
「あなた達、いい加減にしなさいよ!」 そうやって怒鳴るのは妹のララ。
「ララが来た、逃げるぞ~」って言って逃げていく悪ガキ共。
ララがずぶ濡れで倒れている僕ルカスに、
「お兄ちゃん、いくらなんでもやられ過ぎ! 私、いい加減、恥ずかしいんだから、しっかりして!」と叱咤された。
「うん、ごめん。 泉に行くね。」って僕。 まったく、僕のノルマが終わってないからだ。
「お兄ちゃんが、一往復している間に、ララがもう全部おわらせたわよ。 本当、使えない」ってララは呆れてる。
「あはは、ごめん」とヘラヘラ笑うしかない僕だった。 また、ララに負担をかけてしまった。
家へ帰るとずぶ濡れの僕をみて、優しい母は、「ルカス!」といいながら乾いた布で拭いてくれる。
「怪我してない?」
「うん、大丈夫」というと抱き上げられて暖かい火鉢の所へつれていってくれる。
「身体を早く温めないと、風邪ひいちゃうわ。 ホットミルクを作るわね」といってそそくさと台所へいく母だ。
狩人の父が戻り、
「ルカス、またずぶ濡れだったんだってな。 水汲みやめて、家で母さんの手伝いでもいいんだぞ」って、くしゃって大きな手で僕の頭をなでてくれる。
「もう! なんで、いつもいつも、お兄ちゃんばっかりに甘いのよ! 今日だって、ララが。お兄ちゃんの分まで水汲みしたんだから!」って癇癪を上げるララだ。
最近のお決まりのパターンなんだ。 優しい両親が、僕を甘やかすとララが癇癪を起こす。
そうなると、母さんが、ララを抱きしめる。
「ララ、偉いね。 ララが頑張り屋さんなのは、母さんも父さんもわかってるの。 ルカスは、身体が弱いからついついね。」
「ララ、俺が剣術の稽古つけてやる」ってララを抱き上げと、ララは嬉しいそうに「やったー♪」と言って、父さんとララは庭へいく。 父さんとララの楽しそうな声が外から聞こえる。 外で遊べて羨ましい。
母さんが僕のところに来て、「ルカス、大丈夫?」って聞くんだ。
「うん、大丈夫。 ごほ、ごほん」って咳が止まらない。。
「ルカス、もう熱が」って言われて母さんに抱えられながらベットに連れてかれる。
せっかく、3日ぶりに外にでたのに。。 熱でうなされながら僕の意識は朦朧としてた。
夜なのか、母さんと父さんの話し声が聞こえる。
「俺、村長に頼んでルカスに水汲みをさせるのはやめさせようと思う!」
「でも、あなた。 そんな事を言ったら、ただでさえ他の人よりもう倍も働いているのに、追加で働かされるわ。」
「仕方ない。 不作続きで、この村は経営難だ。 俺がここで一家の大黒柱として、今は頑張り所だ。」
「そうね、私も内職を増やすわ。」
父さんも母さんも僕のせいで無理してるんだ。 ごめん、貧弱な村人で。。
これは、3歳から初等教育を受けるまでの、この村の子供の仕事なんだ。
と言っても、この村にいる子供は僕を入れても5人だけ。
そして、僕は、みんなの中で一番小柄で、かつ体力もない。
だから、周りのみんなと比べても、桶の半分しか水が運べない。
そんな僕を見つけると、子供達に石を投げつけられたり、また転ばされたりして、満足に水運びもできないだ。
今日もボロボロになりながら運ぶ。
「やーい、村人!」
「しかも、村人の最弱なんだってな!」
といわれ悪ガキどもに囲まれ殴られる。
「痛いから、やめてよ! あ! 水」っというと、頭からせっかく汲んだ水を被らせる。
「早く戻れよ!」とまた蹴り飛ばされる。
「あなた達、いい加減にしなさいよ!」 そうやって怒鳴るのは妹のララ。
「ララが来た、逃げるぞ~」って言って逃げていく悪ガキ共。
ララがずぶ濡れで倒れている僕ルカスに、
「お兄ちゃん、いくらなんでもやられ過ぎ! 私、いい加減、恥ずかしいんだから、しっかりして!」と叱咤された。
「うん、ごめん。 泉に行くね。」って僕。 まったく、僕のノルマが終わってないからだ。
「お兄ちゃんが、一往復している間に、ララがもう全部おわらせたわよ。 本当、使えない」ってララは呆れてる。
「あはは、ごめん」とヘラヘラ笑うしかない僕だった。 また、ララに負担をかけてしまった。
家へ帰るとずぶ濡れの僕をみて、優しい母は、「ルカス!」といいながら乾いた布で拭いてくれる。
「怪我してない?」
「うん、大丈夫」というと抱き上げられて暖かい火鉢の所へつれていってくれる。
「身体を早く温めないと、風邪ひいちゃうわ。 ホットミルクを作るわね」といってそそくさと台所へいく母だ。
狩人の父が戻り、
「ルカス、またずぶ濡れだったんだってな。 水汲みやめて、家で母さんの手伝いでもいいんだぞ」って、くしゃって大きな手で僕の頭をなでてくれる。
「もう! なんで、いつもいつも、お兄ちゃんばっかりに甘いのよ! 今日だって、ララが。お兄ちゃんの分まで水汲みしたんだから!」って癇癪を上げるララだ。
最近のお決まりのパターンなんだ。 優しい両親が、僕を甘やかすとララが癇癪を起こす。
そうなると、母さんが、ララを抱きしめる。
「ララ、偉いね。 ララが頑張り屋さんなのは、母さんも父さんもわかってるの。 ルカスは、身体が弱いからついついね。」
「ララ、俺が剣術の稽古つけてやる」ってララを抱き上げと、ララは嬉しいそうに「やったー♪」と言って、父さんとララは庭へいく。 父さんとララの楽しそうな声が外から聞こえる。 外で遊べて羨ましい。
母さんが僕のところに来て、「ルカス、大丈夫?」って聞くんだ。
「うん、大丈夫。 ごほ、ごほん」って咳が止まらない。。
「ルカス、もう熱が」って言われて母さんに抱えられながらベットに連れてかれる。
せっかく、3日ぶりに外にでたのに。。 熱でうなされながら僕の意識は朦朧としてた。
夜なのか、母さんと父さんの話し声が聞こえる。
「俺、村長に頼んでルカスに水汲みをさせるのはやめさせようと思う!」
「でも、あなた。 そんな事を言ったら、ただでさえ他の人よりもう倍も働いているのに、追加で働かされるわ。」
「仕方ない。 不作続きで、この村は経営難だ。 俺がここで一家の大黒柱として、今は頑張り所だ。」
「そうね、私も内職を増やすわ。」
父さんも母さんも僕のせいで無理してるんだ。 ごめん、貧弱な村人で。。
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