【不遇転生：４】悪役子息と婚約者 ～俺はまた悪役子息に転生した～

2章：学園編

悩めるセオドリック陣営 前編

Side：セオドリック陣営

マルコは、色々頭を悩ましていた。　僕はしがない男爵家の次男で、武力がないから頭脳と智略で成り上がるしかない。
発端は、セオドリック様が、マックベインの剣術の圧倒的な強さに惚れ込み、彼を取り込むため、彼が護衛騎士するホワーズ領のフローレア嬢も誘った。　彼女もレイピアの使い手だし、しかも噂どおりの美少女だ。　純粋無垢で可愛いらしい。
僕も彼女の事が好きだ。

セオドリック様もフローレア嬢に好意があるが、無表情の冷妃ユキアナ様という婚約者がいる。　黒髪で、ハーフアップで纏めた髪に、暗いグレーの瞳。　綺麗でかなりの美人だが、目は常に冷ややかで怖いし、無表情がさらに冷酷さを増す。　表情が豊かなフローレア嬢とは両極の存在だ。　

学園入学して少しした後、フローレア嬢の婚約者ロイス。　彼の悪評は、学園入学前から王都でも有名だった。　フローレア嬢の側には、ロイスの義弟エリオット君がロイスの暴言から守るために常に一緒だ。
エリオット君は子供の頃からフローレア嬢が好きらしい。　ロイスのせいで、フローレアとは婚約できなかったって嘆いていた。　フローレア自身、恋とか分からないようで、曖昧だけど、ロイスとの婚約は、ホワーズ領の資金繰りのため仕方なくだと。　
ロイスは、小柄なのに存在感があり、容姿整っているのに目つきが非常に悪い。　僕も初めてみた時は、少し臆するほどだ。　あれに睨まれたり、暴言吐かれば、女性は特に萎縮するだろう。　

フローレア嬢との婚約を解消させるため、ヘレンや他に噂を広めた。　もとから、頭の出来が悪くて、剣術もできない出来損ない。　金で無理矢理婚約したとか噂を広げた。

実技でも怠けているロイスに絡むようにしたり、悪評もあって皆ヤジなど飛ばしてた。　
案の定、ロイスは、暴力を振るった。　無手のロイスだけど、目潰しやら馬乗りで殴る蹴るだ。　
過剰すぎると、噂通りの人物だと僕は、判断した。

ある日、ヘレンが、すでにロイスとフローレアの婚約は解消、婚約者はエリオットになっている。　
しかも、ホワーズ領の次期当主はフローレアの弟のマシューで決まっていると。　エリオット様とフローレア嬢に確認したが、マシューは出来が悪くて、領主にはつとまらないと。　ただ、ここ数年は、フローレア嬢は両親と会話するが、弟は全く家族の団欒に入る事がなくなったらしい。　フローレア嬢は、反抗期なのって寂しそうに言ってた。　エリオット様はエリオット様で、婚約解消の話は聞いたが、こんな可愛いフローレア嬢をロイスが応じるわけがないという。

確かに、それは言える。　セオドリック様の方で調べたら、1年近く前に既に婚約解消されているわ、エリオットが婚約者になっているわだ。　マシュー様が成人したらホワーズ領の領主が決まっていた。　キンバリー子爵の後継は、エリオットの予定になっていた。

マックベインは些か不満そうだけど、フローレア嬢は安心したというよりエリオット様は喜んいた。