【白銀の黒帝:13】魔道国家の留学生

八木恵

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2章:潜入編

合宿1日目 中編

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夕食後、入浴が終わって俺は、合宿所の就寝部屋にいるぞ。
相部屋で、メンツは、オット、ラーツにシンだぞ。

「シン、初討伐だったけど、どうだ?」ってラーツ
「最初は、やっぱり怖かったけど、冒険者になるって決めたのは自分だからね。 これから頑張るよ。」
「そういや、なんで冒険者なんだ?」ってオット
「皇国は人間至上主義でね、召喚された時に魔界から魔族が攻めてくるから人間を守って欲しいっていわれたんだけど、僕は才能ないから学園卒業までは面倒みるけど、その後は自由にっていわれたんだ。
 学園も本当は皇国のって言われたんだけど、僕なり調べてこの学園って、いろんな国から留学生も多いし、ドワーフもいる。 いろいろ知るにはいいかなって思ってね。 
 それにもう、元の国には帰れないっていわれたから、だったら自由に旅するには冒険者しかないしね。」っていうシン。 
「僕がここに来るっていったら、勇者もさここがいいって言いだしたんだよね。 まぁ、彼のクラスは貴族のみみたいだけど。」って苦笑いしているシンだ。

「シン、おいおい、元の世界に戻れないってなって、お前ショックじゃないのか?」ってラーツだ。
「そりゃ最初はショックだったよ。 でも、僕、元の世界でも孤児だったし、それに向こうの学校でも1人でいる事が多かったしね。 また、いつ人間同士の戦争が起きるかもわからない所だったから。。。
 逆に、今はラーツやオットにシリルって友達ができて、うれしいかな」って言うシン。

「そうか。 ならいいのか? でもよ、その魔界の魔族っていうけど、魔界ってあるのか?」って聞くのはラーツだ。
「そこだよね。中には、魔大陸の魔族がせめてくるとかという話もあるし。」ってシン。
「おれの故郷では、魔界の魔族はもともとこの世界にいたって事になっている。 
 創世記で、人が貧弱で軟弱だったため、創造神は魔力をもつ頑丈で寿命の長い魔族を作り、人と交配する事で人は魔器をもつ人間が生まれた。 
 人と人間の間でも魔器をもつ人間が生まれる。 人間は、見た目も寿命も人と同じで魔力があるか無いかだった。 しかし、魔族と魔族の間では、なかなか子供はできなく、個体数はあまり増えない。 
 ある時、魔族を脅威に感じた人間達は魔族を迫害し、魔族は神獣に助けを求め神獣と共存するも、人間達はそこにも侵略し神獣の怒りを買った。 それ以降、魔族と保護していた神獣の姿はこの世界からいなくなる。 いなくなった彼らはどこに行ったかっていうと、この世界とは違う魔界にいった。 それに、確かに魔大陸には魔族がいるけど、魔大陸は過去一度もこの大陸を攻めた事はない。」って説明するオットだ。
「へー、俺達の知っている創世記と違うな。 俺達の場合は、魔族たち実は、魔大陸に避難していたって事になっている。 という事は、魔族と魔界の魔族は違うのか?」ってラーツ。
「それは、どうなんだろうな。 俺も知らないな。」ってオット
「魔族がいるというのはわかったけど、結局、本当に魔族がせめてくるのかな?」ってシン。


俺は彼ら会話を聞きつつ、読書していたから会話にはいってなかったぞ。
だけど、シンの質問については気になるし、皇国の言っている理由も気になったぞ。
「俺、ここにくるまで、その魔族が攻めてくるっていう話きいた事なかったぞ。 いつからそんな話がでたのかだぞ?」って聞いたぞ。
「皇国は、聖女様が女神様からのお告げでって話だけどね。」ってシン。 女神のお告げって、なんだぞ。
「俺もしらねぇーけど、いつの間にかって感じだ。」ってオット
「ああ、いつの間にか広がっていたな」ってラーツ。

やっぱり噂の元は不明なのかだぞ。
「そうなのかだぞ。 それを信じてるのか?」って聞いたぞ。
「少なくとも皇国と勇者は信じてるかな。」ってシン
「半々だ。 備えておく必要はあるって感じだ」ってラーツ
「ああ、一部は信じてるよな。」ってオット

結局、噂の元は不明のままだし、ただ皇国の聖女ってのがいるっていう事だけが理解したぞ。
その後は、談笑している彼らをよそに俺はそのまま読書を続ける事にした。 
聞きたい事は、聞いたと思うぞ。
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