【白銀の黒帝:21】元皇族らしけど、自由に生きたい

八木恵

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外伝 皇太子候補:学園編

合宿っていっても俺は救助隊

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俺ギース。 ったく、この2日間、馬鹿な生徒のフォローばかりだ。 5KMより先にいったやつ戻したり、魔物討伐で魔力不足で動けない奴とかを転移で連れて帰ったり。 はたまた、魔物討伐で劣勢な奴の補助したりだ。
緊急信号をなかなか上げないから、索敵して走りまわってる。 上げろよな。

んで、もう夕方って時に、生徒会のやつらが慌てて走ってきて
「ダミデル様とアリア嬢が、5KMにある崖に落ちた」って連絡してきた。 さすがに崖の上じゃ飛翔系の魔物多いから緊急信号あげないのはわかるけど、飛翔して戻るとかさ、転移するとかしないか普通。

俺はそれを念話でうけて捜索。 崖っていったっていっぱいあるし。
アウルとも合流して、探してた。 戻ってないのはこの2名ってことで、他3人にも他の場所ささせてる。
そんで、連絡うけて数十分でみつけたよ。 彼ら的には、数時間まっていたかもしれないけどさ。

飛翔系の魔物倒しつつ、ようやく到着って思ったら、なんか抱き合ってるし、キス直前だし。
俺お邪魔か。
「えーと救助きたけど」っていったら驚いて、2人が離れた。 俺、みちゃいけないところみた?
「ギース様、タイミング悪すぎ」ってアウルに突っこまれた。

「砦に戻るぞ」って言ったら、「アリア、腰痛めて動けない」って糞女。
「既に夕方過ぎてるが」って爽やか君。
「それは平気だけど、お前武器は?」
「崖の下に落ちてしまったんだ」っていう。
「そっか、大切な物か?」
「ああ、魔武器だから」って悔しそうな顔する爽やか君。
「んじゃぁ、アウル、こいつらつれて先に砦に戻っておけよ。」
「ギース様は? あ! はい、了解です」っていって、アウルの転移でやつらをつれてかれた。
そんで、俺はって、崖の下まで飛翔しつつ、襲ってくる魔物殺して、爽やか君の魔武器を回収。 その後、転移で戻って、ジャデス経由で武器を渡してもらっておいた。

夕方以降、砦内は侵入禁止の結界がはってあるのに、なんで入れるのかって、そりゃ結界のほころび見つけてるからだ。 なんど、この砦にオヤジとの模擬戦で転移した事か。。

こうして、無事なのか、とりあえず、生徒の中には負傷者はでたけど、死亡者ゼロで合宿の護衛任務は終わった。 

◇◇◇
Side:ダミデル
あそこでギースが来てくれなきゃ、アリア嬢と一線を越えていた。 しかも、魔武器まで回収してくれたみたいだ。 奴に対しては良い印象がなかったけど、今回ばかりは感謝だ。 でも、シャルになんて言えばいいのか。
「デル様、無事で本当よかったですわ。 それに、あの時助けていただいてありがとうございます」ってシャル。 合宿の帰りで、魔導列車に乗ってる。
「婚約者を助けるのは当たり前だろ。 ただ、自分不甲斐ないよ。 結局は、ああ、救助隊に助けられたよ」
「そんな事ないですわ。 あそこでアリア嬢が倒れなければって崖に落ちる事も」
「アリア嬢の事を悪くいうのはやめたまえ。 たまたまだったんだろ」って、なんで俺は彼女の事かばうんだ。
シャルが下を向いている。
「そうい意味じゃないんだ。 ただ、彼女が、ああなのも理由があるってわかってな」
「それは?」
「今の両親は本当の両親じゃなくて、どうも2歳下の妹にいじめられているようだ。 それなのに、あそこまで明るくふるまうのも健気だなって思っただけだ。」
「そうだったのですね。 でも、あくまで同情ですわよね。 バッシュの彼女なんですのよ」って言われた。
「もちろんだとも」としか言えない。

なんだ、このもやもやした感情。 シャルとは一度だって抱き合った事も、その上、キスもした事ない。
成人までそうい事はしてはいけないと幼少期に言われてた。 それでいいのか。
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