【不遇転生：1.5】元王族 ～また王子に転生したらしいけど、王子とか国王とかもう勘弁～

1章：少年期

暗殺じゃなくて拉致？

フリッツを担いだ奴らを気配を消して追跡した俺。
ついた場所は、どう見てもちょっとした飲み屋だが、裏手、そして地下にはなんかの組織だ。

「ナンバーX、言われた通り、ガキを例の場所から連れ出してベットで寝かせてある」と野太い声。
「丁重に扱ったわよね。」というのは、ナンバーXと呼ばれた女性の声だ。
「ぐっすり眠っていて、抵抗もなしだ。　こんな楽な仕事ないぜ」という野太い男。
「そう、ナンバー15、任務完了よ。　取れあえずあなたは、表の商売へ」って女性の声だ。

俺、アークは、フリッツの寝ている地下の部屋で気配を消して隠れてる。状況がさっぱりわからない。　1人は地上へ、もう1人はこっちの部屋だ。
こっちの部屋は、他の奴らが運んでから誰もいないというか、フリッツが寝ているのみ。
見張りなしってどういう事だ？

そしたら、女性が入ってきた。
「ふぅう。　やっと保護できたわ。　毒殺、暗殺される前に、アーク殿下の保護そしてリステ小国のアイザック公爵家へか。　まだまだ、先は長いわ。」って女性が暗闇の中ベットに近づく。

「はぁーーー、これ屑女の駒じゃない！　ナンバー15にベットで眠るって。　え！　動けない、私」って俺は拘束して、女の首にナイフを当ててる。
「殺されたくなかったら、質問に答えてもらう。　騒いでも無駄だ。　結界はってある。」って言ったら観念じゃないけど静かに頷く。　魔法発動しようとしたみたいだけど、魔法発動禁止の拘束だし。

「お前ら何者だ？」
「裏ギルドの組織よ。　主に暗殺を担当する殺し屋よ。　私は主に諜報担当。　実働部隊がいて、実行するのよ。　組織は各国にあるわ。　それより、あなたこそ何者よ。　まさか、暗部いえだったら」って思案してるようだ。　暗部だったら即行殺されてるしな。
「そんな殺し屋が、誘拐なのか？」
「違うわよ。　今回の任務は、アイザック公爵家から組織に別邸に居るはずのアナベル王妃の息子、アーク殿下の保護よ。　まぁそれも失敗したけど。　私達は、明日には口封じで組織に殺されるわ。」
シビアな組織だな。
「お前らの事はどうでもいいが、アイザック公爵家ってのはなんだ？」
「はぁー、知らないのね。　まぁいいは、アナベル王妃の実家よ。　この国では、王家で双子は不吉とされてるの。　ただ、次の王子が、デボラ側室の息子カミル殿下、名目上第二王子がもうすぐ5歳になると、隔離されてた王子は暗殺される可能性が高い。それを案じたアナベル王妃の両親が秘密裏に事前に保護を要請してきたのよ。　今夜が暗殺実行日だったのよ。　先回りしたつもりが暗殺部隊が乗り込んだようね。　屑女の駒が寝てたのは意味がわからないけど」ってやや不貞腐れる。
なるほど。　ようやく状況理解した。　拉致じゃなくて保護だったのか。
「あながち、失敗ではねぇーよ。」って言った。　
俺はまだ7歳だ、市中やスラムに放り出されても生きる道は、殺し、窃盗しかない。　初めてギースにあった日のことを思い出す。
「どういう意味よ。　私しか、アーク殿下の顔を知らないのよ。　この任務も」って女がいう。　かなり秘密裏なんだな。
「だから、俺がアークなんだよ」って暗闇の部屋の電灯をつけた。
女は20代前半っぽい。　なんか口開けてポカーンとしてる。

「アーク殿下、毒で弱ってるんじゃ？」って女が最初に聞いてきた。
「毒、あー、あれはそこのフリッツごまかすため。　毒耐性ぐらい、とうの昔に克服してる。」って言っておく。　だって、前世、猛毒で徐々に弱らせられたし。　あんな毒じゃ効かない。　何度もいうけど、その辺りの耐性は前世から引き継がれてる。
「じゃあなんでここに？」
「このフリッツが敵だって言うのは知ってたし、こいつ俺が具合悪いふりして寝たら、ボソって今日で解放とか言ってたから、まぁその後こいつ拉致って身代わりにさせた。　その後、追跡してきたらここにきた」って言っておく。
「ナンバー15、20、21がいて気づかれずに追尾して進入したの？」
「そうだけど。」
だって別にたいした事ない。　だって、前世の暗部の長が気配の消し方とか上手すぎて、面白半分で学んだ。　長が国王のすることじゃって言ってたし。　使ったのは今世のみだ。　長に使ってもすぐに見つかったし。
「もういいわ。　私とリステ小国に来てくれる？」
「条件はいくつかあるけど、それのむならいいが、こいつどうするんだ？」

ってその後、条件交渉して、フリッツは、別部隊によって奴の宿舎だかに運ばれたらしい。　俺には興味ないけど、わざわざ女が教えてくれた。