【不遇転生:4】悪役子息と婚約者 ~俺はまた悪役子息に転生した~

八木恵

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3章:従軍編

マッキンリーの様子でも見に行くか

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その日の夜遅く、貼り付けにされてるマッキンリーの様子を見に空き地近くにきた。
石とか、鎖のついた槍で刺されている。 まだ生きてるな。

ラウロの報告じゃ、市民達がやったらしい。
「あら、男の子と女の子。 兄妹かしら。」
って、たしかに、6歳と8歳ぐらいの少女と少年だ。 少年は槍を両手にもって震えてる。

「躊躇してるみたいだな」って言いつつ、ユキと少年と少女の所へ行った。

「坊主、親は?」って聞いたら、少年は槍を落として少女の方へいく。
「僕達には、親はいないんだ。 1年前に、こいつに、父親は公開処刑されて、母は」って言って少女の耳塞いで「こいつと、こいつらの部下達に犯されて死んだ。」っていう。

「お前見てたのか?」
「うん、妹と隠れろって家の床下にいた。 でもその後、犯罪者の子供だって僕達いく所もなくって、辛うじて近所の叔母さんがこっそり隠れて路上で生活してる僕らに1日一回食料持ってきてくれたけど、叔母さんも今回ので死んだんだ。 だから全部、こいつのせいで、僕達は不幸になったんだ」って泣きながらいう。

「災難だったな。」って同じ目線に立ってしゃがんだ。
夜中に子供って思ったら、こいつら行き場がないのか。 服も汚いし、ガリガリに痩せてる。

「災難じゃない。 僕もクララも、悪い事してないのに、僕達ほど不幸なのはいないんだ。」
「不幸レベルは、みんな違うからな。 不幸でいうと、ある少年は、生まれて時から全ての5感が無くて魔獣がいっぱいいる森に捨てられた。 それでも、必死に独りで生き抜いて、力をつけたけど、ある国に命狙われて、足掻いて生き残った。 それに比べれば、お前にはまだ妹がいるだろ。」 ってノアールの過去は悲惨だな。

「うん。 でも、僕どうしたら?」

妹のほうは、ユキがお菓子あげてる。

「そりゃ、妹を守れるぐらい強くなれ。 坊主、名前は?」
「僕は、ガスト。 僕は強くない。」
「んじゃぁ、このオッサン刺して恨み晴らして、あとは自力で頑張れ。 まずはそこからだろ。」

って言ったら頷いた。
「ユキ、」
「クララちゃんはこっちね」って抱き抱えて見えない場所へ移動だ。

「クララは?」って心配してる。
「妹に、お前の復讐みせれないだろ。 さっき躊躇したのもそれだろ?」
「うん。 見てたの?」
「ああ、見てたから声かけた」

「うん、僕達はこいつのせいで」って言って、しっかり両手で槍もって足や腹を刺した。 愚痛した声がマッキンリーから漏れた。

「はぁはぁ、もういい」って少年ガストだ。

「んじゃぁ行くか」って肩車してあげた。
前世で、ユキとの子供や、ジョン、デバスの子供にもしたなぁ。 
「お兄ちゃん、どこいくの?」
って、ガスト。

「お前と妹が、ご飯食べれて、眠れる所だ」ってユキはクララを抱っこして俺達は合流して、歩きながら仮説住宅の長屋に向かった。

「お兄ちゃん、ここ騎士団の施設で、いくなって大人達が言ってたの聞いたよ。」
ふむ、蟠りがあって住人がなかなか移動してくれないってエマが愚痴ってた。

「今日一晩だけ泊まれ。 そうすれば、この施設がどういう場所かわかる。」
「うん。」

そう言って、俺とユキは、ガストとクララを待機させたエマに預けた。

ちなみに、マッキンリーは2日目に死亡した。
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