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外伝 皇太子候補:学園編
ダミデル殿下
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一方、宮廷の一室にいるダミデル。
「叔父上は、まったく僕を相手にしない! 僕は次代だぞ!」
「ダミデル殿下、落ち着いてください。 陛下はまだ次代を指名してませんよ。」と指摘する宰相の息子、マルス。
「マルス、お爺様の孫は僕だけだし、叔父上は未婚だ。 であれば、僕しかいないだろ」
「それはわかりませんよ。 学園に先代の当縁の息子がいるという話ですから。」
「ふん、それでも継承権は僕が上だ。」
「ダミデル殿下、そろそろ騎士団の訓練です。 お着替えを」という騎士団団長の息子、バッシュ。
「あー、わかった。 学園が休みだというのに、僕ばかり。」と愚痴りながら従者に連れられて着替えにいく。
「俺も強制参加だけどな。 俺は、楽しいからいいけどな。」
「この脳筋め。 俺も魔術の訓練時間には参加するよ。」
「そっちこそ、インテリ気取っておいて、魔術バカじゃねぇーかよ。」
「転入生にあっという間に1位の座取られたからな、一応、これでも俺も必死だ。」
「ほとんど見た事ねぇーけど、あいつすげーな。」
「何2人で雑談してる、行くぞバッシュ」という声で、バッシュとダミデルは部屋を出て訓練場にむかうのだった。
◇◇◇
騎士団の一般兵の訓練に参加している、ダミデルとバッシュ。 そんな訓練の様子を見ているのは、淡い水色のワンピースを着て、髪色は濃紺の長いストレートで、瞳は紺色の顔立ちは整っており大きな瞳に鼻筋も綺麗な清楚な少女だ。
「シャルロット嬢、今日もこちらに?」
「マルス様もでしょ。」とそう微笑むシャルロットに見惚れる程だ。
「もう俺の家も貴族じゃないので、何度も申し上げてますがマルスで結構ですよ。」
「うふふ、クセなのでお許しください。 私の家も公爵家ではなく、ただの農家ですわ。」
「またまたご謙遜を。 あっという間に大商家なのに。」
「もう3年ですわね。 貴族制度が廃止になったのは。 あの時は、混乱するかと思いましたが、ほとんど混乱もなくおさまったのも、陛下と先代、それに反乱軍の方々のおかげかもしれません。
デル様のご両親は残念ですが、デル様が今も王族に籍を残していただいているのも、陛下の温情かと。」
「どうなんでしょうか。 まだまだ選民思想の者は多いですから。 シャルロット嬢は、あの時ダミデル殿下との婚約を解消できたのでは?」
「先代も父も私の好きにしてよいと言われましたわ。 ただ5歳の時からの婚約でしたし、あの時必死に耐えているデル様の姿を思うとおそばにいたいって思ってしまったのですわ。」
「ダミデル殿下は、愛されてますね。」
「うふふ、どうなんでしょう。」
「はぁはぁ、マルス、人の婚約者を口説いてるのか?」
「やだな、殿下。 話し相手ですって。」
「デル様、そうでわ。」といいながらタオルを渡し、受け取るダミデル。
「レモン水と桃水を作りましたわ。 どちらに?」と聞くシャルロットに「桃水だ」と愛想なくいうダミデル。そんなダミデルに対しても微笑みながら渡すシャルロットだ。
ダミデルも王族というのもあり、サラサラな紺色の髪に濃紺の瞳で爽やかな系で顔立ちも整っており、美男美女カップルであるが、シャルロットには無愛想なダミダルだ。マルス的にはただ照れているだけだと認識している。
「シャル、無理に毎日来なくてもよいぞ。」ってダミデル。
「無理してませんわ。 休憩も終わりみたいですよ」
「ったく、短いぞ。 また後で」と言って走って訓練へ合流するのだった。
「ダミデル殿下も素直じゃないよな。」というマルスだ。
「そうですかね。 デル様は、この3年で大分変わりましたわ。 幼少の頃は、我儘でしたし、体系も変わりましたわ。」
「バッシュに聞きました。 かなりふくよかだったと。」
「ええ、ご両親に甘やかされておりましたので、運動もせずでしたわ。 今とは大違いですのよ。」
「へー、今も毎日愚痴ってますがね。」
「それでもサボりもせず、努力しておりますわ。 一時期、バッシュ様の家で暮らしたのが良かったのかもしれません。」
「あの家に住んだら、甘えや我儘は通じませんから。」
という会話をしながら、シャルロットは訓練しているダミデルの姿を見ているのだった。
「叔父上は、まったく僕を相手にしない! 僕は次代だぞ!」
「ダミデル殿下、落ち着いてください。 陛下はまだ次代を指名してませんよ。」と指摘する宰相の息子、マルス。
「マルス、お爺様の孫は僕だけだし、叔父上は未婚だ。 であれば、僕しかいないだろ」
「それはわかりませんよ。 学園に先代の当縁の息子がいるという話ですから。」
「ふん、それでも継承権は僕が上だ。」
「ダミデル殿下、そろそろ騎士団の訓練です。 お着替えを」という騎士団団長の息子、バッシュ。
「あー、わかった。 学園が休みだというのに、僕ばかり。」と愚痴りながら従者に連れられて着替えにいく。
「俺も強制参加だけどな。 俺は、楽しいからいいけどな。」
「この脳筋め。 俺も魔術の訓練時間には参加するよ。」
「そっちこそ、インテリ気取っておいて、魔術バカじゃねぇーかよ。」
「転入生にあっという間に1位の座取られたからな、一応、これでも俺も必死だ。」
「ほとんど見た事ねぇーけど、あいつすげーな。」
「何2人で雑談してる、行くぞバッシュ」という声で、バッシュとダミデルは部屋を出て訓練場にむかうのだった。
◇◇◇
騎士団の一般兵の訓練に参加している、ダミデルとバッシュ。 そんな訓練の様子を見ているのは、淡い水色のワンピースを着て、髪色は濃紺の長いストレートで、瞳は紺色の顔立ちは整っており大きな瞳に鼻筋も綺麗な清楚な少女だ。
「シャルロット嬢、今日もこちらに?」
「マルス様もでしょ。」とそう微笑むシャルロットに見惚れる程だ。
「もう俺の家も貴族じゃないので、何度も申し上げてますがマルスで結構ですよ。」
「うふふ、クセなのでお許しください。 私の家も公爵家ではなく、ただの農家ですわ。」
「またまたご謙遜を。 あっという間に大商家なのに。」
「もう3年ですわね。 貴族制度が廃止になったのは。 あの時は、混乱するかと思いましたが、ほとんど混乱もなくおさまったのも、陛下と先代、それに反乱軍の方々のおかげかもしれません。
デル様のご両親は残念ですが、デル様が今も王族に籍を残していただいているのも、陛下の温情かと。」
「どうなんでしょうか。 まだまだ選民思想の者は多いですから。 シャルロット嬢は、あの時ダミデル殿下との婚約を解消できたのでは?」
「先代も父も私の好きにしてよいと言われましたわ。 ただ5歳の時からの婚約でしたし、あの時必死に耐えているデル様の姿を思うとおそばにいたいって思ってしまったのですわ。」
「ダミデル殿下は、愛されてますね。」
「うふふ、どうなんでしょう。」
「はぁはぁ、マルス、人の婚約者を口説いてるのか?」
「やだな、殿下。 話し相手ですって。」
「デル様、そうでわ。」といいながらタオルを渡し、受け取るダミデル。
「レモン水と桃水を作りましたわ。 どちらに?」と聞くシャルロットに「桃水だ」と愛想なくいうダミデル。そんなダミデルに対しても微笑みながら渡すシャルロットだ。
ダミデルも王族というのもあり、サラサラな紺色の髪に濃紺の瞳で爽やかな系で顔立ちも整っており、美男美女カップルであるが、シャルロットには無愛想なダミダルだ。マルス的にはただ照れているだけだと認識している。
「シャル、無理に毎日来なくてもよいぞ。」ってダミデル。
「無理してませんわ。 休憩も終わりみたいですよ」
「ったく、短いぞ。 また後で」と言って走って訓練へ合流するのだった。
「ダミデル殿下も素直じゃないよな。」というマルスだ。
「そうですかね。 デル様は、この3年で大分変わりましたわ。 幼少の頃は、我儘でしたし、体系も変わりましたわ。」
「バッシュに聞きました。 かなりふくよかだったと。」
「ええ、ご両親に甘やかされておりましたので、運動もせずでしたわ。 今とは大違いですのよ。」
「へー、今も毎日愚痴ってますがね。」
「それでもサボりもせず、努力しておりますわ。 一時期、バッシュ様の家で暮らしたのが良かったのかもしれません。」
「あの家に住んだら、甘えや我儘は通じませんから。」
という会話をしながら、シャルロットは訓練しているダミデルの姿を見ているのだった。
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