【白銀の黒帝：14】異世界に召喚された俺たち

2章：邪神さがし

谷から戻ってきたシリルとジョシュア

2週間のジョシュアの性教育が終わって、食堂に戻ってきた俺とジョシュアだぞ。
「ただいまなのだぞ」
「ジョシュア様、なにも壊してないですよね」ってベリアルの第一声だったぞ。
「こわしてないんだ」ってジョシュアの奴、不貞腐れてるぞ。
「楽しかったんだぞ」
「よかったです。　で、」ってベリアルの言葉を遮ったシュンさんがニヤリって笑いながら、「ジョシュア、童貞卒業したな」って言ってるぞ。
「うん、性教育とはいいもんだ」と嬉しそうにいうジョシュア。　
「谷の魔物はなかなかだったんだ。　シリルとの模擬戦もたのしかった」
「デザートできてる」ってリンさんが声をかけてきてくれて、ジョシュアが「本当か。デザートたべたい」といって食堂向かっていったぞ。

俺、ちょっと解放されたぞ。
「うん、とりえあず、赤面せず話せるようにはしたぞ。　時間が足りないから籠絡されないようにはできてないぞ」
「最初が最初だけに、まずますじゃねぇーの」ってシュンさん。

2週間前まで、リンさんと話すのもままならないジョシュアの変わりように驚いるベリアルだぞ。
「魔族的性教育とはどういった内容なんでしょうか？」
「うん？　5人ずつ違うタイプのサキュバス達が人に擬態して、会話から初めて、一緒に遊ぶんだぞ。　その日の夜に気にった人とセックスするんだぞ。　で、数日後にまた違うタイプがきて会話からはじめるんだぞ。　それを本当は3週間ぐらいするとだぞ、だいたいの女性の扱い方が理解できるようになるんだぞ」
「あんなに娼婦を嫌がっていたのにジョシュア様、なぜ嬉しそうなんでしょうか？」
「その3週間で、サキュバスがまた会いたいと思うと、魔方陣をおいていくんだぞ。　あとも、お互い時間あえばセックスできるんだぞ」
「なーるほど、って、そんな性教育があるなんて、参考になりました。　ジョシュア様が女性を怪我させる事なくすんでよかったです」って安堵しているベリアルだぞ。
「心配しすぎなんだぞ。　女性のほうが経験豊富だぞ。　その点も全部おしえるんだぞ」
「ジョシュア、エール飲めるようになったぞ」って俺はシュンさんに報告したぞ。
「やっぱ、ジョシュアも強いぞ。　でも、引き分けだったぞ」って模擬戦の報告もしたぞ。
「へぇー、さすがだな。　制御ありでやたんだろ？」
「うん、当たり前だぞ。　お互い身体強化なしでやったぞ」
「お酒のませちゃったのも驚きですが、引き分けって、信じられないのですが」ってベリアルだぞ。
そんなに驚く事かだぞ？
食堂でデザートを食べているジョシュアが「デザートたべないなら、おれが全部たべる」といい、俺とシュンさんもあわてて食堂へいき、それを追うベリアルだぞ。　リンさんのデザート食べないとだぞ。

◇◇◇

皆が食べながら、先に食べおわったジョシュア。
「ベリアル、シリルとの模擬戦が引き分けは本当だ。　おやじをぼこぼにするシュンさんの元弟子なことはあるんだ」
「シュンさんの元弟子なんですか？」
「ああ、そうだ。　シリルが9歳から17歳までの間だな。　んで、あとはシリルに勝手に成長しろっていって、卒業させてぇんだ。　んでぇなんだかんだで、会えば模擬戦してけどな」って俺だ。
「うん、そうだぞ。　んじゃ、これ食べたらシュンさん模擬戦しようだぞ」ってシリルの奴だ。
「いいぜ」って俺がタバコに火をつけて一服。
「お、おれも、模擬戦したいんだ」ってジョシュアも参加らしい。　というわけで俺たち3人で訓練場にむかうのであった。

そんなシュン達の姿を見ているベリアル。
「ジョシュア様が部屋にこもらないなんて。　たった2週間で成長している」と、涙目でいっているベリアルだ。
「お前たちが過保護だ。　ジョシュアはいま自由だ。　好きにさせるといい」ってやや呆れながらいうリンだ。
「でも、もしもの時に」と心配していうベリアル。
「もしもの時のためにシュンがいる」
「いくらシュンさんでも、邪神ですよジョシュア様は」
「おまえも訓練場にいくといい」といわれ、ベリアルが向かうのであった。

数時間後、夕食の支度のため戻ってきたシュン達。
「おれ、はじめて負けたんだ」といいながらもうれしそうにいうジョシュアの奴。
「また負けたぞ。　楽しかったぞー」ってシリルの奴。　いつも俺と模擬戦するとだいたい同じ言葉だな。
「リンさんの言った意味がわかりました。」ってすっきりした顔のベリアルだ。
「おまえも、この生活を楽しむといい」って、くすり笑いながら言うリン。
「ええ、ジョシュア様の成長を見守る事にします」と言っている。　なんかあったんか？　まぁいいか。

俺はそんな事考えつつも、タバコに火をつけて一服だ。　
「夕飯なにがいい？」って聞いたら、「「ハンバーグ」」ってシリルとジョシュアだ。
「ったく、ガキはいつまでもハンバーグだな」って突っ込みながら俺は厨房へ向かった。

実年齢は、シリルもジョシュアもガキじゃないが、見た目がガキだからな。