上 下
17 / 133
1章:少年編

14歳の俺はクシャナ村にいる

しおりを挟む
半年に一度のホワーズ領の訪問は継続している。 ってか、滞在期間中のほとんどはクシャナ村にいる俺だけどな。
そして今回の俺は、ちょっとあって何時もの訪問に先立ってクシャナ村に来ている。
「フミばばあ、薬草の栽培どう?」ってタバコふかしつつ。 この世界も成人は15歳だけど、13歳くらいから酒、タバコ、女だ。 さすがに精神年齢が150歳以上だと、これらは我慢できない。

って話がそれたが、特別な薬草ってのが、昔戦場だった場所、死人の土壌の上らしい。 
前世で魔神から人体構造を学んでたから、それを知識に似た土壌を作って栽培実験してる。
立札で土壌を10枠ほど区切ってある。 

「ロイ、功能的に近いのは、9番と5番だわさ」
「見た目は、4番と8番だがな。」っていいながら、失敗した土壌は入れ替えて4番と5番で少しリンとカルシウムを多めにしたりしてる。

「人工的に栽培してみるってよく考えるわさ」ってばばあ。
「あん、いくら農地開拓始まったって言っても、村の収入源になるまであと3年以上かかるだろ。 それまでに、ここの村の特産物作らないとな。」って言っておく。
「ロイが自生してた、ヨモーギ、キズウス草の栽培、あとハーブ系である程度収入は確保できたわさ。」って言われた。
「ある意味、実験場にしてるがな。」ってタバコふかしつつだ。

「フレディがちょくちょく来て、買付けしてくれるし、行商人にも売れて昔に比べたらここの村は少しは裕福になったがな。」って言われた。

当初、糞尿は近くの肥溜に捨てて臭かった。 
肥料に、最適だから今は土と石灰を混ぜて肥料に使わせてる。
他の村はまだ実施してない。 実際、収入源が増えたって領民に周るまでは時間がかかる。 税金の上げ止まりにさせた程度だ。 

「ロイ、いつもより早いじゃねぇーか」ってマルティーノのジジイだ。
「ちょっとな。」って苦笑いしとく。

親父にエリオットを見習えだの小言を言われたからだ。
家具工房やら職人の手配やら裏で動いたの俺なのに、フレディからの提案の際あいつが横取りしたわけだ。 
騎士団を農地開拓へ回すのだって、結構ここの領主は難色しめしたが、これはフレディが説得したみたいだが、いつの間にかエリオットは自分の将来の執事だと思い込んでいる。 フローレアも同じだ。
どうでもいいが、まぁ、居づらいのは確かで、いくら精神年齢が上だと言っても嫌気がさして、転移でここまで来た。 母親だけには先に行くって、馬車で出かけたふりをしたけどな。

ちなみに、フローレアとは相変わらず会えば萎縮されて、全く会話がない。
「まぁ実家でなんかあったってことか?」って突っ込まれた。
「まぁーそんな感じだ。 出来損ないの方湯息子だってなぁー」ってタバコふかしてる。
「剣術の天才がか?」って小声で突っ込まれた。
数年前にマルティーノのジジイにだけバレた。 
ジジイは、元々優秀な騎士で、騎士団に所属してたが、よく知らないが横領の罪着せられて首。 
そんでもって、その時、ここの騎士団によって別の村にいたが一家惨殺で、生まれたばかりのパウロ連れてこの村に流れついたらしい。 異名がグリム、リッパーらしい。

「自由に生きるためには、馬鹿息子が1番いいんだよ。」って返事しておく。
「パウロも強くなったが、去年の剣術大会でもサンライズのマックベインに負けたな。」っていう。 
「あれだろ、フレディいわく、来年の学園に護衛騎士で行くんだろ?」
俺は見た事もないが、エリオットも絶賛してるらしい。 マシューとフレディ情報。
「ああ、みたいだな。」ってジジイにもタバコをあげて一服中。

「ジジイは、例の反乱因子と合流すんのか?」
「若いのが来たが、断った。 若い奴らには、あと数年の我慢だって言ったがな。」
「まぁー、マシューが成長するまでだな。 結構、時間を見つけてはフレディと行ける範囲で村の実体調査してるみたいだがな。」

そんな会話してた。 

◇◇◇
夜、俺はだいたい村から離れたところで、魔神からもらった簡易テント、中はキッチン、ベット付きなどかなり簡易空間で過ごす。 実家より、こっちのほうが設備充実してるんだな。 飯は、自炊してる。

いつものようヌトの卵に魔力をあげる。
「ヌト、結構卵大きくなけど、まだ孵化しないのかぁ~」って独り言。

魔力量は、前世の魔神にあった前後までは増えた。 
ヌトのお陰と、途中で気づいたってか思いだしたがテント、簡易ハウスの中に魔神式鍛錬場があった。 
なんで、日課の訓練はそこでしてる。 
前世の14歳の時と同等ぐらいの剣技、あと刀も扱えるが抜刀術の技は双紋線までだ。 
南雲斬りには、身体が追いつかない。
まだまだ訓練あるのみだな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

御庭番のくノ一ちゃん ~華のお江戸で花より団子~

裏耕記
歴史・時代
御庭番衆には有能なくノ一がいた。 彼女は気ままに江戸を探索。 なぜか甘味巡りをすると事件に巡り合う? 将軍を狙った陰謀を防ぎ、夫婦喧嘩を仲裁する。 忍術の無駄遣いで興味を満たすうちに事件が解決してしまう。 いつの間にやら江戸の闇を暴く捕物帳?が開幕する。 ※※ 将軍となった徳川吉宗と共に江戸へと出てきた御庭番衆の宮地家。 その長女 日向は女の子ながらに忍びの技術を修めていた。 日向は家事をそっちのけで江戸の街を探索する日々。 面白そうなことを見つけると本来の目的であるお団子屋さん巡りすら忘れて事件に首を突っ込んでしまう。 天真爛漫な彼女が首を突っ込むことで、事件はより複雑に? 周囲が思わず手を貸してしまいたくなる愛嬌を武器に事件を解決? 次第に吉宗の失脚を狙う陰謀に巻き込まれていく日向。 くノ一ちゃんは、恩人の吉宗を守る事が出来るのでしょうか。 そんなお話です。 一つ目のエピソード「風邪と豆腐」は12話で完結します。27,000字くらいです。 エピソードが終わるとネタバレ含む登場人物紹介を挟む予定です。 ミステリー成分は薄めにしております。   作品は、第9回歴史・時代小説大賞の参加作です。 投票やお気に入り追加をして頂けますと幸いです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

氷と闇の王女は友達が欲しい! 〜寡黙な護衛騎士とのズレた友情奮闘記〜

スキマ
ファンタジー
■あらすじ エヴァーフロスト王国の王女、ノクティア・フロストナイトは、氷と闇の二重属性を持つ神秘的な存在。しかし、その冷たさと威厳から、周りの人々は彼女を敬遠し、友達ができない日々を送っていた。王国の伝統に従い、感情を抑えて生きる彼女は、密かに「友達が欲しい」と願っている。 そんなノクティアに唯一寄り添うのは、護衛騎士のダリオ・シャドウスノウ。彼は影の中から王女を守り続けてきたが、感情表現が苦手なため、まったく友達になる気配はない。だが、ノクティアが友達作りを始めると、彼も影ながら(文字通り)支援することに。 二人の関係は主従か、あるいはもう友達? 王女と護衛騎士が織りなすズレた友情劇は、思わぬ方向に進んでいく。果たしてノクティアは普通の友達を作ることができるのか? 孤独な王女が友情を求める氷と闇のファンタジー・コメディ、開幕!

【不遇転生:1.5】元王族 ~また王子に転生したらしいけど、王子とか国王とかもう勘弁~

八木恵
ファンタジー
僕、アーク・リストラント、一応リストラント王国の王子として生まれたけど双子は不吉の象徴って事で隔離されいる。 前世は、アーサーって名で、アルタイト王国の国王だった。 その時の最後は、毒殺だ。 死ぬ際の心残りは、ギースを解放する事ができなかった。 きっとこの転生も何かの因果なんだろう。 また、王子で、今度は隔離されている。 しかも暗殺されるらしい。 そんな僕が俺に呼称を変えて、なんとか暗殺から免れたいし、しかももう王子とか勘弁。 これは、そんな俺の話。 時系列としては、不遇転生1の同等の時期の物語です。 ※更新は不定期で、かつ遅いですが、暇つぶしに読んでくれれば嬉しいです。 ※誤字脱字が多いかもしれませんがご了承ください。 ※作者、誹謗中傷に弱いため、感想にはご配慮くださると助かります。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...