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3章:学園都市編

学園長と交渉してみる

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次は第二段階だ。

「これは取引なんだが、ここの結界綻びが出てるよな。 気づいていたか?」
「ええ、130年前にその当時でも珍しい魔術師がはった結界なのですが、今の我々ではどうすればと日々魔法陣の解析をしていますがまだ解明できずです。 幸い、魔王襲撃や魔物の氾濫が起きていないので良いですが、放置できない状況です。 良くお気づきで。」というアンガスは非常に困った顔をしている。

よし、これならいけるな。 と俺は自然に悪い笑みをする。

「俺が修復できるっていったら? どうする? しかも今よりよ、緊急時、強固にするっていったら?」

その俺の言葉に、アンガスが勢いよく立ち上がり「本当ですか! 是非お願いします!」と大声でいう。

俺は、これは釣れたな。 「だから、取引だっていったろ。」
困惑しているアンガス。
「対価として、何をお望みですか?」
「心配すんな。 対した事じゃねぇー。 学園内の喫煙許可がほしい。」
「はは、成人しているので本当はいいはずですが、10代で喫煙する人はいないですからね。 高級品ですから。 ギルバート氏の手紙に書いてありました。 いいでしょう。 授業中や校舎建物内はダメですが、屋外、屋上は許可します。 ただ、吸い殻のポイ捨ては禁止ですよ。 あと寮のお部屋と学園長室も許可します。 いかがでしょう?」
「取引成立だな。」といって、俺はタバコの火をつけて一服するのだった。

無事、喫煙許可も得た。 俺の目的は達成だな。

「ええ、では、今の時間なら結界棟には誰もおりません。 早速、直していただいても良いですか?」
「全然かまんよ。」といい俺はタバコの火を消す。

「吸い殻も灰もないとは、さすが黒帝様の縁者様なんですかね。」とアンガスが呆れている。
「まぁそんなもんだ、魔術師って奴は。」 俺はニヤっと笑った。

それから、アンガスと俺たちは、結界魔法陣がある結界棟へ移動する。 
結界棟は、学生は入棟禁止なようで『学園長と関係者以外』は立入禁止となっていた。 別に結界で制限しているわけではないが、そう記載されていただけだ。

俺は、さっそく結界魔法陣の部屋に案内され、魔方陣を確認する。 あー、なるほどね。
「リン、学園長 ちょっと離れてもらえるか? 改変と修復に魔力解放すんから、辛くなるぞ。 リン、学園長の前に念のため結界はってやれ。」
そういうと、リンはアンガスと俺から離れ、俺の魔力にあてられて気絶しないようにリンが結界をはる。
俺はそれを確認して、今している改良に改良を重ねた魔力制御の腕輪20個のうち1個外す。

膨大な魔力が解放され、魔法陣を触りだすと魔方陣が動き、3重の魔法陣がに宙に浮き回転し始めるとすこしして元の位置いもどる。 最後に魔力を注ぐ。 
その光景は5分もしない。 そして、ふわーんという感覚となり通常の結界が学園内を覆う。 そして外した腕輪をして魔力を抑える。

「リン、もういいぞ。 終わった。」といって、リンが結界を解く。
「こんな短時間で、通常が最上級になっている!」と感嘆しながら魔法陣のほうに行くがアンガス。 
わかるのは前と模様が違うくらいで、ちょっと落ち込んでいる。

そんなアンガスは無視して俺は説明する。「結界の範囲は同じだ ただ、効率とかまぁいろいろ変えた。 緊急時は神級で、300年は綻ばないんじゃねー。 綻んでも最上級の魔力を複数人で注げば再起動するし、自動的に修復するようにした。」

そんな結界の改編をあっという間にしてしまうシュンだが、詮索はできないアンガスは魔法師としての興味、向上心をなんとか抑えてる。
「対価が喫煙というが見合わないような気がします。 それ以外で私で協力できる事があればいつでも学園長室にきてください。」

「了解」と俺は返事しておく。 
結界棟をでた俺たちは、アンガスの案内で寮へいくのだった。 寮の前でアンガスとわかれたのだった。
ギルといい、アンガスもなんか高待遇だよな俺達。
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