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3章:英雄学園編

ダンテ、英雄学園3年目の日々

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3年も授業構成は同じで金曜がダンジョンの日だ。 

ダンテ達パーティーにハロルドが加わり、ハロルドはまだ中級ダンジョンは5階層までという事もあって、中級ダンジョンの1階層目からやり直しになったが、数週間で中級ダンジョン10階層まで到達する。 
ダンテの魔力量も増え、制御用の腕輪は3本だが本人のみしかわからない。

数ヶ月経ったある日、中級ダンジョンも20階層までクリアし、食堂でダンテ達4人は夕食を食べている。 

「ダンテも大変だよね。 ほぼ毎日のように、勧誘だもんね」というレン。
 3年になってから、皇女、コンラッドのみならず、聖女、勇者までもが来て勧誘である。 
また、他傭兵団もダンテが無所属である事を知り、候補生達が上級生含め来るのである。 

「正直、ウザい。」と、うんざりな顔をしているダンテだ。
「でも、ダンテ凄いよな。 なんせ、話しも聞いてないで、断る、興味ないで終わりにすんだから。」と、ダンテの無碍な態度を面白がっているのか笑いながらいうジェフだった 
「地位とか名誉とか報酬とか話されてもな。 興味もない。」
「ダンテって、卒業したらどうするんだ?」
「故郷に帰るだけだ。」というダンデに、ジェフもレン、ハロイドも驚いていた。
「何か、あるの? そう言えば、休みの度に帰ってるから」と聞かれ、ダンテは「家業の手伝いだ。」と無難に答えるのだった。 

「家業って何してんだ?」と突っ込むハロイドに、ダンテは「田舎なんで、いろいろだ。 魔物の討伐から、農業とかかな。」とこれもまた無難な回答をする。
 「へぇー、大変だな。 お前も。。」といい田舎を知らない彼らは、勝手に妄想しているようで、ダンテが勧誘を断り続ける理由にとしても納得するようである。


一方、勇者・聖女パーティーは、中級ダンジョン60階層まで達し、上級ダンジョンの攻略を始めるらしい。 
中級ダンジョンの61階層で虫エリアとなったとたん女性陣がギブアップしたらしい。 
ただ、上級ダンジョンは、ギルドランクBが必要で、勇者が「犯罪者でも人は殺せない」と渋っているらしく、攻略が止まっているとのこと。 それも数週間後には、上級ダンジョンを攻略し始めた。 

なんでも、週末に皇女が気分転換に迷宮都市郊外の森へ、勇者・聖女・魔法師とコンラッドで向かう途中、盗賊に襲われている貴族の馬車に遭遇し、助けるため盗賊を殺すしかなかったとの事。 
その際、皇女が勇者とは弱き者を助けるためで、盗賊を殺さなかったら助からなかったなど、正当化し、犯罪から守るのも勇者の務めと論したようだ。 
その貴族は、商業国家の上流貴族の娘で、ラムゼイ大公に謁見できたとの事で、彼らはそのまま護衛も兼ねてラムゼイ大公の邸宅へ招待されたとか。
この功績により、ギルドランクがBになったとの事。 
久しぶりにあったニーナが語ってくれた情報である。

これを聞いたレンが「まさに、テンプレだね。」といい、”でんぷれ”の意味がわからないニーナ達にレンが説明をすると、「なーるほど、まさにテンプレよね。」と早速異世界用語を使っているのであった。

それから、個別トーナメント戦の時期になり、ダンテ達の対戦相手は、S組だが勇者・聖女パーティーではなかった。 
この際、ダンテはあえて不様に負け、ジェフ達もあえて負けたのであった。 
これをきっかけに、聖女はダンテに興味を無くし、毎日あった勧誘が無くなり、テストも終わり、前期が終了するのであった。 これは、ダンテ達の作戦で特に魔大陸へ行きたいとも思っていない彼らは、A組に残留さえすればいいので無理に勝つ必要なしと決めたのであった。

こうして、また特に突起する事もなく、日々は過ぎていき後期の個別戦トーナメントは初戦で敗退し、最終学年もA組に残留となるダンテ達であった。 
3年終了時までには、ダンデ達は、中級ダンジョンを50階層まで攻略したのであった。 
 また、レン、ジェフ、ハロルドも盗賊討伐の昇格試験を受けギルドランクBとなるのであった。
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