【不遇転生:4】悪役子息と婚約者 ~俺はまた悪役子息に転生した~

八木恵

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4章:アスタ王国編

僕、マルコ 後編

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自由きままな人生。 やっぱり僕には意味がわからない。

「それってどういう意味?」ってアン。

「うん、僕もギルド長になってわかったけど、ロイ君はずっと国にも貴族にも縛られない人生を望んだ。 ユキさんもだ。 その為だけに、ロイ君は出来損ないを演じ続け、裏ではもの凄い努力で財を作りあげ、アルパーノの犠牲になる者達を救い、アナキー公国の基盤を作りつづけた。 そして、張本活動を利用して他国と調整して、この中立組織ギルドを立ち上げた。」

はぁ~、ギルドを立ち上げたのはロイスなのか。 僕は今知った。

「もしかして、アルパーノの執拗にロイスやユキアナを殺そうとしないで、従軍期間が終われば、アナキー公国は独立しなかったのか?」って僕だ。 全ての元凶はアルパーノだ。

「それはないね。あの時点で国王もアルパーノも、キンバリー家とブラッドリー家を没落さてようとしてたからね。 だから、準備して期を待ってた。 裏切ったのは国だよ。 あーするしか、キンバリーもブラッドリー、そしてホワーズも生き残れないし、ウィーザー家もいつアルパーノに狙われるか分からないからね。 でも、君達は、全く知ろうともしない。 調べることもしない。」ってエルーマだ。

「確かに、ステラの時に思った。 情報がないって。」って僕は呟いた。

「でも、自由に生きてたのに、なんであのステラ戦で、ロイスとユキアナは出てきたんだ?」

「そこ? まぁーいいよ。 ロイ君は、ずっと深層の森の魔獣が氾濫しない事を気にしていた。 なんせ他の森では集落に魔獣が襲撃するのに、あの森には数千単位の魔獣が生息していた。 何かの刺激でいつ氾濫してもおかしくないってね。 だが君達は、あそこの近くで戦争した。 僕達は、深層の森を刺激しないように、火力無しで防衛するしかなかった。 知らない君達は深層の森を刺激した。 それで起こったのが魔獣の氾濫だ。 

あそこの魔獣は、かなり強いってか、ロイ君、ユキさんでしかおさえられない。 それで、仕方なく表舞台にでたが、なんと邪竜登場だ。 君達が最初に倒したのはロイ君から見れば、ただの知能のない羽付きトカゲだ。 
邪竜というのは、瘴気を振りまく竜で、あれを退治しないとこの大陸が魔獣に呑み込まれる。 それで、仕方なくだ。」

「そうか。 でもあーしなければ、アスタ国は衰退だった。 結局衰退だけど。」って僕は呟いた。

「そうだね。 でもさ、他国はなんでアスタ国を攻めないかわかる?」ってエルーマだ。

確かにそうだ。 でも最大国家だからか。
「わからないだろうね。 他国にとってなんも利がない。 善良な人が貧困にあえぐことのない国だっけ。 善良なって、何をもって善良さ。 優しい人? それとも、慈悲深い人?」

「僕には、今はわからない。」

「だよね。 だって、善良な人なんていないから。 世の中不公平だ。 ロイ君曰く、食うか食われるかだ。」

「そ、そんな、酷い」ってアン。

「酷くないよ。 生きるためにみんな必須だ。 それでも無慈悲に命を奪われる。 アスタ国以外は、そういう国だ。 それでもいいっていうなら、ラドナ国のサバナ領で一般文官の下働きがあるけどどうする?」

サバナは、娼婦やらだ。
アンをみたけど引きつっている。 でもアスタに戻るのがいいとも思えない。
僕は、エルーマの提案を受け入れた。

最初は苦労した。 アンが馴染むまで数年かかった。 けど、今は慣れたし、観光、娯楽って必要だ。 アスタがいかに変だと実感した。 そして、ロイスがいかに全貌を見続けていたかもだ。 アスタ国は、ずっと踊らされ続け、最後はロイスの手の平で転がされてたかってね。 脱帽だ。

僕は、国を動かすほどの能力はなかったって事だ。 一般文官で、アンとアンとの間の子供達の幸せにするのが丁度いい。

アスタ国は、マックはあの戦争で片足失って、戦えない。 脳筋だから、国王の器ではない。 
しかも、種無しになってレアとの間には子供が出来ずだ。 早々に退位して、王都のホワーズ家の屋敷で暮らしてるらしい。 結局、セオドリック様がシャーロットの息子が成人するまで王位代行だ。 少しはまともになったみたいだけど、自給自足の細々とした国らしい。 攻め入る軍事力もないしな。 アスタ王国は衰退して、ほそぼそとした陸の孤立した国になってる。

なんだかんだで、それなりの幸せじゃないかな。 
高望みはいけないよ。
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