【白銀の黒帝：21】元皇族らしけど、自由に生きたい

3章：セロウノ大陸編

魔の森の魔物を討伐したらしい

それから数時間後、部屋で寛いでいたヴィンスとギース。
放送でグランドに集合するようにいわれクラス毎整列する。

壇上には、教師や軍兵のお偉いさんがいる。
「先程、Sクラスの精鋭生徒達と我が軍の精鋭合わせて50名が、魔の森中層部の魔物5匹と対峙した。　軍兵には負傷者が多発しておるが、未来の英雄とも言われているフレディ・バルトデュッヘ率いるパーティーの尽力もある見事討伐に成功した。」軍兵がいうと、拍手喝采がおこる。

俺、うざいとしか思わない。　フレディって、あいつか。

青みかかった金髪で身長は180cmで容姿端麗で雰囲気は好青年で貴賓のある男子生徒が壇上にあがった。
「今回の討伐は、僕にとっても危険な挑戦でした。　残念ながら、軍兵の方に負傷者を出してしまいましたが、彼らの助力無しでは成し遂げられませんでした。　未来の英雄なんて言われてますが、僕1人では無理です。　皆でこれからも協力して、精進していきましょう。」という。

「「フレディ様　素敵」」
「「フレディ様　ついていきます」」
「「フレディ様　万歳」」
などなど、黄色い歓声や歓声が鳴り止まない。

俺としては、久しぶりにあいつをみたけど、特に恨みもないな。　勝手にやっててくれ。

第二王子が登場し、歓声が止まる。　俺がなんで知ってるかって、隣でヴィンスが教えてくれた。
「フレディ、君のその謙虚な所はいいが、今回は、ほぼ君の最上級魔法のおかげと聞いている。　今後とも王国のため友としてみ君の活躍を期待しているよ。」というと、フレディが最上級の儀礼で「御意」というと、また周りの生徒達が喝采する。

「あの2人が揃うと絵になるし。　Sクラスってもっと傲慢かと思ってたけど違うみたい」ってリンジーは頬を染めていってるよ。「うん、みんな仲いいみたいだし、優しそう」と同じく頬をそめていうマリー。

彼ら2人がいる壇上の下では、Sクラスがいて、皆が今回の武勲を仲良く分かち合っている姿がみえる。
人間ってなんでこうなのかなってしか俺思ってない。　うるさいから解散にならないかなぐらいだ。

「かっこいいよなー」ってヴィンスは言ってるし。

一方その頃、同時で俺は念話している。

アウル:「ギース様、魔の森の魔物は1匹もださず手前の森から魔物数頭を偽装しましたの確認しました」
ギース:「最終確認ありがとな。　面倒だったから、クソオヤジに言われた通りにしたけどよ、上手くいくとは思ってなかったわ」
アウル:「私もまさかおびき出すなんて思ってもみませんでしたが、人間って馬鹿ですわ」
ギース:「アウルに言われたらおわりだな」
アウル:「酷い。　では、私は寮でヴィン爺の夕食いただきますわ」
ギース:「あー、ご苦労」

Sクラスが討伐したのは、ギースが事前に捕獲していたS級の魔物を討伐したのだった。　
事前にギースは、魔の森の前に結界をはっておき、攻撃魔法が放たれた場合、結界内に閉じ込めたS級の魔物が現れるように細工したのだった。　

さすがに、魔の森の魔物達が人間を攻めて、ギースが討伐する事態となる結果を避けるためだ。　彼らの命がどうなろうと問題ないが、ギースの強さが全面にでて目立つ事は避ける必要があったからだ。　なんせ、まだ潜入調査は終わっていないからである。

こうして、帰りも同じ工程で、学園まで戻るのだった。　
徒歩組で完走したのは約1/3のみでもちろんギース達魔導国家組は完走するのだった。