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1章:プロローグ

臨海国家の背景

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ここは、王国より東南の沿岸に栄える臨海都市だったが、王国から独立し、今は、ラムゼイ家が納める臨海国家となっている。 


当初は、山々にも恵まれ砕石場もあったことから囚人達が働く収容所や軍施設があったが、後に東国との貿易の入口として街ができ栄た。 
そして、あまり娯楽施設がないことから、囚人たちを戦わせる剣闘場ができ、囚人女性達は娼婦として働くようになっていった。 周りの島には荒くれものの海賊や盗賊たちもおり彼らたちむけの商売として囚人奴隷も合法としてみとめられる都市となっていく。 

徐々に娼婦たちの生んだ子供、捨て子は孤児院の施設に集められ、最低限の教育をほどこされると秘密裡に人身売買の対象で貴族、娼婦、奉公人として売られ賃金はほぼゼロに等しく働きずめで、最終的にはスラム街へと隔離される。 
もちろん、孤児院で10歳まで引き取り先がない子供もスラム街へと捨てられ、スラム街では日々暴動が繰り返される。 
街とスラム街の間には高い壁が存在し、彼らが自由に出入りできる先は危険な魔物が生息する山のみである。

スラム街の住人達もバカではなく、地下通路をほりから街へでてスリ等で生活をしたり、週1度の剣闘士の参加のみみとめられ命をかけてお金をかせぐものもいた。 

ラムゼイ家が納める今も、人身売買、囚人奴隷、スラム街、剣闘士がたたかう決闘場は週1で開催され、合法的に掛けも存在し、それらの掛け金は国の収益の一つとなっている。 
そして、東南のほうに新たにできた精霊の塔により人口も潤い、さらに貧富の差がはげしい国家となっていた。

孤児院にいたものや、スラム街の住人には市民権は与えられず、市民以外は街の外にもまた16歳になる歳にうけられるはずの3年間の義務教育も受ける事ができない。 
なお、金貨100枚を雇い主または市に支払う事で、孤児院およびスラム街の住民は市民権を得る事ができるが、普通の方法では得る事ができない大金なのである。
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