【白銀の黒帝:21】元皇族らしけど、自由に生きたい

八木恵

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外伝 皇太子候補:学園編

ラベンダー事件

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渡された茶葉に、魔大陸のご禁制のラベンダーがはいっていた。 俺は、とりあえずジャデスに念話でつたえて、オヤジの所、つまり宮廷の魔皇帝の執務室にきた。

「クソオヤジ、ラベンダーが出回ってる」って、ハリセンで打ちかましたら避けやがったから、回し蹴りした。 ったくふいフチくらまそうとしたが、軽くはいっただけかよ。

「陛下もギースベルト殿下もじゃれあってないで、異常事態なのでご報告を」って宰相がいう。 インテリ系の生真面目男だ。

「とりあえず、俺が貰ったの反射的に燃やしちまったから、適当なやつからぶんどってきた」って言って渡した。
オヤジがタバコに火をつけながら「ギース、どこで手に入れた?」って言われたから説明しておいた。
「お前さ、入手経路はわかったがよ、名前とか覚えてねぇーのかよ」って突っ込まれた。
「んな興味ねぇーから覚えるか! 一応ジャデスには学園内の事は任せてきたわ!」って反撃しておいた。

「学園長とジャデス待ちだな」って言うオヤジだ。
「分析結果として5g中、0.1gです。 まぁよく気づいたとしか言えないですが、常時飲んでいたらと思うと。」
「でもよ、ラベンダーの事知らなねぇーガキがいんだな」ってタバコに火をつけながら言った。
「本当かよ!」ってオヤジも初耳だったみたいだ。

ラベンダーは、魔族の闘争威力を無くすし、無気力にさせる効果がある。 人間にはさほど効果はなく、リラックスうできるくらいだけど、魔族にとっては毒に近い。 という事で、取り締まりによりラベンダーは出回っていけない品物の1つとなっている。

「『植物学』が選択科目になってる学園が多く、殿下達の学園もそうです。
 とはいえ、学園卒業後は何かしらで学ぶこともあったり、普通は親から子へ伝えるものですが。。 
 貴族の中では学ばない事が多く、その弊害かも知れません。 使用人が熟知しているのが前提ですし。 今も残ってますしな。」って宰相。
「まぁ、確かにな。 雇用を考えるとそうなるな。まだいろんな弊害があんな。 趣味として、ダンスや刺繍も残ってんし、まぁ刺繍はあれだな一部工芸品としてはいいがな。」ってオヤジ。
へー、興味なかったから知らなかったが。

その後、調査結果として、交流戦の屋台で販売していたらしい。 
商業ギルドで販売元を確保し、店舗や倉庫にはラベンダーの痕跡はなく、屋台販売時の売上と在庫が合わなく店舗でも困っており商業ギルドには報告済だった。 まぁ差が100で、うちの学園で応酬されたのが30だ。 残り全てに混入しているとも断定できず、店舗については一時休業と罰金の支払いとなった。 商売は信用で成り立つ。 その店舗がどうなるのかは、商人の腕次第ではある。 

一方、学園は、当該生徒の寮と侍女がいたらしく関係者の部屋を女性教師が捜索。 特に違法性のものは見つからなかったが、謹慎3日の処分となった。 知らなかったというのは無知の証拠だしな。

そんな事もありつつ、俺は興味もなくってか学園には生徒会の会議、風紀の見回りしつつ、お痛したガキをのして医務室に連れてけばサマンサとセックスするといった日々で前期が終わる。 
それ以外は、ギルドのドニからの討伐任務、オヤジの手伝い、ダンジョン攻略、他は魔術の勉強や訓練だな。 

休み中は、また神獣巡りの続きだ。 急ぐ旅でもないから、ついつい異常気象にいったり、巣窟の森ではしゃいでいた。
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