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2章:学園編

脅迫の手紙の調査 前編

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私、フレディで、ロイス様の執事兼従者です。
ロイス様は、今日から3日間の謹慎ですが、昨夜から魔獣狩りに行くといってお出かけしてます。 ロイス様との出会いは、ロイス様が10歳です。 その時、ロイス様の頭脳と智略の片鱗を見せられました。

数年は、ロイス様の命もありマシュー君の教育と、どうしようもないホワーズ伯爵家の改革の地盤作りで離れました。

今でもあのクシャナ村の事件を思い出すと、形だけの領主の首を締めたくなります。 
クシャナ村の事件を発端にして、あの裏帳簿をネタにして、キンバリー子爵家の当主ローレンス様の指示、やや脅しですが、文官総入れ替え、屋敷の人事やら無用な調度品を売ったりとかなりテコ入れです。 現在は、私の兄ベルディが領主代行、そしてマシュー君が成人でホワーズ伯爵家当主が決まってます。

ロイス様がフローレアと婚約した際、ローレンス様は、ただ伯爵位が欲しいだけで、隣の貧乏伯爵家との婚約を決めました。 なので、ホワーズ領がどうなろうと知ったこと無しでした。 ただ、赤字を埋めるための資金援助はしません。 現地調査の為に私はあの時一緒にロイス様の従者として行ったのですが、見抜かれました。

家具工房、農地開拓案はロイス様と相談しながら提案です。 人材も見合わない数の騎士団を投入。 当初反対されましたが、農耕も鍛錬だという事で納得させました。 騎士団も平民です。 実際、開拓してみれば鍛錬にもなり、領地も潤うと分かり今では率先して取り組んでるそうです。
それをアニータが私をエリオットの従者だといい、功績はエリオットになりました。
そして起きたクシャナ村の事件。

その後、兄に引き継いだ私は、父からエリオットの執事になるよう言われましたが断固拒否しました。 
ロイス様と共に行くといい、ロイス様に嘆願しました。 表面上は、キンバリー子爵家の執事ですが、実態は、ロイス様との直接契約の執事で給金はロイス様の私財です。 数年の間に、ロイス様なんと1億を超える私財がありました。

それを知ったのは王都の家です。 その前に実は剣術もできるとは聞いてましたがにわかに信じただけです。
魔獣の素材とカジノで稼いだとおっしゃる私財です。 
父から数年前から、闇取引所で魔獣の素材を下ろす青年、カラスを探しているとは聞いていました。 
なんせ、魔獣をソロで都度10頭以上は下ろすのです。 一般兵が1匹倒すのに4人がかりが、独りです。 そんな凄腕の戦力の素性を探すのは当たり前ですが、一向にわかりませんでした。

ロイス様がまさかカラス?ってお伺いしたら、そうだけどって平然とおっしゃいます。 
あんただったんかいって突っ込みたくなりました。
私財を貯め込んでいる理由も、全て国にも貴族にも縛られない自由には、金がいるの前提だそうです。

そしてユキ様の登場。 ブラッドリー伯爵家、表向きはバラク大商会、裏家業ありです。 
カラスとしてお会いになったそうですが、お互い一目惚れで翌日にブラッドリー伯爵当主ドーハ様を脅し、婚約、15歳で婚姻です。 ロイス様が、カラスだと知っているのは、私、ユキ様、ドーバ様とブラッドリー伯爵の嫡男グース様のみ。 全て魔法契約で口外、書面禁止です。

なぜそこまでするのかと最初は思いましたが、徐々に納得です。
魔道具は作るわ、商会の商品も手がけます。 カラスとしての活動は、魔獣狩りのみならず、暗殺、盗賊狩りなど様々です。 

なのに、ロイス様の学園での評判は最悪です。 どうも、クリスバーグ陣営たる学園内の陰謀に巻き込まれているようです。

長くなりましたが、未だにエリオットは、ロイス様が家督をつぐかもしれないという不安、またフローレアは解消されてもまだロイス様がフローレアを欲しているとう勘違いがあると。 入学当初は、彼らはまだロイス様がフローレアの婚約者だと思い込んでました。 叔父、ジュルディ、そしてローレンス様からの連絡でも信じなかったようです。 正直、キンバリー子爵家は、フローレアなどもう必要ありません。

マシュー君が当主になった時点で、キンバリー子爵は昇格で伯爵が決まってます。
ホワーズ領の開拓貢献が認められ、農作物の輸入には3割減税でキンバリー領に行きます。 
家具工房の売上の3割がキンバリーです。 

そして、ユキ様からのメモで、エリオットはロイス様が王都のキンバリー子爵家の屋敷に住んでいると思い込んでいる事、フローレア宛に脅迫の手紙がきているらしいというお知らせです。

叔父のジョルディに確認。 脅迫の手紙の事は知らないと。 普通は婚約者の家へ相談するだろう。 ホワーズ伯爵の王都の屋敷へ向かいました。
既知の方もいるので、キンバリー子爵家の使いのふりです。
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